投稿日:2007-12-25 Tue
上橋菜穂子 著 「精霊の守り人」いやー、まいりました。
前から評判は聞いていましたが、これ程とは・・・。
ちょっと、児童文学だからって馬鹿にしていたかもしれないです。
そんな、自分を心から反省します。
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冒頭からいきなりやってくれますね。
一気に駆け抜けますよ。もう、ほんと、一気に。
用心棒のバルサがたまたまとおりかかった川で、橋から転落した皇子のチャグムを助けるところから物語は始まります。
そして、チャグムの母の二ノ妃から、何者かに命を狙われているチャグムをどうか守ってほしいと依頼され、さまざまな追っ手からチャグムをまもり、やがて明らかとなる精霊を目的の場所へと導くというお話。
武術というか、剣術というか戦いの場面が秀逸。
展開が速いから、前半はほんと一気に読みました。(←何度も言うなよ)
それから、この何ともいえないファンタジーとしての物語の世界がしっかりしている感じがよかった。全体的に身近に感じる、東洋的な思想、そして風景。
我が日本にこんなに素晴らしいファンタジーがあるのに、ハリー・ポーターなんか読んでる場合じゃないよ。
ハリー・ポーターの何でもありの魔法の世界と、巻をおうごとに後から後から付け足される勝手な魔法界のルールにうんざりして4巻で投げ出しました。
ダレン・シャンは第3巻までは面白かったですが、惰性で9巻くらいまでは読みましたがどうしても飽きてしまい挫折しました。
どちらも異国の物語で、なんとなく違和感を感じていました。
そんな私の前に登場したのが、この「精霊の守り人」です。
著者が日本人だけあって、物語の世界や背景がすんなりうけいれられました。
この東洋的ってところがいいよ。
ファンタジーとはいいながらやはり実際の日本の歴史が重なってきたりして、いろんな事に考えが及びました。それが、読書の醍醐味でもあるんだけど・・・。
星読み、神話、精霊、それに武術。
それだけでなんとなく読みたくなりませんか?
児童向けだから仕方ないかもしれないけど、個人的には挿絵はやめてほしかった。
せっかく自分の頭の中で雄大に広がった新ヨゴ皇国とか、勇敢で野生的なバルサのイメージなんかが消されてしまうから・・・。
同じ意味で、BSで放送されているアニメにもちょっとがっかり。
まぁ、限られた時間の枠で一話ごとにまとめなきゃいけないのはわかりますが、脚色した部分と割愛した部分のバランスが悪いよ。
第一話で象徴的だったのは、新ヨゴ皇国にきたバルサが通りがかりの親父と会話するところで、
「短槍のメンテナンス・・・」
っていう台詞。驚いたね、「メンテナンス」ですよ、皆さん。
この物語の持つ東洋的で、しかも古の日本のイメージが台無し。
製作者のセンスのなさに唖然としました。
しかもそのシーンは原作にはないシーンだから、なおさら腹が立ちました。
(「メンテナンス」なんていう言葉をつかう世界なら、短槍なんか使わずに拳銃でもレーザービームでもつかって戦えってぇの!メンテナンスってそもそもどこでやるんだよ。オートバックスか?イエローハット?「メンテナンス」って言うなら「超KY」とか「マジでムカツク」とか「キショイ」とかもチャグムに言わせろ)ちょっと興奮しすぎました、失礼。
読みどころはいろいろあるけど、印象が強かったのは食べ物が登場するところ。
うまそうに描写してくれてます。
ちょっと引用します。
・・・からりと油で揚げられ、かむとジュッとうまい肉汁がでる鳥やら、牛の乳からつくられた複雑なうま味のある汁物やら・・・
米と麦を半々にまぜた炊きたての飯に、このあたりでゴシャと呼ぶ白身魚に甘辛いタレをぬって香ばしく焼いたものがのっかり、ちょっとピリッとする香辛料をかけてある。いい色につかった漬け物もついていて、なんともおいしそうだった。
物語は終盤に向けて、バルサの過去や幼馴染のタンダ、呪術師のトロガイなんかが登場して、捻じ曲げられていた歴史の真相が明かされ、盛り上がりますよ。
十分に堪能しましたが、でももっと読みたくなりましたね。
続編もあるみたいですし、またひとつ楽しみなシリーズがふえました。
(ハリー・ポッターよりは面白いと思うんだけどなぁ・・・・。)
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