投稿日:2016-02-19 Fri
「悲しみのイレーヌ」ピエール・ル・メートル 著
橘 明美 訳
2015年の”このミス“海外版NO.1の作品。
昨年のNO.1の「その女アレックス」の前日譚で、
確かに面白かったが、できればこっちを先に読みたかった。
「その女アレックス」があまりにも面白かった記憶が、
まだ新しいだけに、
同じ著者の、同じシリーズということで、
否が応でも期待は高まってしまった。
フランス・パリの捜査当局、カミーユ・ヴェルーヴェン警部。
極端に背が低いが、その手腕で数々の事件を解決している。
妻のイレーヌは身重で、もうすぐ父親になる予定だ。
郊外で発生した娼婦2人の猟奇的な殺人事件の捜査の様子と、
カミーユとイレーヌの生活や父との関係、
死んだ画家の母の思い出などがところどころに描かれる。
死体が切り刻まれ、頭が切り離され、
内臓が抜き取られているという猟奇的な殺人事件。
家具や調度品が残され、置かれていたスーツケースには、
遺留品が多数残っていた。
それらの手がかりから犯人を割り出そうとするのだが、
捜査は難航する。
その後、今回の事件とよく似た事件が過去に起きていたことがわかる。
そして、その猟奇的な犯行現場に共通している点に、
カミーユは気づいて、捜査は一気に進展したように思うのだが・・。
「その女アレックス」と本作。
もし両方をお持ちなら絶対本作から読み始めてほしい。
ああ・・・。
できればこの本を先に読んでいたら、
もっと楽しめたはずなのに。
「その女アレックス」は、本作のその後を描いている。
つまり、カミーユのその後を既に知ってしまっていたので、
結末は初めからわかってしまった。
できれば違った結末になってほしいと願っていたが、
残念ながら想像通りの結末だった。
*この先は特に結末に関係しています。*
「その女アレックス」では、過去に妻がいたことがふれられるし、
そして、「その女アレックス」で登場しない部下がいることが、
なぜなのかを考えてしまった。
それらに気づいてしまうと、
物語の重要な謎のいくつかが容易に想像つくのだ。
「その女アレックス」を意識して、二匹目のドジョウを狙う気持ちはわかるのだが、
このタイトル「悲しみのイレーヌ」はあまりにも多くを語りすぎだ。
もっと別のタイトルにしてほしかった
普通の読者なら、イレーヌに大きくかかわる何かが起きると考えると思う。
読みながら感じた既視感。
それは、ブラピ主演の映画「セブン」。
事件の捜査と並行して、
新婚生活と身重の妻を描いていたので、
「セブン」を意識して描いているのではないかと思った。
映画のカット割りのようにセリフだけでの場面転換や、
手紙や本の文章の挿入など飽きさせない工夫があるのだが、
全体的な出来としては「その女アレックス」には及ばないと思う。
それでもかなり楽しめる作品なのは間違いない。
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