投稿日:2015-05-28 Thu
「グローブトロッター 世界漫遊家が歩いた明治ニッポン」中野 明 著
グローブトロッターとは世界漫遊家の意味。
開国して間もない日本を旅した外国人=グローブトロッターの視線で、
当時の日本を疑似体験できる一冊です。
開国して間もない日本を旅する外国人を、
年代順に紹介している。
メディアでよく取り上げられる人も登場するが、
それ以外の外国人も多く登場する。
世界一周旅行の途中で日本に立ち寄った人や、
日本の文化や風習などを目的にやってくる人などさまざま。
当時はまだよくわからない日本という国に、
よくやって来るものだと、
白人の好奇心に感心してしまう。
開国して間もない日本は、
まだ旅行者、特に外国人の受け入れ体制ができていないので、
相当大変な旅だったことが想像できる。
多くの外国人は横浜や箱根や鎌倉など、
定番の観光地を巡る旅をしているが、
中には当時の日本人でもなかなか行かないようなところまで、
足をのばしている。
たとえば、当時の蝦夷(北海道)。
アイヌの人たちが暮らしていた原野ではもちろん宿などはないので、
アイヌの集落に泊まっていたらしい。
中には旅の途中で足を骨折している人もいる。
当時の日本の奥地を旅した外国人で、
よく取り上げられるのがイザベラ・バード。
開国して間もない日本を旅して本に著した彼女の業績は
決して小さくはないが、
もっと早い時期に日本を旅した外国人もいたし、
日本のもっと奥地に行った人もいた。
彼女の著作にもこんな奥地まで旅した外国人は
私以外はいないだろうと書かれているらしい。
しかし実際は上には上がいたのだ。
明治の日本の奥地を旅した外国人の代名詞的に取り上げれる、
イザベラ・バードの存在をやんわりと意義を唱えている箇所は、
とても興味深かった。
外国人の目を通して、
当時の日本人の様子が描かれていて、
それも興味深い。
馬車の先頭に立つ別当の姿がふんどしに全身刺青とか。
時代が進むにつれて外国人や旅行者に対して、
さまざまな条件がよくなっていく様子も興味深い。
外国人の旅行に帯同するガイド兼通訳の共同体ができて、
外国人向けのガイドブックに広告を出している。
西洋風のホテルが次々オープンして、
外国人に概ね好評だったのというから
日本人のサービスは当時からすぐれていたのか。
また、鉄道の開通。
東海道線が開通すると、
大きく旅行が変化したそうだ。
たしかに何日もかかった旅程が、
数時間で行けるのだから理解できる。
鉄道は鉄道でも、
馬車鉄道なるものがあったという話も出てくる。
まったくの初耳だったので、興味深った。
もっとすごいのは人力で客車を移動させる、
人車鉄道もあったというからもっと驚いた。
全体的に論文調の文章が
少し堅苦しい印象はあったものの、
グローブトロッターという切り口で
日本や日本文化を眺めると
新しい発見がいろいろとあったので
とても楽しく読んだ。
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投稿日:2015-05-24 Sun
「殉愛」百田尚樹 著
今更言うまでもない話題の本。
あまり予備知識を入れないで読んでみました。
2014年1月になくなったやしきたかじん。
その最期の人生を記したノンフィクション。
たかじんの3番目の妻で、最期を看取ったさくらという人物の
メモや証言をもとに書かれている。
やしきたかじんとさくらの出会いはフェイスブック。
さくらのフェイスブックにたかじんがコメントしてきたことから、
連絡のやり取りがはじまったそうだ。
そして、イタリアにいたさくらが一時帰国した時に
初めて会い、その後イタリアに戻らずにたかじんと交際することになる。
本ではたかじんの強引さに負けて、
いやいや会っていたがそのうち好感を持つようになり、
交際、同棲、結婚と発展していく。
個人的には、まぁいくら強引とはいえ、
まったくたかじんを知らない人間が、
交際までするにはあまりにも唐突な印象。
たかじんに出会ったころは、
イタリア人と結婚(離婚済み?)していたそうだから、
何かしらの思惑があってたかじんに近づいたと考えたくもなる。
その後、交際と同時にたかじんががんを発病し、
その看病をさくらが一手に背負うことになる。
後半はこの闘病記がほとんど。
がんと闘うのはこれほど大変なのかと、
単純に驚いてしまった。
蓄えがない人間から見ると、
いろいろな病院のいろいろな医師に診察してもらい、
さまざまな治療をうけるのはとても難しいと思った。
さくらのメモや証言を基にしているので、真実はわからないが、
この内容が本当ならとても献身的で真似できない。
がんが再発した時点で、
覚悟を決めて人生の締めくくりをするべきなのに、
奇跡は起きるとばかりに治療を続けさせるさくらに、
少なからず違和感を持った。
手の施しようがないと医師に言われてやっとわれに返って、
人生が終わることに直面したかのように書かれている。
最期まで自身のテレビ番組への復帰を願っていたそうだが、
失礼ながら何とも情けなく感じてしまった。
今年なくなった愛川欽也さんが死期をさとり、潔く番組を降板し、
最後まで病気を隠して逝ったのに比べてしまう。
また、老人とおばさんのカップルが互いに「ハニー」と呼び合い、
赤ちゃんことばでやりとりする様子は読んでいて、
嫌悪感しか覚えなかった。
もちろん他人の目に触れることはなかったと思うのだが・・・。
著者はさくらに対しては一分の疑いも書いていないが、
たかじんの娘やマネジャーの描き方はかなり手厳しく、
いやな人間として書かれている。
これもさくらの目を通したものなので、
他の人から見たら別の意見があるかもしれない。
多くの人がこの本に対して、「たかじんを冒涜するな」的なことを言っている。
しかし、たかじんのこの死に方は、
これまでのたかじんの生き方をそのまま反映していると思う。
もう一冊のたかじんの評伝によると、
1度目の結婚で子供をもうけても、
家庭を顧みず、ほとんど家に帰らない。
実の娘に対しても親らしいことはほとんどしてこなかったのではないか。
金銭的な援助はしていたかもしれないが、
親としての愛情はまったく子供に注がなかったのではないか。
酔って暴れて、気に入らないことがあると、
スタッフに当たり散らす。
とことん自分の思うままに、欲望のままに生きてきた人間の死に方、
(死を看取ってくれる人も含めて)だったのだと思った。
最後に出会った女が遺産目当てだとしても、
それはたかじんの人生をそのまま表現しているのではないかと感じてしまう。
なるべく冷静に読んだつもりだが、
それでもやはりこの本には多くの疑問点を持ってしまった。
死の間際にふつうの人間なら病人との会話を録音するだろうか。
著者はさくらが録音したその会話を聞いたという。
録音するからには何かの意図があると思うのだが。
ネットが炎上するのが理解できる
疑問や違和感に満ちていた。
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投稿日:2015-05-10 Sun
「死刑のための殺人: 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録」読売新聞水戸支局取材班 著
運命は決まっている。未来はすべてわかったからもう死にたい。
自殺は痛いし、失敗したらいやだから、人をたくさん殺して死刑になろう。
そんな身勝手な理由で二人を殺した男を追ったノンフィクションです。
犯人は24歳の無職の男、金川真大で、
事件を起こした動機は、
人をたくさん殺せば死刑になって死ねるからというもの。
そんなに死にたいなら勝手に死ねばいいのにと思うのだが、
自殺は痛いし、失敗するかもしれないから、
死刑になって死ぬのが確実だ・・・・。
と、身勝手な主張をする。
そんな理由で殺された2人の人は、
本当に理不尽でどうしようもないだろう。
この身勝手な金川の主張は本当なのか、
もし本当ならなぜそういう考えを持つようになったのかを
調べるべく、新聞記者の著者は拘置所に面会にいく。
事件と犯人の金川、そしてその家族と遺族について本書は書かれている。
前半の事件発生の様子を描いた箇所は、
緊迫感があり、ハラハラしながら読んだ。
同時に、自転車で人を殺しに行き、
たまたま目星をつけた家から出てきた人の首を切りつけ、
乗ってきた自転車をそのまま放置して逃げるなど、
にわかには信じられない殺人の様子に驚いた。
そして駅での通り魔事件までの軌跡。
たまたまその日その場所にいただけで、
命を奪われた人に言葉も出てこない。
遺族はその日以来時間が止まったままだ。
しかし、金川は遺族への謝罪も事件への後悔も口にしない。
むしろ遺族の感情を逆なでるような発言を繰り返す。
殺人を何とも思っていない。
被害者のことも何とも思っていない。
虫を殺すのと何も変わらない。
著者は同僚の記者とともに、
37回面会に行っている。
あまりにも突飛な考えが嘘であってほしい。
どこかで改心して遺族に謝罪してほしい。
そんな著者の気持ちが理解できるが、
金川はまったく変わらずに同じ言葉を繰り返す。
てっとり早く、楽に死ねる。
それが死刑に対する金川のイメージだが、
実際は裁判が行われ、死刑の判決がでても、
執行されるまで時間がかかるのだ。
法律では6か月以内での執行を謳っているらしいが、
実際の執行までの時間は平均で6年くらいかかるそうだ。
想像よりも早く死ねないことに、
拘置所でいらだちを見せる。
遅々として進まない裁判でも反抗的な言動を繰り返す。
裁判では被告の刑事責任能力を問われると同時に、
死刑を望む被告に果たして死刑を科していいものか
ということが議論される。
結果としては死刑判決が出され、
異例の速さで死刑執行されるのだが・・・。
金川がなぜ独特の考えを持つようになったのか。
それは家庭環境が大きかったのではないかと推測している。
金川は4人兄弟の一番上の兄だが、
兄弟姉妹は、中が悪かったようだ。
声優を目指しているという2番目の長女は、
母親が嫌いとの理由からある時から筆談でやりとりしている。
普通(?)の親ならそんなことを許すとは思わないだろうが、
両親は理由を聞くこともせず、注意することもしない。
父親は外務省に勤務するノンキャリアで、
子育てはほぼ母親に任せていた。
母親は子供をあまり注意せず、
子供を委縮させないように育てていたそうだ。
姉と妹は数年間口をきいておらず、
家族は互いの携帯電話の番号も知らなかったそうだ。
放任主義。
子供の人格形成にこの両親の方針が大きく影響したのは間違いないと思う。
それでも、世の中に破たんしている家族は
結構多いと思うが、その家族の子供が全員おかしくなるとは思えない。
金川は高校時代に父親に勧められた一冊の哲学入門書を
曲解して自分の論理を組み立てている。
この世はつまらないから、理想の世界、
ゲームやファンタジーの世界に行くために死ぬという。
反抗期がなかったという金川。
だれからもこの身勝手な論理を批判されることなく、
殺人を犯してしまう。
個人的には死刑制度は維持した方がいいと思うが、
死刑を望む人間に死刑を科しても何の苦にもならない。
できれば可能な限り金川を生かし、
人生がそろそろ終わる頃に、
あるいは改心して死ではなく生を望むころに、
死刑を執行してほしかった。
それまでは言葉が悪いが、
特殊な人間としてモルモットのごとく観察や分析(や実験)をしてほしかった。
死刑について、
犯罪について、
家族とか人間とか、
深く考えずにいられなかった。
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投稿日:2015-05-06 Wed
「やしきたかじん伝 ゆめいらんかね」角岡伸彦 著
関西の視聴率王、故やしきたかじんの評伝。
やしきたかじんが歌手だとは知っていたが、
歌に対してこれほど真剣に向き合っていたのかと初めて知りました
やしきたかじんの関連本はもう一冊の方が、
何かと話題ですが、
あまり注目されていないこちらの方から読んでみました。
やしきたかじん。
関西では絶大な人気を誇る歌手でタレント。
「関西の視聴率王」との異名をもつそうだ。
本書はやしきたかじんの生涯を、
ざっと振り返っていて、
まったく違和感なく読み終えることができた。
決して悪い意味ではなく、
すごくバランスがいい印象だった。
やしきたかじんは生涯を通じて、
出自に関して沈黙を通していたそうだ。
大阪府西成区の出身で、
父親は在日韓国人。母親は日本人。
やしき(屋敷)は母の姓で、
両親は籍を入れなかったので、
事実上の夫婦だったらしい。
日本人からの差別を意識して、
母親の姓で、夫婦は籍を入れなかったのではとしている。
後に時事ネタを取り扱う自身の番組で、
在日利権が取り上げられたときも、
何気ない顔をしてやり過ごしていたと、
在日の大学教授が証言している。
在日韓国人ということに関して、
強烈なコンプレックスを抱いていたのだろう。
父親は数々の会社を興しては、
倒産させることを繰り返していたとのこと。
幼少期から生活には波があったそうだが、
それでも総じてお金持ちだったのではと思った。
少年時代からバイタリティー豊富で、
思い立ったらすぐ実行するタイプだったという。
少年時代に歌に目覚めるが、
高校時代には新聞記者を志望する。
しかし、その道もあきらめ、
大学を中退し、クラブなどで歌を歌うようになり、
やがてレコードデビューへとつながる。
当初は自身が作曲し、友人が作詞を担当していたが、
その後、提供曲を歌うようになり、
「やっぱすきやねん」「東京」などのヒット曲に恵まれる。
それ以降はヒット曲がなかったことと、
自身が曲に納得しなかったことで、
レコードリリースを断念し、
テレビの活動が多くなっていく。
たかじんの歌に対する情熱の熱さに驚いた。
レコーディングでは、その日まで完璧に歌いこなせるように家で練習して、
スタジオにやってきてすぐに歌い、
1回か2回で歌入れを終了させていたそうだ。
またコンサート前は鬼気迫るように集中し、
緊張から嘔吐と下痢を繰り返していたそうだ。
人前で歌うこととそれまでに自身の歌の完成度をあげることへのこだわり。
まさに歌に命をかけていたといっても大げさではないように思う。
しかし、その情熱がもとで、
歌の世界から離れて行ってしまう。
提供曲に納得できず、準備していたアルバム製作がボツになってしまう。
そして、テレビ出演が主な活動になっていく。
音楽活動から疎遠になったことで、
長年支えてきたマネージャーと決別し、
事務所も解散している。
そしてテレビの制作会社をおこし、
タレント業を専門にする。
最近は時事ネタを取り扱う番組で、
政治とかかわるようになる。
そして自身の番組出演が元で、
橋本大阪府知事の誕生へつながる。
私生活では、3度結婚している。
最初の妻とは1女をもうけ、
離婚後死別。
2度目の妻とは死の間際まで連絡を取り合っていた。
再婚していた元妻に死を看取ってほしいと懇願していたらしいが、
連絡が取れなくなった後、再々婚していた。
唐突な3度目の結婚にはあまり触れられていないが、
妻になった女との出会いなど不可解な点があるように書かれている。
また、死後、密葬を行ったそうだが、
娘は呼んだが、実の母にも弟にも知らせていなことへの
違和感をにじませている。
酒が入ると、
傍若無人な振る舞いで、
多くの迷惑をかけたというたかじん。
それでも慕う人が多かったというのはそれなりの魅力があったのだろう。
素面の時は、酔っていた時は想像できないくらい
おとなしかったそうだ。
テレビで見ている分にはいいかもしれないが、
まわりの人は大変だったと思う。
テレビのスタッフなどは、
気に入らないことがあると殴られることもふつうだったらいいので・・・。
情があつく面倒見がいいのかと思いきや、
長年連れ添ったマネージャーをあっさり解雇し、
事務所を解散して、
スタッフの就職先を世話してやることもなかったらしい。
また、庶民の視点にたって権力に反対する姿勢が
たかじんの魅力だったはずなのに、
テレビ番組で首相を辞任した安倍晋三と共演したすがたに、
著者は落胆している。
単純に持ち上げるだけでなく、
負の部分や裏の部分も取り上げ、
また、やしきたかじんの活動に批判も加えているので、
実にバランスがいいと感じてしまった。
話題の最後の妻に関しては、著者の別の本をぜひ読んでみたいと思う。
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投稿日:2015-05-02 Sat
「日本人になりたいヨーロッパ人 ヨーロッパ27ヶ国から見た日本人」
片野優・須貝典子 著
最近やたら多いクールジャパン的な本やテレビ番組。
日本のここが素晴らしいとか、
あすこが真似できないとか、
結構大げさな表現もあると思うが、
それでも日本がどういう国であるかを考えるのには、
外国人の視点が一番参考になると思う。
本屋で偶然見かけて、
この手の本に興味を持っていたので、
読んでみました。
親日エピソード満載で、欧州各国の特徴と日本との交流が手軽に読める一冊です。
最近やたら多いクールジャパン的な本やテレビ番組。
日本のここが素晴らしいとか、
あすこが真似できないとか、
結構大げさな表現もあると思うが、
それでも日本がどういう国であるかを考えるのには、
外国人の視点が一番参考になると思う。
本屋で偶然見かけて、
この手の本に興味を持っていたので、
読んでみました。
タイトルからすると、
かなり突飛な主張を展開するのかと思いきや、
ヨーロッパ各国と日本の交流や、
親日的なエピソードや親日家を紹介する、
堅実な内容に好感を持った。
ポーランドから始まり、
トルコ、ロシアと続き、
27ヶ国と日本とのかかわりを紹介している。
冒頭からポーランドが親日国と知って、
惹きこまれてしまった。
日本語を学ぶ学生も多く、
映画監督のアンジェイ・ワイダや、
ワレサ大統領の親日エピソードに感動してしまう。
親日になった理由はいろいろあるだろうが、
大正時代にシベリアにいた政治犯のポーランドの子供たちを
日本政府が助け、手厚くもてなしたそうだ。
そのことを今でも感謝しているそうだ。
そのほかさまざまなエピソードを交えて、
日本とうの交流や歴史を紹介している。
話題も豊富で、
日本がヨーロッパと交流しだした江戸時代から、
最近のサッカー日本代表の監督まで、
いろいろと登場する。
また、世界的に有名な作家や芸術家の親日家を紹介していて、
いままで知らなかった人も登場するので、
読んでいて楽しかった。
(ミヒャエル・エンデとかハインリッヒ・シュリーマンとか)
一国のページ数はメリハリがあって、
エピソードが多い国とそうでない国があるが、
長くても結構すぐに読み終わるので、
読んでいた疲れなかった。
すぐまた次の国に進みたくなる。
またその国の歴史や文化が語られるのも、
読みどころだと思う。
たとえば、旧ユーゴスラビアでセルビアから独立した、
モンテネグロ。
実はモンテネグロは日露戦争時に日本に宣戦布告し、
2006年にモンテネグロが独立するまでに、
日本と戦争状態にあったそうだ。
まったくの初耳で驚いてしまった。
あと、マケドニア。
旧ユーゴスラビアから独立した時にこの国名をつけようとして、
ギリシャからクレームがついたとは知らなかった。
「古代マケドニアはギリシャだから使うな」ということらしい。
だから正式名称は「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」だということ。
それから興味深かったのは、
お茶の呼び方から伝来したルートがわかるという話。
ティーやテーと呼ばれているイギリス・フランス・イタリアなどは、
中国福建省から海で運ばれたらしい。
逆にチャやチャイと呼ばれている
インド・ロシア・トルコ・ペルシャ・アラビアなどは
陸路でもたらされたそうだ。
そのほか書ききれないほどのエピソードがいっぱいで、
最後まで飽きずに読み終えた。
本のタイトルにあったと思うが、世界は、
「中国と韓国以外ほぼ親日」と考えてさしつかないと思った。
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投稿日:2015-05-01 Fri
「餃子の王将射殺事件」一橋文哉 著
4発の銃弾をあびて死亡した、餃子の王将社長。
その事件と犯人像を追ったノンフィクションです。
裏社会の闇や陰謀にぞくぞくしました。
4発の銃弾をあびて死亡した、餃子の王将社長。その事件と犯人像を追ったノンフィクションです。裏社会の闇や陰謀にぞくぞくしました。
餃子の王将の社長が射殺された事件。
メディアで大々的に取り上げられて、
鮮烈な印象が残っている。
早朝に誰よりも早く会社に出社した社長が、
銃で射殺されるというショッキングな事件。
いまだ犯人につながる有力な情報はなく、
迷宮入りまでささやかれているそうだ。
この事件を忘れかけていた時に、
偶然この本を見つけて、
むさぼるように読みました。
餃子の王将や射殺された社長の人となり、
また創業者とその家族について、
あまり語られていない内容に、
ぞくぞくしながら読み進んだ。
たびたびメディアに登場し、
倒産しかかっていた王将の業績を、
みるみるうちに回復させた辣腕ぶりが紹介されていた。
日課として実際の店舗を毎日のように訪れ、
店員とともに店ではたらいていた姿が印象的だった。
精力的に店舗をまわり、
ともに汗を流して働き、
店長や店員を叱咤激励してまわる社長は、
社員からの人望もあつかったようだ。
その一方、熱烈な労働を要求する社風と、
精神論が横行する環境に嫌気がさしてやめたり、
体を壊したりした社員もいるという。
警察はあらゆる面から犯人像を組み立て、
社長への個人的な恨みや、
餃子の王将への企業テロ的な犯行まで、
さまざまな可能性を捜査している。
犯行につかわれた拳銃と口径から、
中国のヒットマンの可能性もあるいう。
犯行に使われたのはオートマチックの拳銃。
日本のやくざでは、相手を確実に殺すために、
オートマチックの銃はまず使わないそうだ。
いざというときに、
弾丸につまることがあり、
その場合、目的を達成できないからだという。
また犯行に使われた25口径は、
殺傷能力が低く、確実に相手をころすには、
もっと大きい口径のものを使うらしい。
ただ、25口径では、
発砲した時の反動が小さく、
非力な人間でも扱える利点があるらしい。
また、社長は体に4発の銃弾を受けていたが、
簡単に死に至らしめるなら、
普通はあたまを狙うらしい。
そこから考えると、
死への苦しみを与えようとしていたのではないかとのこと。
それに加え、
事件の前日に日本に入国し、
事件の翌日に出国した中国人の女が確認されていることから、
実行犯は中国の女ヒットマンではないかと推理している。
早朝に社長の出勤を見計らって、
餃子の王将の敷地内の駐輪場に身を隠して、
その時を待ち、社長の体に4発の銃弾を発射して、
隠していたバイクで逃走する。
一つの推理だが、
取材をもとに作り上げる犯人像には
読んでいてぞくぞくした。
中国人のヒットマンだとすると、
なぜ社長が狙われることになったのかも、
とても興味深かった。
餃子の王将が中国進出でのいざこざ、
現地での裏の有力者から恨みをかったのではないか、
とのことだった。
また、創業者一族についての記述も興味深かった。
創業者2代目の社長は、バブル期に不動産に投資し、
それが本業まで影響を及ぼし、
多額の負債を抱えることになった。
また、その2代目の息子、
創業者の孫についても書かれている。
ロシア人と結婚し、子供をつくるが、
その後いろいろともめた末に離婚している。
この人物もいろいろといわくつきで、
ここも読んでいて面白かった。
まったく何も考えずに食べていた王将の餃子。
その裏にこれほどの事情があるとは想像していなかった。
大きな陰謀や闇の深さを感じずにはいられなかったが、
意外と些細なことで逆恨みした元社員の犯行だったのかも知れない。
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