投稿日:2006-12-12 Tue
数多く出版されている翻訳ものの児童書。この本もその部類のもの。
ファンタジーにはもう、食傷ぎみだったんですけど、書評で気になり読んでみました。
マシュー・スケルトン著
「エンデュミオン・スプリング」
![]() | エンデュミオン・スプリング マシュー・スケルトン (2006/06/29) 新潮社 この商品の詳細を見る |
母が研究者のブレークは、オックスフォードの大学の図書館で、本の背表紙をたたいていると自分の手に噛み付いてきた本と出合う。
見るからに古そうなその本を開くと中には、まったく文字が書かれておらず白紙だった。
その後、その本が幻の本だと気づいたブレークは妹のダックの頭脳をかりつつ、その本と『最後の書』なるものを探し始める・・・・。
物語は現代のイギリスと、15世紀、初めて印刷術を開発したといわれるグーテンベルグの工房とそこで働いていたエンデュミオンの姿が交互に描かれる。
15世紀の記述は、史実をもとに創作し、グーテンベルグのほか、グーテンベルグに資金を提供していたヨハン・フストも実在の人物だという。
この印刷についてほとんど興味がなかったが、読んでいて興味が湧いた。勉強にもなったし・・・。
(この辺の印刷技術の誕生とそれにまつわる人間関係は、それだけで意外と面白そうだ。実際の、印刷技術はもう既にあったとか・・。別の機会に読んでみよう・・)
本がすべて、手で書き写されていた時代。
印刷は、正に画期的な技術であったに違いない。
そして、その文字は、活字が氾濫している現代とは比較にならないほど神聖なものだったに違いない。
改めて、本の貴重さを実感。
もっと読書を楽しもうって思ったね。
話的には、やっぱり・・・。
ハリーポッターの二番煎じって感じでした。
闇の世界とか向こう側とか・・・。
なんか物語の世界感がそっくりでした。
でも、この本には魔法も魔法使いも出てこないが・・。
イギリスの歴史と伝統を存分に利用して、物語に重厚感はあるが、これはというものはなかったな。
本を大事にしようっていう文化がイギリスを包んでいるのが良くわかるね。そのための図書館だからね・・・。
後世のために本や文字をきちんと保管して、残して、伝える。
日本にもこの10分の1でも本に対する愛情があればな・・・。
それから、母と父の関係がいかにも現代を象徴している設定だった。
ファンタジーだから、中高生にはオススメですね。
本と文字の魔力に浸れる一冊です。
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