投稿日:2014-02-09 Sun
「黒いダイヤモンド(警察署長ブルーノ)」マーティン・ウォーカー著
山田久美子 訳
フランスの田舎の警察署長の活躍を描くシリーズ。
想像以上に大きな展開があり、現在のフランスが抱える問題を垣間見たように思います。
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フランスの田舎の村、サンドニの警察署長、ブルーノ。
警察署長とはいいながら、警察官はブルーノ一人。
田舎の警察官。
住人は顔見知りで素性もよくわかっている。
そんな住民と交流しながら、事件や疑惑を捜査する。
一人ぐらしのブルーノはグルメでもあり、
ところどころで料理をする場面が登場する。
まるでにおってくるようなこの調理場面は読みどころのひとつ。
タイトルの「黒いダイヤモンド」とは、高級食材のトリュフのこと。
地元の特産でものによっては、
高値で取引されるこのトリュフ。
狩猟仲間の一人・エルキュールから、トリュフの取引市場で、
不正が行われている可能性がある・・と捜査を依頼される。
捜査を始めた矢先に、
エルキュールが残忍なやり方で惨殺されているのを発見するブルーノ。
トリュフの不正の捜査が、
意外な人物の犯罪を浮かびあがらせる。
同じ頃に、ベトナム人の屋台が
中国人のグループに襲撃を受ける事件がおきて、
そちらの捜査も始めるブルーノ。
さらに、村の収入に大きく貢献していた製材所の閉鎖問題や、
村長選挙の政治活動が物語に絡んでくる。
結末に向かう後半までは、
事件や捜査に振り回されているブルーノだが、
終盤は劇的に物語が展開する。
命を懸けて火事で子供を救出したり
ブルーノも大活躍して一気に読んでしまった。
片田舎のフランスで、
ベトナム人と中国人の対立が問題化しているのは
とっても意外な感じがした。
おそらくは現実のフランスの移民問題を反映させているんだろう・・・と
想像しながら読んだ。
付き合っているイギリス人のパメラが、
鼻持ちならない左翼の村長候補を支持して、
ブルーノを敵視するようになる。
まぁ、定番の展開といえば展開だが、
自分を含めて似たような経験をした人は多数いると思う。
なんであんな奴を支持(好きになる)するんだというような。
すべてが明らかになると、
パメラが間違っていることがわかるんだけど、
現実にはそうは行かない。
また、トリュフ市場で働いているシングルマザーを、
地元の学校へと仕事の世話をするブルーノ。
困っている人と困っている人を結びつける、
このやりとりも田舎ならではで、読んでいるとほっと和んだし、
かけているパズルのピースがぴったりとはまるような
快感を感じてしまった。
児童虐待が事件の裏で判明したり、
ほのぼのできる展開ばかりではなかったが、
十分に楽しませてもらった。
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