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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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元日本楽器社長のノンフィクション 加藤仁著「社長の椅子が泣いている」
いやー、面白かった。
久しぶりにページをめくる手が止まらなくなくなる本に出会いました。
むさぼるように読んだ本です。
というわけで今日は、いつもより熱をこめてオススメする

加藤仁

社長の椅子が泣いている」
をご紹介。

社長の椅子が泣いている 社長の椅子が泣いている
加藤 仁 (2006/06/16)
講談社
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日本楽器(現ヤマハ)の社長に若くして抜擢され、その後、ダイエーの幹部になって経営を立て直した、優秀なサラリーマン社長の代表、河島博の人生を描いているノンフィクション。

この河島さんの実兄の喜好さんも本田技研の社長を務めた人物。
兄弟で大企業の社長をやるのは、大変めずらしいそうで・・・。
それだけで、この河島家の教育と家柄が素晴らしいと証明しているようで、感心した。
(ちなみに、本田とヤマハは両者ともバイクを生産しており、ライバル関係にあった。社長時代、河島兄弟はなるべく顔を会わせないようにつとめて、他人からよからぬ憶測を呼ばないようにしていたそうだ)

河島が生まれたのは、静岡県浜松市。
この浜松は多くの実業家や技術者をはぐくんでいる。
日本楽器の創始者、山葉寅楠、自動織機を発明した豊田佐吉、河合楽器の河合小市、鈴木自動車の鈴木俊一、日本ビクターの高柳健次郎、本田の本田宗一郎など。
全員が浜松で生まれたわけではないが、この土地の人々の気風が新しいものを作り出す感覚にむいていたのだろう。

河島は、名古屋大学経済学部の前身の名古屋経済専門学校を卒業後、日本楽器に就職する。給料は決して高くはなかったが、義務教育で音楽の授業が必修となったり、人々の音楽に対する関心が増えるなどピアノやオルガンの需要は増えるばかりだった。

この河島の人生を一言でいうなら謹厳実直。
真面目で誠実で、何事も怠らずに、下調べや研究をして、ことに臨む誠実な人間。
部下からも慕われて、その経営手腕も素晴らしいと後に証明される。
浜松、銀座、大阪、アメリカ。
サラリーマンにつきものの転勤を繰り返しながら、移動先でも持ち前の能力を発揮して成果をあげる。
特に、アメリカでの活躍は目覚しいものがあり、楽器だけでなく、オフロードバイクを他社に先駆けて発売したことでアメリカでのヤマハブランドの知名度は一気にあがり、売り上げも急増している。また、スノーモービルについては、アメリカの先発メーカーのシェアが大部分をしめていたのを、後にトッププランドまで押し上げている。
しかしながら、何事もうまくいくときもあればそうでないときもある。
あまりにヤマハのピアノが売れてくると、アメリカのメーカーが政府に圧力をかけて、輸入楽器の関税を引き上げるように働きかける。
アメリカの政府の関税委員会に呼ばれた河島は、逃げることなく自分達の立ち場を率直に発言し、結局、関税は据え置かれたままとなる。

そして、いよいよ、日本に戻り、社長に就任するのだが、その前に当時の社長の一族について簡単に触れておく。

日本楽器は、山葉寅輔が創設したのだが、その後、経営不振、労働争議などで二人の社長を経て、地元出身で東大を首席で卒業して、住友電線製造所の取締役を務めた川上嘉一が就任する。
さすがに東大出身で、財閥系の企業の幹部を務めていただけあって嘉一は、日本楽器の建て直しに辣腕ぶりを発揮する。
しかし、ながら自信過剰で傲慢なところがあったようで、自叙伝では人間改造や自分は神を目指しているというような奇妙なことも書いている。
そして、河島の後の運命に決定的な影響を与える人物が登場する。
それが、嘉一の長男、源一である。
社長の世襲が行われたのだ。
ちなみに嘉一は創業一族でもなければ、株を大量に保有するオーナー社長でもない。
なぜ、そんな社長が息子に社長の座を譲ることができたのか。
それを、この本では戦後の混乱期で、株主が異議申し立てをする余裕がなかったのだろうと推測している。

この川上源一が現在のヤマハの基礎をつくったといえる。
楽器とバイクの製造の近代化を実行して、生産台数一位の楽器メーカーと第二位のオートバイメーカーにヤマハを育てあげたのだ。
そのほか、現在の企業のメセナ活動の元祖の音楽コンクールやヤマハ音楽教室を始めて社会貢献をしている。(源一は音楽教室は自分が考え出したかの様に周囲に話していたらしいが、実際は、部下の金原善徳が考えたものである)
クラシック以外のコンクールも開催し、ヤマハポプコンの愛称で親しまれたイベントは人気を博している。このコンクールからは中島みゆきやチャゲ&飛鳥などを輩出している。

しかし、源一は自信過剰な父の庇護の下で育ったため、周囲に対しては一切の気遣いをせず、長期にわたる社長の日々で、多くの優秀な人材を左遷や退職に追い込んでいる。
また、自分と自分の息子が一番と思っているのか、どんなに優秀な部下でも褒めるようなことはせず、必ず皮肉や当てこすりやいやみを口にする。
源一には浩という長男がおり、ヤマハに入社させていた。その待遇も破格のもので、いきなりステレオ設計課長として迎えられる。
河島が社長を務める頃には既に幹部にまでのぼりつめていた。

社内で優秀な人材が源一の意向で次々と消えていき、紆余曲折を経て、とうとう河島が46歳という若さで社長に抜擢される。
新社長の就任の会見のときに、会長に退いた源一が新社長の任期はと聞かれ、65歳定年制だから65-46だと、長期政権を記者たちにほのめかす。
しかしながら、実際は3年あまりで河島は社長の座を解任されることになるのだが・・・。

社長に就任した河島は、すぐさま経営方針を幹部に話し、自らの考えを浸透させる。
それは、顧客重視、労使協調、多岐にわたる商品を柔軟に、かつ意思を統一して開発していく。それらの考えをまとめて、目標を設定した中期三ヵ年計画を作成する。
それは、よくある数字ありきで社員に押し付けるような目標ではなくて、常に現状を把握して一年ごとに計画を見直すという緻密な物。
実際、河島が社長に就任して三年間は常に経常利益は歴代最高を記録する。
社員の雰囲気も、源一の「俺に従え、会社は俺のもの」マイカンパニーという考えから、みんなで盛り上げて行こう。社員は会社にとって貴重な資産というアワーカンパニーの考えを河島が示してまわった事で、しだいに活気を取り戻す。
河島の気持ちに社員も答えるようによく働いたんだろう。

しかし、息子を重要なポストにつけようとせず、軽視していると判断した源一は、多くの取締役を抱きこみ突然、河島の社長解任を実行する。
有能な人物がこれ以上社長をやっていれば、息子が社長につく時期が遅くなると考えたのだろうか。
一説には、源一の妻で、浩の母が息子が早く社長になれるようにと源一に圧力をかけたともされている。
いずれにしても、突然の解任劇に世間は飛びつく。
週刊誌でも恰好のネタになり、「お家騒動」と書き立てられる。
追い討ちをかけるように、源一の河島に対する人格攻撃が行われる。
取材に訪れた記者たちに河島が社長としての素養に欠け、部下からの信頼を得られなかったと話す。

驚天動地、寝耳に水。
失意の河島はそれに対して、一貫して沈黙を貫き通し、いっさいの取材を拒否している。

3年で業績を回復し、3年目の決算では過去最高の経常利益を達成する。その数字は、河島解任後、十年経っても塗り替えられることはなかった。

河島は、第二の奉公先を慎重に選んだ。
突然の解任で相当の痛手を受けたのは間違いない。大小さまざまな企業から幹部への誘いがあったが、河島が選んだのはダイエーだった。
日本楽器川上源一と同じように、ダイエーは中内のワンマン経営とされていたが、中内自らが熱心に誘ってくれた事が決めてになったようだ。
過去の失敗は繰り返さないと心に決め、自分は建て直し屋だと割り切り、決して会社の中心になろうとは考えなかった。

ダイエーに移っても河島はその実力を発揮する。
現場の意見を聞き、生え抜き社員同士を徹底的に議論させ、改革案を練り上げていく。
そして、赤字に陥っていたダイエーを黒字へと転換させる。
雇われた理由がはっきりしていた河島は、相当のプレッシャーがあっただろう。加えて、日本楽器の川上源一をはじめ、河島を追い出した連中も河島の動向に注目していたはずである。
そんな張り詰めた空気の中で河島はその手腕を大いに発揮する。
しかしながら、またもここで運命は過酷の試練を河島に与える。
ダイエーの次期社長が注目され始めると、やはり、同族支配の力に河島は押し返されてしまう。ダイエーの再建が軌道に乗ると、社長の中内から、会社更生法を申請し、ダイエーが支援に乗り出していたミシン製造販売のリッカーの再建を頼まれる。
それは、やはり、中内が息子の潤に社長の座への道筋をつけてやろうとする考えには、河島が厄介な存在だと感じたのだろうか。
前回のトラウマがあるだけに、社長への野望など抱かなかった河島だが、ともにダイエー再建を推し進めた部下達からは、引き続きダイエーでの活躍を要請される。

リッカーに移って、河島は、自らの経営の集大成としてリッカーの再建に取り掛かる。
商品企画、販売方法など業務を徹底的に見直し、ミシンを売るだけのリッカーからさまざまな生活用品を取り扱う通信、訪問の両方の販売をてがける会社へと生まれ変わらせる。
そして、わずか5年で債務を返済し、その上、売り上げはピーク時の6割をまで回復させる。
そのスピードには誰もが驚いた。

リッカーの再建を成し遂げた後、河島は第一線からは身を引く。
仕事一筋の人生を反省するように、妻との時間を楽しむ。

その後、日本楽器は、川上源一、川上浩と社長が交代するが、業績不振と社員の川上一族の横暴な経営への不満で、川上一族は会社から追放される。

そして、ダイエーは安易な拡大路先がたたり、巨額の負債を抱え、ご存知の通り、公機関の管理下におかれることになる。
河島が再建したリッカーは、ダイエーの子会社に吸収され、本社ビルは外資へと売却された。
河島の再建は、くずれかかったダイエーの下に消え去っていった。

二人のワンマン経営者のもとで、企業を動かした優秀がサラリーマン社長の河島。
その類まれな、経営手腕は後世まで伝えられるだろう。


すいません。
長くなりました。
つい、熱が入りすぎて・・・。
それだけ、おもしろかったって事です。

なぜ著者が、この本の主人公の河島博を取り上げようと考えたのか。
その著者の想い、情熱がジンジンと伝わってくる。

綿密な計画、迅速な行動、かつてないほどに会社を前進させ、空前の利益を達成した社長がなぜ、解任されなければならなかったのか。
しかも、創業者一族でもなく、株を大量に保有するオーナーでもない人間に・・・・。
そして、それが、自分のとても有能とは呼べない息子に社長の座を譲ろうという個人的な思いのために・・・。

世の中で、こんな理不尽なことがまかり通っていいのか。

この、著者の心の底からの叫び、途轍もない憤りがよく分かる。
河島=有能、川上=傲慢  そういう分かりやすい構図になっているが、著者の入念な取材からすると、それほど誇張や捻じ曲げもないように思う。

ひとりの人間の成長と出世という大河物語としても楽しめる。
また、日本が戦争から復興していく姿、いきいきしていた時代の雰囲気も味わえる。

そして、企業の中に渦巻く人間関係や、諸行無常、栄枯盛衰なんかも楽しめる。
(コンサルタント会社の害悪について書かれている部分もあって、勉強になる。)

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ノンフィクション | 22:06:45 | Trackback(5) | Comments(2)
コメント
TBありがとうございました
遅いコメントで申し訳ありません。

この本は多くの社会人が、
大なり小なり似たような経験をするので、
共感を生むのではないでしょうか。

憤慨もしましたが、勇気付けられもする本ですね。
2006-10-03 火 02:45:34 | URL | よしだすすむ [編集]
コメント ありがとうございます
サラリーマンをはじめ、組織に属することは大変なことであることを、改めて考えさせられました。

ストレスで体調を崩すひとがいるのも納得です・・・。
2006-10-04 水 00:23:46 | URL | タウム [編集]
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