投稿日:2007-07-24 Tue
今日の本は各方面で、評判の作品です。(ちなみに、最新版の“このミス”では第四位)
文庫本で上下二冊。
結構な分量です。
カルロス・ルイス・サフォン著
「風の影」
の感想です。
![]() | 風の影〈上〉 カルロス・ルイス サフォン (2006/07) 集英社 この商品の詳細を見る |
いやー、久しぶりに心の底から楽しめる小説に出会いましたよ。
物語の世界にどっぷりと全身つかり、気持ちよく浸りました。
どんどん先を読みたい、読みたい。
そう思いながら読んでいました。
あとがきにもありますが、ゴシック小説の印象がつよく、しっかりとしたストーリーがあります。
物語の力を改めて思い知らされました。
ストーリーは、ダニエルが手に入れた一冊の本、「風の影」から大きく展開する。
その本が心底気に入ったダニエルは、著者のフリアンのことを調べはじめる。
フリアンは著作が少なく、しかも、なぜか現存する著書が極端に少ない。
そうするうちに、ダニエルの持っている「風の影」を狙う謎の人物が現れる。
現在にわずかに残る手がかりを元に、フリアンの人生をたどるダニエル。
やがて、フリアンの人生が明らかになっていき・・・・。
ダニエルが生きる現代とフリアンの生きる過去を交互に描き、
ラストまでどんどん読者を引っ張っていく。
言っとくけど、ホントに面白いよ。
なんか本の謎を追うってまたベタな・・・、と思ったあなた。
今回は大丈夫。
その謎だけじゃなくて、ダニエルの方にもちゃんとドラマがあるし、もう、読みどころ満載なんだから・・。
恋愛あり、サスペンスあり、復讐あり。
親子の絆、男の友情、裏切り、嫉妬、悪意、もういろんな感情のつぼをつつかれまくり。
ほんとこの一冊で、何冊もの本を読んだ感じがして大満足。
読んでいて、ロバート・R・マッキャモンの「少年時代」を思い出した。
少年の成長とともに、家族や町の人々を描いた一年間の記録だったが、この「風の影」は数年の少年から青年への成長を描いている。
謎の本の著者、フリアンをずっと追い続けて、そして自らの人生の岐路や問題にも直面するダニエル。
追う者と追われる者。
それが後半・・・・。
あまり詳しくいえないけど、後半は本を手放せなくなるよ。
ラスト、すべてが明らかになると、何とも言えない感動に包まれました。
フリアンに付きまとう運命を呪って、壮絶な人生に深いため息をつき、素晴らしい小説の読後感をじっくりと味わいました。
著者はスペイン出身。
舞台はバルセロナ。
だからなのかわからないが、恋愛シーン、逢引シーン、官能シーンは素晴らしかった。情熱的で、豊か。
いやー、素晴らしかった。
何の躊躇もなく、どなたにもオススメしますよ。
すばらしい物語を堪能できる一冊です。
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