投稿日:2018-05-01 Tue
山田 五郎 著「知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決」
テレビでよく見かける山田五郎さんの解説による初心者向けの美術ガイド。
時代や画風で二人の巨匠を対決させている。
比較することでそれぞれの巨匠の個性が際立って、
とてもわかりやすい。
結構砕けた内容もあって、帯にあるように、
巨匠のダメっぷりも解説される。
また性癖や好みのタイプなんかも書かれていて、
巨匠と言えど、
人間的な部分が見えて親しみ湧いてくる。
知っているようなものから、
まったく知らなかったものまで、
美術のトリビアが満載。
たとえば、
ダ・ヴィンチはここぞというときには、
馬を描いたそうで、
対して、
ミケランジェロがここ一番に描いたのは、
男の尻だったそう。
著者の美術に対する深い知識に驚くとともに、
解説の語り口が軽く、とても読みやすかった。
また一つ一つの絵についての解説の分量もコンパクトで、
読んでいて楽しい。
個人的には、冒頭の対決の、
ダ・ヴィンチ VS ミケランジェロ と、
ゴッホ VS ゴーガンが興味深かった。
砕けた内容も書かれてはいるが、
美術の歴史や流行り廃り、
宗教や社会とのつながりなんかも、
随所で解説されていてそれも興味深かった。
シリーズ三作目ということなので、
好評シリーズだと思うが、
それも納得。
巨匠の代表作も多数掲載されているので、
眺めているだけでも興味深かった。
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