投稿日:2007-09-22 Sat
単純にタイトルに惹かれて手にとって本です。しかし、その内容は驚愕のものでした。
ほんとびっくりするよ。そして、何とも言えないいやな気分になる。
福田ますみ著
『でっちあげ「殺人教師」事件の真相』
少し大きい文字の感想です。
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この本の事件。まったく知りませんでした。
この後におきる中学を舞台にした先生がいじめを主導していた事件は知っていたんだけど。
その事件とは・・・。
朝日新聞の西部本社版の報道で、世間に知られるようになるのだ。
その内容は福岡市内の小学校で、生徒が担任からいじめとも取れるような体罰をうけているというもの。
その体罰は、担任教師が家庭訪問のときに、その生徒が外国人の血を受け継いでいるという事実を知ってから始まり、「血が穢れている」「汚れた血」などと発言して、耳をつかんだり、鼻をつかんだりして生徒に出血させたり、文房具などの勉強道具をごみ箱にすてたりした。
取材に対して、学校側も体罰の事実を認め、生徒の両親に謝罪したという。
その後、週刊文春が「殺人教師」としてとりあげ、他の新聞やワイドショーにも取り上げらて話題になる。
その体罰のひどさに誰もが驚き、怒りを覚えたようだ。
問題の「殺人教師」は、その後担任をはずされ、停職6ヶ月の処分を受ける。
コレだけだったら、最近の先生はホントにひどいもんだ。先生っていったいどうなっているんだということになるのだが、その後、体罰を受けた両親が精神的苦痛を受けたとして、損害賠償を求めて民事裁判を起こしたことで、意外な事実が明らかになる。
どうですか。
読みたくなんない?
もう、一気に読みましたよ。
だって、その内容がほんとにすごいから・・。
まぁ、想像つくと思いますが、ひどい体罰とか「穢れた血」、生徒が受けたPTSDという精神的なダメージなどほとんどすべてが、裁判で否定され、母親の嘘だった可能性が高いとわかるんですよ。
一体、なんでって言いたくなるような展開。
この「殺人教師」とされた先生は、体罰どころか生徒に慕われ、人気があった先生だったらしい。
新聞や週刊誌で「殺人教師」の報道が過熱しているなか、地元では、この先生の評判をしっている人は、事実とまったく違うと口々に言っていたらしい。
加えて、体罰をうけたと再三再四学校に抗議にいっていたこの母親が様々な問題を抱えていることをみんな知っていたのだ。
体罰は、「血が混じっている」として当初から人種差別を含んでいるされ、裁判ではその事実が争われるのだが、母親の語っていた祖父がアメリカ人だとか曽祖父がアメリカ人だという事実が確認できなかったことから、しだいにこの母親に疑惑の目が向けられる。
その上、生徒が体罰が原因でなったとされるPTSDなる病気も、母親以外誰一人その症状を確認できず、これも母親の虚言の可能性が高いことが判明する。
しかし、そんなに単純にことはすすんだわけではなく、この「殺人教師」は、四面楚歌のなか自らの潔白を証明するため家族の支えをうけて戦うのだ。
だって、数あるマスコミがこぞって自分のことを極悪非道な人間だと報道するのを、一切の反論も許されずに見ていなきゃいなかったんだから、その苦痛は想像を絶するよ。
裁判では、母親側の弁護士は550人も名を連ねていて、こちらは味方になる弁護士がなかなか見つからなかったんだから。
結果的には二人の弁護士が見つかるのだけど・・。
それにしても550人って異常じゃない。
この数で自分達の側の正当性を主張しているのだろう。
なによりもこの母親の虚言に驚くね。
一体なんのために、まったく罪のない教師を陥れて人生を狂わせてしまったんだかがわからない。
単にこの教師が気に入らなかっただけなのか。
そして、学校の事なかれ主義で親のいうことを確かめずにうけいれてしまった校長や教頭の罪も重いね。
とにかく、頭を低くして嵐が過ぎるのを待とうと親にとりあえず謝罪しろと教師に指示する。
最後にマスコミ。
はじめにこの事件を取り上げた朝日新聞もひどいけど、その後を受けた週刊文春と西日本新聞。
裁判でほとんど体罰や人種差別のような事実がなかったことがわかり、著者は、この事件を報じた週刊文春の西岡研介記者と西日本新聞の野中貴子記者に取材するが、考えをかえている様子はなかった。
弁護士、マスコミが極悪教師という先入観で、事実をちっとも調べずにこの事件を暴走させたのだろう。
しかし、地元の人は事実と違うと大きな違和感を感じていたようだ。
でっちあげ・・・。
それは、母親の虚言が作り出した体罰教師だった。
しかし、そのでっちあげにマスコミも大きく関係していたことがショッキングだった。
われこそが正義というように体罰教師を糾弾する記事を創作した様が浮かんでくる。
この事件を報道した記者は現在どうすごしているのだろうか。
訂正記事を載せるなり、教師に謝罪なりしたのだろうか。
ちなみに新潮社のサイトのこの本のところで、この事件のその後が紹介されている。
それを読むとこの被害者だとされる母親と弁護士と、PTSDを認定した医師にさらに腹が立つ。
大変な思いをしたこの先生に、誇りをもって教壇にたってほしいと心から思った。
しっかりと取材をしないマスコミの姿に驚愕の一冊です。
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なんか、怖い!そんな印象を受けました。
前に、違う事件の冤罪についての話をTVかなんかで見たことがあるんですが・・・・・。
本当に疑いをかけられた側は、言葉では言い表せないくらい、大変な
生活をしてて、苦しみながらも必死に戦っているのが、もう見てて痛くて痛くて。
マスコミは本当に怖い!!
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マスコミが事実と違うことを報道することは、このごろよく感じます。
この事件も、これまでマスコミの報道を鵜呑みにして、なんてひどい教師がいるんだろう、なんて思っていました。反省・・・。
機会があったらこの本読んでみます。
ためになる本を紹介してくださってどうもありがとうございます。
この事件も、これまでマスコミの報道を鵜呑みにして、なんてひどい教師がいるんだろう、なんて思っていました。反省・・・。
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ためになる本を紹介してくださってどうもありがとうございます。
この事件を知ったときは、なんてひどい教師なんだろう!!と思ってました。
でも、実際は違うのですね。
知りませんでした(;´Д`)
今度読んでみようと思います(*´∀`)
でも、実際は違うのですね。
知りませんでした(;´Д`)
今度読んでみようと思います(*´∀`)
昨日読みました。
はっきり憶えてました。
この事件。
「酷い先生だ」と思ったし、一目でアイノコとわかる顔立ちなんだろう、
と思いました。・・・違ってたんですねぇ。
はっきり憶えてました。
この事件。
「酷い先生だ」と思ったし、一目でアイノコとわかる顔立ちなんだろう、
と思いました。・・・違ってたんですねぇ。
2009-06-10 水 08:00:22 |
URL |
roswell
[編集]
『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』は、「本読め 東雲(しののめ) 読書の日々」や「シンさんの偽哲学の小部屋」でとりあげられて以来、ずっと気になっていた本。ようや... 2007-12-01 Sat 20:41:41 | 心に残る本
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