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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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■広   告

稀代の人物、笹川良一とその息子の人生。   髙山文彦著 「宿命の子 笹川一族の神話」
「宿命の子  笹川一族の神話」
髙山文彦 著

モーターボートレースを主催し、政界財界に多くの影響力をもった
笹川良一とその三男、陽平の人生を中心に戦後の笹川一族を追ったノンフィクション。
笹川良一という稀代の人物の実像に驚きました。



笹川良一。

子供のころ、多くの子供を率いてCMに出ていた姿が印象に残っている。
「人類みな兄弟」
そういうキャッチフレーズが思い出される。

世の中ではあまり良い噂を聞かなかった。
しかし、その実態はあまりにかけ離れていて驚く。
日本はもちろん、世界の平和や人類の共栄を本気で願っていたんだと、
感激してしまう。

困っている他人には、救いの手を多く差し伸べているのだが、
身内、特に3人の息子にはとても冷たい。

笹川良一については、本書の前に「悪名の棺 笹川良一伝」
を読んでいたのでその豪快な生き方と、
人類の平和を本気で考えていたこと。
そして息子たちに冷たかったことなどはほぼ知っていた。

本書は良一の三男の陽平氏の人生を通して、
笹川一族を描いているので、
家族の視点からみる良一の一面が詳しく書かれている。


株などの投資で若くして財をなす良一。
困っている人や頼ってくる人は放っておけない性分で、
お金を渡したり、仕事を世話したり、
とてもまねできない。

国や世界の平和や共存共栄を考え、
戦前、政党を組織して、
国会議員を努めている。

終戦では、自ら戦犯になることを望み、
希望通り戦犯として巣鴨プリズンに収監される際には、
支援者たちに万歳で送り出される。

巣鴨プリズン内では、
敗戦の責任と処罰の不安から、
戦争を指揮した責任者の誰もが打ちひしがれているが、
良一は一人元気に過ごし、
進んで掃除などの労働をこなす。
そして落ち込んでいる人間を励まして回る。

また、大東亜戦争を起こして日本の立場を正面から主張して、
GHQ宛てに文章を出したりしている。

なんとも豪快で、常に活力にあふれている良一の姿は、
読んでいるだけで、こちらも元気が出てくるようだった。

死も恐れずに自分の考えを主張する良一の自信は一体どこからくるのか。
その理由のひとつが、かなりの巨根だったということではないかと思った。
本文中にもそのエピソードが出てくる。
(半分冗談ですが・・・。息子も認めるほど立派だったそうだ)

そのほか、戦後のモーターボートレースを始めたことや、
その収益の一部を社会貢献に使うようにしたことなど、
硬軟、さまざまな逸話が語られて、読んでいて飽きなかった。

そして、良一の三男の陽平。
まったくの他人には世話を焼くのに、
実の息子たちにはまったくと言っていいほど
愛情を注いでいない。

そのため、3人の息子たちは成人するまで、
良一と親子らしいかかわりを持たずに育つ。
大学進学のために、東京の良一の家に住むことになる陽平は、
息子というより、下男として移り住む。
掃除や洗濯、風呂の準備など、
学業以外はほぼ家の仕事をしている。
付き合いの多い良一なので、
毎晩のように客が訪れ、
何人かは家に泊まって行ったりするので、
世話も大変だったようだ。

笹川良一のビッグネームの七光りで、
政界や財界でのし上がって行ったんだろうと勝手に想像していたので、
本当に驚いた。
苦労を知らない2代目というわけではなかった。
むしろ苦労しまくり、苦労押し付けられまくりだった。

息子にこれほど厳しい父ながら、
陽平は良一を尊敬していたというからすごい。
やはり、父が私利私欲をすてて、本気で日本や世界を良くしようと
日夜奮闘していたのが分かったのだろう。

紆余曲折を経て、日本財団の理事長になる陽平だが、
社会貢献の分野で世界を飛び回り、
いろいろな活動をしていて本当に頭が下がる。

あらゆる集団と距離をおき、孤高の姿勢を崩さずに、
信念をもって自らを貫きとおす。

日本財団の理事長の人事などでは、
官僚や政治家が盛んに介入してきたり、
財団内部の不祥事でマスコミにたたかれたり、
当局に捜査されたりしたが、
自分や財団には一部のやましさもないと堂々としていた。
さすが良一の息子という感じでしびれてしまう。

人間なのだから何かしら弱みがあるとはおもうのだが、
自分を律して生きているだけあって自信も相当なものなのだろう。


陽平の功績としてハンセン病の克服の様子が描かれている。
聖書にも書かれているというこの病は、
その病状の性質状、どうしても差別される運命にあった。
しかし、陽平は日本財団をとおしてハンセン病の特効薬を世界中に配布して、
全世界からこの病を根絶させることにほぼ成功している。
また元患者などが不当に隔離や差別されている現状を訴え、
差別をなくす活動を世界で展開している。
あまり報道されていないが、
もっと日本では扱われていいのではないかと思った。
これほどのまったくの真心からの援助で、
しかもこれほど成功しているものはそうはないのではないかと思う。
良一とは対照的に陽平はあまりメディアには出たがらないのかもしれないが。

北朝鮮の日本人妻の一時帰国での陽平の活躍についてや、
沈没船の引き上げにかかわる詐欺など、
昭和の近現代史の裏面についても書かれていて、
歴史を切り口として読んでも面白いと思う。
(著者の語りが結構横道にそれるが、それはそれで面白かった)

豪快で活力にあふれ、本気で世界平和や共存共栄を願っていた良一。

マスコミや世間に誤解されていた父の汚名をそそぐことが
使命だとする陽平氏の姿。

何にもなびかずに孤独を恐れない陽平氏の姿。

この親子の前では、戦後のどの政治家も小物に見えてしまう。


できればじっくりを腰を据えて
もっといろいろと陽平氏の話を聞いてみたいと思ってしまった。

大著だけあって、ここに書ききれないほど、
いろんなエピソードがでてくるので、
読後は本当におなかいっぱいって感じでした。












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テーマ:ノンフィクション - ジャンル:本・雑誌

ノンフィクション | 15:18:29 | Trackback(0) | Comments(0)
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