投稿日:2006-05-18 Thu
「おそめ」その名前に、聞き覚えのある方はかなりの社会通。
実際に会ったことのある方は、以前かなりの地位にいらした方では・・・。
今日の本は、銀座の伝説のマダムの半生を綴ったノンフィクション
「おそめ」でございますぅえぇ・・・。
![]() | おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生 石井 妙子 (2006/01) 洋泉社 この商品の詳細を見る |
何が伝説かと申しますと、京都と銀座に会員制のバーを経営し、まだ、飛行機に乗る人が限られていた時代に、飛行機で両方の店を行き来していた人物です。あまりにたくさん飛行機に乗るものですから、日本航空から表彰されたとか・・・。
それから、店に来ていた人物がこれまた大物ばかり。
白州次郎、大仏次郎、川端康成、小津安二郎、服部良一・・・。
バー「おそめ」は、夜の財界と言われ、文壇バーの元祖的存在で、日本の政治の重要政策も「おそめ」で話し合われていたとか。
京都でその名をすでにとどろかせていた「おそめ」が銀座に出店したときは、立地が悪いにもかかわらず、店の前には黒塗りの車の行列ができたという。
伝説は、後の時代に2倍3倍になって伝わるものだが、バー「おそめ」は本物だったんだと思わされる。
何せ、当時の週刊誌の引用が頻繁に出てくるし、小説「夜の蝶」のモデルになった店なのだから・・・・。
「おそめ」。本名、上羽秀。
彼女の生い立ちから、芸妓になり、やがて結婚そして人気のバーのマダムになっていく姿が丹念な取材で描かれます。
まぁ、その一つ一つがもう面白すぎる。好きでもない相手の妾にならなければいけない宿命。
そして、かごの鳥としての妾から一人の女として、好きな男と生きていこう決意する姿。
あああぁぁ、伝説になるだけあるよ。本当にうなる。
いろんな読み方ができると思うが、私は、この「おそめ」の愛情の深さに感動しました。人を好きになるとは、こういうことなのか。
自分が惚れた相手ならどんなことがあっても支える。
一人の男をこれだけ好きになるこの女性はすごいよ。
惚れて、惚れて、惚れぬくって感じ。
そして、後年、この男が映画プロデューサーとして成功することで、女としても類まれであることを証明する。
また、彼女がいなかったらある有名映画女優も生まれなかっただろう。
表紙の写真を見れば、多くの文豪や財界人が足しげく「おそめ」通った理由がよくわかる。
日本的で本当に美しい。
こんな人に惚れられたら、幸せだろうなぁぁ・・・。
読み応えずっしり。本当にオススメ。「おそめ」といわず”早め”
に読んでおくれやす。
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