投稿日:2015-02-08 Sun
「暴露 スノーデンが私に託したファイル」グレン・グリーンウォルド 著
アメリカの政府組織、NSAがネットや電話など大規模な情報収集の実態を
暴露した事件に関わったジャーナリストによるノンフィクション。
アメリカやイギリスの国家とジャーナリズムの現状に愕然とする一冊です。
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著者は、スノーデンが持ち出した政府機関のファイルを預けたジャーナリスト。
タイトルからすると全編、暴露の顛末が描かれていると思いきや、
それは前半だけで、後半は暴露したファイルの内容や、暴露後のメディアや政府の反応、そして、
スノーデンや著者へのメディアの批判や攻撃の様子が書かれている。
そして、アメリカやイギリスの現在の新聞や放送局がいかに政府におもねった報道をしているかを
批判的に嘆いている。
冒頭、著者に謎の人物がメールを通して接触してくる様子が描かれている。
重要な情報を持っているが、
そのやり取りの前にメールを暗号化するソフトウェアをインストールするように薦める。
専門的な知識が必要なので、暗号化ソフトの導入を著者はしばらく放っておく。
その後、そのインストールをすすめる人物がスノーデンだった。
ネットや電話での内容がすべて政府の情報機関に傍受されている事実を知っているだけに、
スノーデンはじかに会って、暴露の内容を伝えたいと主張する。
少しずつ明らかになる、スノーデンの持ち出したファイルの中身に、
著者はすくなからず報道をためらってしまう。
相手が政府ということで、報道後の自分をとりまく環境が一変することを想像する。
スノーデンファイルの内容を報道する媒体は、著者が寄稿している新聞「ガーディアン」
に決めるが、いよいよ記事を載せる段になってガーディアン側が躊躇する。
顧問弁護士が記事掲載を違法に問われる可能性があると判断したため。
ファイルを公表したら、
早い段階でスノーデンは当事者として名乗りでる決意をしていたので、
一刻も早く記事を掲載する必要があった。
記事が掲載されると、想像どおり、想像以上の騒ぎになる。
何しろ、有名ネット企業(フェイスブック、グーグル、ヤフー)がこぞって、
通信傍受に協力していて、その対象が全アメリカ国民(全世界の国民)だったのだから。
自分のメールやネットも監視されていたかもしれない・・・と誰もが思っただろう。
暴露後、スノーデンは一切メディアの取材を受けなかったので、
著者が多くのニュースショーなどのインタビューを受けて、
スノーデンの考えや立場を代弁した。
記事掲載直後は、著者やスノーデンの決断を賞賛するメディアだったが、
暴露の興奮が一段落すると、風向きが変わり、
スノーデンの人格を否定する報道も多くなる。
また、スノーデンの暴露に加担したとして著者を違法行為を犯しているとする
発言や報道も多くなる。
さらに、著者のパートナーがイギリスの空港で反テロを名目に、
当局に拘束される事態となり、
暴走する国家権力の恐ろしさを感じる。
本ほ後半はこの政府におもねる体制側のメディアやジャーナリストを批判している。
ジャーナリストの本質は一体何なのか。
体制側のジャーナリストに対する著者の怒りが感じられる。
一般人が監視され、プライバシーが蔑ろにされる社会は、
一体どういうふうになるのかを解説しているのも興味深い。
中には、メールや電話を傍受されてもまったく問題にしない
と主張するコラムニストもいた。
日本よりも報道の自由が守られ、メディアの規制がゆるいと考えていたアメリカ。
大メディアの実際は現政権の顔色やご機嫌をうかがいながらの報道が多いということに
単純におどろいた。
もっとも透明性の高い政府の実現を掲げて当選したオバマが、
ブッシュ時代よりもさらに監視を強めていたという事実も興味深かった。
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