投稿日:2007-03-06 Tue
この本の帯は、天童荒太さん「人々の苦悩に
深く寄り添い、
命に勇気をもたらす書」
ふーん。
寄り添ってもらおうじゃないの。それも、ふかく・・・。
もたらしてもうらおうじゃないの、勇気を。
南直哉著
「老師と少年」
の感想です。
![]() | 老師と少年 南 直哉 (2006/10/24) 新潮社 この商品の詳細を見る |
薄いなぁ、この本。
値段も千円くらいだし、手軽って言えば手軽。
そして内容は・・・。
小説とは言いながら、ほとんどが会話文。
場所も時代も、登場人物もはっきりしない。
まぁ、でもそんなことこの本にとってはどうでもいいんです。
なぜなら、そこに人生について悩んでいる少年がいるから・・。
悩む少年、石より硬し。
ちょっと、適当に格言を作ってみました。
前夜 から 第七夜 まで 老師と少年の会話のやりとりで成り立っています。
夜毎、少年の悩みに老師が答えていくというもの。
答えといっても、ズパッと回答する感じではなく、ますます悩んでしまいそうな言葉が返ってくる。
それで、また少年は老師に会いにくる。
難しいことを考えるのは、やはり、人里離れた場所で、夜っていうのがいいだろうな。
物語らしきものは一切ない。
とりあえず、この老師の言葉と少年の悩みになるほどと納得する本ですな。
著者は、20年も修行をしたお坊さん。
写真が載っているけど、色艶がいいんだよな。
節制した人間の威厳に満ちてる顔だよ。
死とは何か・・・とか、自分は何者なのか・・・とか、人生は意味があるのか・・・とか。
そんな問いに老師は自分の経験からの考えを少年に授ける。
この経験というところが大事で、老師はかつての少年であり、いまでも少年以上に悩んでいるということ。
だから、明快な回答はないのだ。
結局は自分で悩まないで、他人から答えを聞こうとしてもダメだってこと。とことん、悩めばいいのだ。
その先になにかがある。(もしくは何もないかもしれない。)
最後のほうは、哲学とか仏教の考えが出てきてちょっと難しくなる。
というか、考えながら読んでしまう。
自分を断念する・・・とか、とりあえず生きるための工夫・・・とか、いろんな印象にのこる言葉が満載。
それで、いろんな考えを教えられて、結構、頭を使いました。
一度といわず何度も世みたいな。
特に、この少年と同じに人生に迷い悩んだときには・・・。
悩んで、考えて、その上でこの本を読めば、もっと違った感じ方をしたと思う。
しばらく手許において、ことあるごとに読み返そうと思った。
生と死、そして、人生についていろいろ考えさせる一冊です。

老師と少年
- 著:南 直哉
- 出版社:新潮社
- 定価:998円
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