投稿日:2007-08-07 Tue
「グレート・ギャツビー」今日の本と同じく村上さんが翻訳しなおした名作。
このギャツビーがものすごく素晴らしかったんで、こっちもぜひとも読もうと思って、期待しながらページを開きました。
レイモンド・チャンドラー著
村上春樹訳
「ロング・グッドバイ」
の感想です。
![]() | ロング・グッドバイ レイモンド・チャンドラー (2007/03/08) 早川書房 この商品の詳細を見る |
言わずとしれた、ハードボイルド小説の名作。
ニヒルな探偵、フィリップ・マーロウが金や名誉のためでなく、衝動みたいなものから謎を追う。
偶然知り合った、逆玉の男、テリー・レノックス。
飲み仲間になったテリーがある日、助けを求めてきて、マーロウは理由も聞かず、メキシコ行きを手助けする。
テリーが消えた後、テリーの女房、億万長者の娘のシルヴィア・レノックスが死体で発見される。
疑いの目は当然、テリーに向けられるが、マーロウはテリーが人を殺すようにはどうしても考えられなかった。
犯人逃亡を手助けしたということで、投獄されるマーロウだったが、その後、釈放される。
事件が風化仕掛けた頃、マーロウのもとに新たな依頼人が訪れて、意外な形で事件へと巻き込まれていく。
ストーリーとしては、こんな感じ。
正直にいうと、話はあまり面白くありません。
しかーし、文章が途轍もなく素晴らしいです。
この物語、フィリップ・マーロウの心のうちを表現しているような印象。
冷静で、辛辣で、皮肉に満ちている。
マーロウが口を開くと、誰もがカチンとくるようなことをいい、相手の発言の揚げ足を取るように突っかかっていく。
殴られても、ののしられても、表情を変えないこの探偵。
探偵自身のことは語られていないが、行動と発言がなによりこの男の考えを表現していた。
この無頼。
このクールな生き方。
こんなハードボイルドな生き方に、男ならだれでもあこがれるよ。
誰の脅しも、指図も受けない。
自分の心の赴くまま、行動する。
そして、その行動が金に関わっていないからまたいいんだよね。
打算じゃないんだよ。
儲かるどころか、損してるよ。
結構、貧乏してそうだもん、マーロウ。
でも、それがハードボイルド。
巻末に村上さんの、詳しすぎるほどの解説が載っている。
もう、他に語ることがないほどにレイモンド・チャンドラーと「ロング・グッドバイ」について語られている。
読み終わって、この小説の素晴らしさについて、ゆっくり余韻に浸り、なんというか心に残った形にならないいい意味のもやもやをすべて村上さんが言葉にしてくれている。
だから、ちょっと読後感をたのしんでから解説を読めばよかったとちょっと後悔しました。
でも、この詳しい解説だけでもこの小説を読む価値あるね。
村上さんの小説感や、小説の味わい方もちょっとわかるし。
無頼の男の生き方にしびれる一冊です。
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