投稿日:2008-01-28 Mon
佐藤正午著 「5」結構、いろんなところで評判になっているようですね、この本。
なんとも不思議な魅力に満ちている本でした。
![]() | 5 (2007/01) 佐藤 正午 商品詳細を見る |
この佐藤正午さんの本は、今回、初挑戦でしたが、いやー、よかった。
さすがに、批評で取り上げられるだけのことはあるわ。
何よりもまず文章がいいです。
なんともさらっとしていて、しかも抑え気味の表現で・・・。
しかも、ほんのちょっとなにかをにおわせるような、謎めいた感じを漂わせる。
読みやすいかどうかといったら、決してそうではないんだけど、自分の内面を見つめながら
あるいわ自らの経験や過去を振り返りながら、この本の内容にはまりました。
語り手は、津田伸一という小説家。
彼の不倫相手の旦那の不思議な体験から、津田も奇跡な体験をするようになる。
ざっと書くとこんな安っぽい感じになるんだけど、語り方が巧みだから先を知りたくなるように興味をそそられながら読みました。
二度離婚して、自由奔放にネットで知り合った女たちとの逢瀬を繰り返す作家。
やがて、唯一の頼みの綱の編集者からも見放されて、堕ちてゆく。
決してみじめったらしい感じでなく、作家のその後の成り行きを描いている。
しかし、なんとも言えない、もの悲しい感覚にとらわれました。
特殊な能力を身に着けた作家の、新たな生活にむけての旅立ちは、避けられない厳しいさだめに踏み出す姿はとても印象に残った。
読了するまではかなりの労力を必要とした。
それだけ、いろいろな脳細胞とか感覚器官を刺激されたんだと思う。
まさに五感のすべてを総動員して味わう作品という感じかな。
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