投稿日:2006-12-14 Thu
ブームはとっくに去った感じのするこの本。話題が先行していて、著者のインタビューをテレビで何度か観て、書かれている内容は大体知っていたけど、まぁとりあえず読んでみました。
ということで、藤原正彦著
「国家の品格」
の感想です。
![]() | 国家の品格 藤原 正彦 (2005/11) 新潮社 この商品の詳細を見る |
この本は講演をもとにしているから、語り調ですごく読みやすい。
また、内容も決して薄いわけではないのだが、難しいことを易しく言っているのでわかりやすい。
数学者の著者が、論理よりも情緒のほうが大事だという、この矛盾。
だからこそ、逆に、その主張に説得力がある。
自身を失った日本人の魂を慰撫する昨今のブームにのった安易な本だ。
という批判が聞こえてきそうだが、読んでみると著者の話の一つ一つにいちいち納得。そして、日本人としての自信が湧いてくる。
ただこの本がもてはやされるというのは、この全面的正論な本が現代日本からは珍しい考え、一般にはだれもできそうもない提言だからだと考えてしまう。
西洋合理主義や市場原理主義に大きく踏み出した日本は、もう後ろには戻れないから、せめても、日本的な考えでもよんで記憶に留めておこうということなのだとしたらすごく寂しいし、早晩、日本は破滅する。
(厳しい人は、現代日本は破滅の最終段階に達していると言っていたりするけど・・・)
著者の細かな現代日本への提言は、本当に素晴らしいと思う。
小学校の安易な英語の授業
アメリカにかぶれた政治経済
自国文化を守ろうとしない社会
それは、よく考えると普通のことなんだよなぁ。
その普通のことさえも通用しない異常な現代日本。
人間が考えて理屈に合っているからと行って、すべて正しいわけではない。人間が自然よりも優れているというこの西洋かぶれの傲慢な考え。
人間が思いつく事なんてたかが知れている。
それよりも長らく続いてきたものを守るほうが大事だ。
なぜかと問い直して、理由を見つからなければ不必要だとするのは浅はかな人間なのだ。
考えてみれば、ますますアメリカのような殺伐とした社会になった気がする。
郵政民営化、規制緩和、小さい政府・・
小泉、竹中がやったことは単純にアメリカにかぶれた政策で、アメリカの要求どおりにしただけのこと。郷土や伝統なんと露ほども考えてないね。
それを支持したのは、ほかならぬ現代の多くの日本人なんだけど・・。
論理よりも情緒。
情緒を重要視すれば、世界に誇れる独自の文明を持つ日本に戻れるのではないか。
まさにおっしゃるとおり。
この人のいう事が少しでも現実になればいいのに。
売れているわりには、しっかりした内容があるし、面白いエピソードや著者独特の視点がほんとに新鮮。
自身を失った日本人に喝を入れ、無責任な西洋化を糾弾する一冊です。
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品格。国語辞典をひくと「節操の堅さ。見識の高さや態度のりっぱさ、姿の美しさなどから総合的に判断される、すぐれた人間性」とある。なるほど、最近テレビをつけると品格のない大人たちが続出で、さすがの日本人も嫌気がさしているのかも。だからこの本が売れているのだ 2006-12-16 Sat 22:24:07 | 響の言葉
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