投稿日:2007-04-30 Mon
著者は児童文学の世界では有名な作家らしい。文学賞を何度も受賞しているし・・・。
この本、1990年に一度出版されたもの。
それに、あの宮崎駿が惚れ込んで描き下ろしのマンガをつけて復刊したほんです。
というわけで、ロバート・アトキンス・ウェストール著
「ブラッカムの爆撃機」
の感想です。
![]() | ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの ロバート・アトキンソン ウェストール (2006/10) 岩波書店 この商品の詳細を見る |
物語も楽しみだけど、宮崎駿がどこにほれたのかも気になる。
中篇、短編が3編収められていて、そのどれもに戦争が描かれている。
表題作は第2次世界大戦のイギリス空軍の爆撃機のチームの話。
若い乗組員とベテランの操縦士。
ドイツに爆撃に行き、イギリスに無事に帰ってくる。
それが男達の務めだ。
単純に、やるか、やられるかの感覚で書かれていて、実際の乗組員達も敵機をやっつけた時は拍手喝采だったのだろう。
でも、味方にも被害がある。
出撃して帰還しない飛行機・・・。精神に異常をきたした操縦士。
辛く悲しい戦争の時代。
その中で、人々は暮らしていたのだ。
それだけに、乗組員たちの陽気さがやけに心に沁みるんだ。
宮崎駿が惚れたのも分かるよ。
男と男の絆。
心意気。
まさに「紅の豚」の世界観。
あとの2編もなかなかいいよ。
戦禍を逃れて、富豪の屋敷へ一家で避難する少年チャスマッギル。
その屋敷での体験を綴った「チャスマッギルの幽霊」
戦争で負傷して弱り、年老いた祖父との交流や思い出を綴った
「ぼくを作ったもの」
家族とそのつながりを描いている2作品だが、両方とも味わい深かった。
優しく包むような話だけじゃなくて、厳しさや激しさもキッチリと描いている。
それから戦争の悲しみも描かれている。
戦争で受けた心の傷は、いつまでも人々をとらえて離さない。
そこには、キレイごとではない反戦のメッセージが込められている。
何度も読み返したくなるような本だった。
物語もいいし、文章もいい。
おまけに宮崎駿のマンガまであるからファンにはたまらないかも・・。
宮崎駿にまったく興味がない人でも小説が好きな人ならオススメできますよ。
戦争の悲しみが静かに心に残る一冊です。
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テーマ:児童文学・童話・絵本 - ジャンル:小説・文学
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