投稿日:2013-09-07 Sat
ヴォルフラム・フライシュハウアー著「消滅した国の刑事」
「消滅した国」とは、東ドイツのこと。
事件の捜査をする担当する刑事の責任者が、
東ドイツ出身のツォランガーという人物。
このツォランガーが、捜査が進展していくうちに、
意外な形で関わっているのがわかってくる。
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女性の胴体に、山羊の頭を据えた異様な死体が発見される。
捜査にあたる警察の責任者のツォランガー警視正は、旧東ドイツ出身。
数ヶ月前に、容疑者の言動にキレて殴りつける不祥事をおこして問題となり、
仕事を休んでいたが、今は復帰している。
同じ頃、兄の自殺に疑問を感じて再捜査を求めているエーリンが、
ツォランガーに面会を求めていたが、会えず、
独自に兄の死を調べ始める。
事件の捜査が徐々に進展するにつれ、
ツォランガー警視正が事件に深く関係しているのがわかってくる。
そして、別々と思われていた事件が、つながっていた。
捜査責任者のツォランガーを通して
奇怪な事件が解明される様子が描かれ、
定番の警察小説とか捜査の物語かと思いきや、
ツォランガーの事件への関与がわかってきて、
一体、物語はどこへ進むのかとちょっと先行きが読めない不安な感覚になった。
後半は、捜査する側から追われる側になるツォランガーが、
事件の中心人物となり、そのまま結末かと思いきや、
サプライズの展開となり、真実が明らかになる。
物語全体として、事件と人物が複雑に絡み合って、
読み終わっても何かすっきりせず、
消化不良の余韻が残った。
リーマンショックで救済はされたものの、
大して責任を追及されなかった金融関係の狡猾さが
この本にも登場する。
読みどころは、東ドイツ出身者のツォランガーが
(おおげさにいえば)社会主義を肯定しているところ。
今のドイツ社会の犯罪とを比べて
旧東ドイツでは犯罪が多くなかった。
自由な社会が何から何まですばらしいというわけではないので。
まぁ、当然なんだが・・・。
旧東ドイツに住んでいた人は、、
少なからず今のドイツに違和感を感じていて、
この本に登場した人物のように、
それを何とかしようともがいている人がいるんだろうと、
想像してしまった。
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