投稿日:2007-08-26 Sun
何となくタイトルに惹かれて、手に取った本です。ちょっと科学の専門的な内容ばかりだと途中でやめようかと思っていましたが、最後まで興味深く読めました。
レスリー・デンディ メル・ボーリング著
「自分の体で実験したい」
の感想です。
![]() | 自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝 レスリー・デンディ、メル・ボーリング 他 (2007/02) 紀伊國屋書店 この商品の詳細を見る |
まだまだ、人体の解明がすすんでいなかった時代の科学者の
奮闘ぶりが綴られています。
今からみるとちょっと笑いたくなるような実験もあって、そんなことわかるでしょって突っ込みたくなる実験もあるんだけど、その知の蓄積は実は、過去に自分の体を使って実験した科学者がいたからなんだろうな。
どんな実験が紹介されているかというと・・・・・。
人間は一体どれだけの暑さに耐えられるのか。
部屋を灼熱にして体温を測る。
食べ物はどう消化されているのか。
実験用の小さな管を飲み込んでみる。
ある種のガスが麻酔として有効か、ガスを吸って歯を抜いてみる。
黄熱病が蚊をとおして伝染しているんじゃないかと思い、蚊にさされてみる。
そのほか、あの有名なキュリー夫人も紹介されている。
改めてこの科学者の奮闘ぶりを読むと勉強になる。
例えば、部屋を100℃くらいにして意識が朦朧として、心臓が早く脈打っても、体温は36度前後を示す。
人体の神秘だけど、汗と血液の働きがこれによって導き出される。やっぱ実験だとすごくわかりやすい。今、こんな無謀なことする人いないもんなぁ・・・。
それから、食べ物が酸の一種の胃液で溶かされるのは今では常識なんだけど、以前は、機械みたいなもので砕いているんじゃないかとか、体内で葡萄がワインになるように発酵が起こっているんじゃないかとか、ただ単に食べ物が腐っているだけだと考える人もいた。
実験によって、食物をどう消化しているかがわかってくる。
唾液や歯でよくかむことの意味を改めて教えてくれた。
そのほか、どの科学者も興味深いものばかりで比較的新しい実験もあって(地下の洞窟に単独で閉じこもる)、それも興味深かった。
人間の知への欲求の強さと、科学者達の世のため人のためという志の高さに、感動しました。
最後に、放射能の研究とラジウムの発見で二度もノーベル賞を受賞した偉大な科学者、キュリー夫人の言葉を紹介します。
自らの発見で利益を得たくないかと問われて、こう答えています。
「そんな気はありません。科学の精神に反することですから」
偉大な科学者たちの姿に感動する一冊です。
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