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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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■広   告

難航する幼児殺人事件の捜査  ケイト・サマースケイル著 日暮雅通訳 「最初の刑事 ~ウィッチャー軽侮とロード・ヒル・ハウス殺人事件~」
最初の刑事
~ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件~

ケイト・サマースケイル著
日暮雅通訳



今年終了した、NHK BS「週刊ブックレビュー」で紹介されていた本です。
番組内では結構好評でした。



最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件
(2011/05/20)
ケイト・サマースケイル

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タイトルが何といってもいいですよね。
「最初の刑事」

イギリスで最初の刑事に選ばれた8人のうちの一人、
ジョナサン・ウィッチャーと、
彼が担当し、当時のイギリス中で話題となった事件
「ロード・ヒル・ハウス殺人事件」を扱ったノンフィクションです。


まず最初の刑事が誕生する過程が興味深い。
それまで自分の受け持ち地域を担当する巡査はいたが、
地区を関係なく事件を捜査する公的探偵として
刑事が登場する。
警察とか犯罪とか、社会の近代化をちょっと考えさせられて面白い。

タイトルにある「ロード・ヒル・ハウス殺人事件」は、
イギリスののどかな村にあった上流階級の家で、
3歳になる子供が姿を消し、
数日後、敷地内の使用人のトイレから首をかき切られた死体として見つかる。
というもの。

当初、地元の警察が捜査するが、その後、
ロンドンからウィッチャー警部が派遣されることになる。

著者は、事件の捜査の様子を、
当時の新聞や雑誌を多く引用して描いている。
人々の興味に後押しされるように、
報道も過熱していく。
こういう事件やスキャンダルを大衆が求めているのは、
この頃から始まっていたのかと驚かされる。

事件のあらましはもちろん、
殺されたサヴィル・ケントの父のサミュエル・ケントと
その一家の家族構成。
使用人たちの詳細などなど、
次々と報道され、新聞紙上でも勝手気ままな捜査と
犯人探しが始まる。


小説の世界の犯罪や探偵と実際の事件が相互に影響していることも興味深い。
ディケンズをはじめ、当時の作家がこの事件に影響を受けている様子を
作品を例にあげて紹介している。

イギリス人は根っからミステリーとか探偵物の物語が好きなんだろうな。
単純に謎がすきなのかも。

イギリスでこの事件は、
切り裂きジャック事件についで有名な事件だそう。
多くの謎があり、捜査が難航するところが、
たまらないだろう。

ウィッチャー警部は捜査の結果、一人の容疑者を逮捕するが、
裁判では無罪となり、迷宮入りするかに見えた。

数年後、事件は急展開する。

その後のケント家のことも記していて、
最後まで面白く読んだ。

とくに、二人の女性と結婚し、
そのどちらとも若くして死別した
サミュエル・ケントの持病が、
二人の妻の死と、事件の発端になったのではないかという推理は
とてもスリリングで面白かった。

外国のノンフィクションでありがちな
脱線につく脱線で、
いろんなことを書きこんでいるので、
単純にのめりこむ程じゃなかったが、
興味ある方にはオススメの一冊です。





最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件
(2011/05/20)
ケイト・サマースケイル

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翻訳本 | 15:37:15 | Trackback(0) | Comments(0)
新薬開発とアフリカでのミッション  高野 和明著 「ジェノサイド」 
ジェノサイド

高野 和明 著


13階段」以来の著者の作品。
「王様のブランチ」で取り上げられたり、
「このミス」で1位になったり、
2011年のナンバーワンの評価だった本作。
期待して読み始めました。



ジェノサイドジェノサイド
(2011/03/30)
高野 和明

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読み終えて最初の感想は「長かった」。
読み通すまでに相当のエネルギーを必要とした。
もうひとつの感想は、
なぜこの本がそんなに評価が高いかが不思議。

話が進めば進むほど、
この作品に対する興味がなくなった。
何度途中で断念しようと思ったか。
三分の一を読み終えて、面白くなる気配があまりしなかったので
いやな予感はしたんですが、
予想どおり面白くなかった。

単純にいうとこの本の文章と、
この物語の世界観に合わなかった。
薬学とか医学とか専門的なことが
事細かに書かれているので、
理系の人が読むと面白いのかも知れない。


物語のは、
死んだ父の謎めいたメッセージで新薬を開発する日本人と、
傭兵がアフリカで課せられるミッションの様子が交互に描かれ、
最初、惹きこまれたが、
物語の全体を把握してからは、
この作品の欠点とか粗探しのために読んでいた。

簡潔にまとめられていたら、
もっとコンパクトになっていたと思う。
登場人物の行動を無駄にいちいち書き込んでいる。
朝起きて「洗面」したとか、
コンビニで弁当を二つ買ったとか・・。
どうでもいいのに。
なんでも書き込めば、
リアリティーが出るという安易な考えからなのか。

読みながら、その先の展開やストーリーを予測というか想像しているのに、
牛歩のごとく話が進まず、
どうでもいい文章が多いと感じて、
それがすごくストレスになった。


次々繰り出される専門用語は、
高度に専門的な分野について、
入念に取材したことを誇示しているようにしか感じられなかった。
完全に(少なくても薬学や医学に疎い)読者を置き去りに、
自分の野望を達成して悦に入っているとしか思えない。



著者は余程の反日思考の持ち主か、
その影響を強く受けているとしか思えない文章が多かった。

話の鍵となる薬をつくる、古賀研人。
それをサポートする相棒が、韓国からの留学生、李正勲。
この李の登場(設定)が唐突すぎて、大きく違和感を感じた。
なぜ韓国人の必要があるのか。
それは、著者が日本人を糾弾するために、
そうしたとしか思えなかった。
だったら最初から韓国人を主人公にすればいいものを。
でもそうせず、日本人を主人公にしたのは、
日本人の中にも自分みたいに
すばらしい人もいると謳いあげたい下心が見え隠れする。



日本人を批判して、
韓国人を持ち上げる。
そんな著者の狙いが、
その後の文章にもところどころに表れる。

この二人が対面する場面のすぐ後に、
研人が体験した朝鮮人差別のエピソードが挿入される。
関東大震災の時に、朝鮮人を日本人が虐殺したという話を、
具体例をあげて書いている。
さらにタチが悪いのは、
自分と父だけは差別することはしなかったと
一般的な日本人とは別だと書かかれていること。


「従軍」慰安婦問題でテレビに登場した左翼の活動家が、
自分は朝鮮人を差別しなかったと、
まったく同じことを誇らしく話していたことを思い出した。


アフリカのミッションに参加する日本人の傭兵・ミックの人物像もひどかった。
著者の日本と日本社会に対する考えを凝縮して、
象徴させた人物なのだろう。
とことん嫌な人物として描かれ、
途中であっさり仲間に殺される。

それに比べて、李の記述は対象的。
研人の行動を勢力的に支えて、
最後、薬を届ける大役まで与えている。
研人は、事ある毎に李の態度を持ち上げる。
飛び級するほどの頭脳の持ち主で、
兵役でアメリカ軍にも勤務経験があり、
学校の授業だけで日本語をマスターした。

「ジェノサイド」というタイトルだから、
関連付けようということなのか、
議論の分かれている、南京「大虐殺」まで言及している。

著者はどこまで日本が嫌いなのか。
この世代に特有の左翼思想なんだろうか。

著者からすれば、こう感じる読者はは極悪非道の右翼なのだろう。
作品の中には、ご丁寧に(アメリカの)右翼の心情を
分析している場面まで用意している。




韓国人 ⇒ 日本人
非文明人(アフリカ) ⇒  文明人(アメリカ)


こんな批判の構図で物語を展開させ
無邪気で純粋無垢な存在として韓国人や非文明人を描いている。

著者の化身といえる研人は、
このろくでもない日本人には含まれないように
特別な存在として描いている。

願わくば、これらの記述が、著者が保守や右翼の挑発を
意図したお遊びであってほしいが、
どうもそんな感じはしなかった。

人類の進化の考察など興味深いところもあったが、
すべてが予定調和で、意外な展開も、魅力的な人物もいなかった。

青臭い正義感と役に立たない理想論。
後半はそんな感じが充満。

ラストに出てくる、
父から研人に宛てたメールは陳腐。

駄作にありがちなダラダラと続くエンディングにも辟易した。



ジェノサイドジェノサイド
(2011/03/30)
高野 和明

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小説 | 03:43:41 | Trackback(0) | Comments(1)
汚職の防衛省元事務次官  森功著 「狡猾の人  防衛省を喰い物にした小物高級官僚の大罪」
狡猾の人
防衛省を喰い物にした小物高級官僚の大罪
森 功 著

数年前にメディアを賑わせた防衛利権が絡んだ汚職事件。
防衛省の役人のトップだった人物が逮捕ということで、
かなり大きく取り上げられて記憶に残っている人も多いと思う。
その防衛事務次官を努めた守屋武昌を
事件を中心に描いたノンフィクションが本作。

著者は守屋本人のインタビューも行ったということで、
報道されなかったいろいろな事実が明かされるんじゃないかと
期待しながら読みました。



狡猾の人狡猾の人
(2011/12/16)
森 功

商品詳細を見る



著者はノンフィクション作家で数々の作品を書いている。
冒頭はこの本が書かれるに至った経緯を描いて、
いきなり惹きこまれた。

著者の前に現れた守屋。
この本の出版を一旦、了承しておきながら、
その後、娘を伴って現れ、出版に難色を示す。

防衛省のトップまで昇りつめた人物が、
妻や娘に弱い様子を描いて、
いかに優柔不断で、小心者かがわかる。


その後、事件の構図を描き、
防衛省の組織や問題点、
さらには日本の防衛行政の矛盾や、
小泉政権時代を中心に、
政治家たちのエピソードが挿入される。


事件なんかでいつも気になるのは、
その事件の発端が一体何かというもの。

この事件は、防衛省と多額の取引をしていた
山田洋行という武器専門の商社の権力闘争が絡んでいる。

山田洋行の社長と、
山田洋行を退職し日本ミライズという商社を設立した元専務。

長年、山田洋行が日本の代理店をしていた
アメリカの航空機エンジンメーカーの契約を
この日本ミライズが奪う。
そこからこの両者の争いが激しくなり、
劣勢に立たされた山田洋行側が、
汚職の情報を当局に漏らしたのが発端。

それにしても武器や航空機、
戦艦がいかに利権を生んでいるかに驚かされる。
大量生産できるものではないから、
発注額が巨大で、価格も高いのか、そうでないのかがわかりづらいので
そこに多くの人間が絡む余地が生まれる。

事件の背景となる武器の種類とかメーカーや製品の特徴など
かなり専門的な部分も書かれていて、
そこは素人にはちょっとむずかしい。

単純に思うのは、
武器や防衛製品の産業を持たない日本が、
アメリカにいいように振り回されているということ。
金を払っているこちらが、
言い値で武器を買わされている。

航空機はもちろん、戦艦のエンジンやレーダーなど
ほぼすべてがアメリカのメーカー。
防衛の重要な部分を握られているから、
アメリカに頭が上がらないのがわかる。

日本のために、
少なくても航空機だけでも
国産のものを開発する必要があると思った。
日本の製品ならもっと燃費がよくて故障しないものを
作れるはずだから・・・。


著者は、守屋を終始、家族の言いなりで、
役人として狡猾に振舞ってきた人間だと、
強調している。

しかし、全編通して読んでみて、
守屋に対して、それ程悪い印象は持たなかった。
もちろん汚職は許されないが、
家族のために必死で働き、
妻のわがままにもじっと耐えて、
息子や娘の問題に頭を悩ませている、
かわいそうな父親に思えた。

組織のトップにまでなる人だから、
それなりの能力はあると思う。
それが家庭では、
対照的に低い立場というのが、
興味深い。
日本のオヤジは空しく生きるしかないのか。

ニュースだけではわからない
政治や役人の裏話も満載だから、
そういう意味でも面白かった。






狡猾の人
  • 森功
  • 幻冬舎
  • 1470円
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書評




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ノンフィクション | 03:33:34 | Trackback(0) | Comments(0)