投稿日:2010-11-24 Wed
穂村 弘 著 「絶叫委員会」
NHKの「週刊ブックレビュー」で角田光代さんがオススメしていた本です。
ほかにも、いろいろと話題に上っていたと思います。
とにかく笑えるという本ということで・・・。
電車の中で読んでいると、急に笑いがこみあげてくるので、
要注意ということもいわれていました。
ホントかよ・・・と突っ込みを入れつつ、手に取りました。
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著者は、エッセイを何冊も出している歌人で、いわばエッセイの名手。
特徴的な短歌で注目されている。
さて“笑える”と評判のこの本はというと・・・。
笑えました。
大爆笑が最低2回。
くすくす笑いは数え切れません。
日常にあふれている、ほっとくとやり過ごしてしまいそうな言葉の数々。
著者をそれらを見過ごさないで、思索を加えている。
店の張り紙とか他人の発言など、
その場で消えてなくなる(どうでもいい)言葉を取り上げて、
あたたかく受け入れて、その言葉の裏にある事情を読み解くのだ。
まぁ、なんともどうでもいいことのオンパレードなのだが、
誰でも、どこかで出会っている言葉とかシチュエーションが多いもんだから、
いちいち納得できて、笑えるんですよ。
たくさん印象に残っている「言葉」があるが、
中でも個人的にやられた言葉を・・・。
「マツダのちんこはまるっこいです」
これで、一週間は思い出し笑いしました。
昼間の団地で、小学生の集団の一人が絶叫していた一言。
くだらない餓鬼!・・とやり過ごしそうなもんだが、
著者はしっかりと考察を加えている。
ちょっと引用します。
うーん、と思う。さすがだ。
さすがに本物の小学生は違う。
くだらない。
でも、そのくだらなさに感銘を受ける。
特に「まるっこい」ってところがいい。
(略)
それにしても「まるっこい」ってなんだ?
小学生の通常時の「ちんこ」なんて大体「まるっこい」んじゃないか。「マツダ」のそれだけが、特別に叫びたくなるほど「まるっこい」なんてことがあるだろうか。
知りたいけど、その件で声をかけることはできない。そんなことしたらたちまち「子供見守りバトロール隊」に通報されてしまう。
まだまだこのあとこの言葉についての思索は続きます。
それがまた面白い。
そのほかまだまだ、「言葉」はありますよ。
「日本人じゃないわ。だって、キッスしてたのよ」
「噛みつきますから白鳥に近づかないで下さい」
「でも、さっきそうおっしゃったじゃねぇか!」
個人的にすきなのは、
「妊娠してなかったらなんでも買ってやる」
この発言した男の追い詰められた感じと、
このカップルの普段の様子までが想像できてしまう。
ホッと一息つきたいとき。
とりあえず何か読みたいとき。
笑える本を探してるひと。
絶対オススメです。
人によって、どの言葉にハマルかは違うと思いますよ。
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投稿日:2010-11-15 Mon
映画 「エクスペンダブルズ」久々のスタローンの主演映画。
しかも本格アクション。
映画館でスタローンの映画を観るのはいつ以来か。
中学の時に友達と観に行った「コブラ」が懐かしい。
スタローンといえば、ジャッキー・チェーンとともにヒーローだったな。
監督・脚本 : シルベスター・スタローン
出演 : シルベスター・スタローン 、 ジェイソン・ステイサム 、 ジェット・リー 、 ミッキー・ローク 、 ドルフ・ラングレン 、 スティーブ・オースティン

危険な仕事を請け負う集団
「エクスペンダブルズ」
南米の軍事政権の将軍暗殺の仕事が持ち込まれる。
さすがにやばい仕事だと躊躇するリーダーのスタローン。
結局、引き受けることにして、
軽ーく様子を見てみようと、
現地に潜入するがいきなり軍隊に追われるハメに・・。
一度帰国し、体制を立て直し、
本格的に将軍を倒しに、メンバー全員で現地に乗り込んでいく。
作品冒頭から、アクション。
なかなか楽しませてくれます。
ジョーソン・ステーサムと南米にこっそりのりこんで、
危険な目にあって飛行艇でやっと逃げだしたと思ったら、
すぐにUターンして、
空中から敵の兵隊がいる波止場や桟橋を爆撃するところは
ものすごく興奮したなぁ。
胸がすくようなアクション。
キャストがすごく豪華で、
ほかでは考えられないようスターの競演。
ただ、みんな歳とったなぁと実感してしまった。
このなじじいでもまだまだ頑張ってるよ・・・
というスタローンのメッセージが痛いほど伝わりました。

敵に追われて、桟橋を全力で走るスタローンの姿(上の写真)は、
時の流れを感じて何とも切なくなりました。
スタローン・シュワルツェネガー・ブルース・ウィリス
3大アクションスターの夢の競演も実現させて
ファンに対してのサービス精神も感じました。
あとどれだけスタローンのアクション映画を観られるか。
大分貴重になってきているとおもいますよ。
幸いにもヒットを受けて
この映画の続編製作が決定したみたいなんで
もう一作品は確実に観られそうです。
頑張っているスタローンの姿は、
ファン以外でも必見ですよ。
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投稿日:2010-11-13 Sat
中村文則 著 「掏摸」大江健三郎賞を受賞した本作。
各方面で評判になっています。
やっと読むことができました。
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スリを生業にしている男。
スーパーで万引きしている母子と知り合い、
健気に万引をする子供にかつての自分の姿を重ね、未来を憂う。
スリ仲間を通して、
強盗団に引き込まれ、その組織から新たな仕事が持ち込まれる・・。
全体を通して、暗くて、沈んだトーン。
犯罪で生きていかなければならない男の世界観という感じ。
おそらくは狙いだとは思うのだが、
主人公のこのスリの男の輪郭をくっきりと描いていない。
だからぼんやりとしか伝わらない。
随所に男の回想が挿入されるが、
それも男の一部しかわからない。
個人的には、その辺をもっと描いてほしかったかな。
タイトルが掏摸だから、スリの描写はほぼ予想通り。
導入部は、このスリのシーンが結構あって、
そこはもっと凝縮して描いてもいいかな。
ちょっと冗長に感じた。
後半、組織から強引に仕事を押しつけられてからは、
結構惹きこまれました。
でも、この組織がどういうもので、
何の目的の仕事なのかは、
主人公にも読者にも知らせれない。
あえて描かないというのだろうが、
手抜きとしか感じられなかった。
どれだけ大きな陰謀の片棒を担がされたのか。
それも書いてほしかったな。
もっとディープな犯罪や裏の世界を想像してしまいました。
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投稿日:2010-11-02 Tue
「卵をめぐる祖父の戦争」デイヴィッド・ベニオフ著 田口俊樹訳
これが小説としては3作目の著者。
ハリウッドでの映画の仕事が多いようで、X-MENシリーズの脚色なんかもやっているそう・・。
ユニークなタイトルに惹かれて読んでみましたが、大正解でした。
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ロシア系移民の祖父に、戦争の話を聞きにいく孫。
語られる祖父の若かりし日。
戦争を奇跡的に生き延びた壮絶な体験。
暴力と死が至る所にあふれていた戦時下のレニングラード。
ナチスドイツに包囲され、食糧が不足し、
生きるためにだれもが必死にもがいている生活。
そんな状況の中で、語り手のレフはロシア軍により銃殺刑になる手前で
ある取引を条件に命を長らえる。
それは、大佐の娘の結婚式のケーキの食材として
卵を一ダースを期限内に探し出すというもの。
その探索には相棒がいた。
同じく銃殺の運命にいた逃走兵のコーリャ。
自らの命を守るための卵一ダースの探索が、
食糧や物資が不足している飢餓の町、レニングラードで始まる。
ここまで読んだところでもう完全に物語に惹きこまれましたね。
単純にこれからどうなるんだろうって感じで。
このレフとコーリャの珍コンビ。
この二人のやりとりが壮絶な戦争の描写が続く中、
なんかちょっとほっとして読めた。
コーリャはレフより3歳くらい年上だから、
まだ女の経験がないレフに、女のおとし方を指南する。
それが小馬鹿にした感じで、レフを挑発しておもしろい。
卵を探して、レニングラードを右往左往する二人。
結局レニングラードをでて郊外に向かう。
そこから、物語はせつなさやつらさを加速させて、
読者を完全に取り込んでいく。
後半はもう、物語の虜になってました。
前半に出てきた伏線が、
結末に効いてきて、
クライマックスは当時のソ連の真っただ中にいる感じで読んでいました。
死が直面する中での卵を探す、ちょっと間抜けな任務。
戦時下での人間のむき出しの欲望。 食欲と性欲。
個人的に一番胸に響いたのは、
レフの少年としての成長と初恋。
ホントにせつなくて、暖かくて、ジーンとしたり・・・。
タイトルで敬遠する人もいるかもしれない・・・。
それで読まないのは、絶対損ですぞ。
今年のベストに間違いなくランクインするのではと、
勝手に想像するほど、オススメです。
読後感の良さも格別。
久々のヒット。
良質の読書体験をご堪能あれ。
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