投稿日:2007-04-12 Thu
いまや世界中で、日本の漫画やアニメが楽しまれているのは誰もが知るところ。しかし、今日の本を読むとアメリカにおいて日本のマンガやアニメが、どう扱われて、どう受けとめられていたかが良くわかる。
ちょっと、マニアックだけど・・・。
というわけで、今日は
パトリック・マシアス著
「オタク・イン・USA
愛と誤解のAnime輸入史」
の感想です。
![]() | オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史 パトリック・マシアス (2006/08/09) 太田出版 この商品の詳細を見る |
著者は、俺と一緒の1972年生まれ。
アメリカのカリフォルニア、サクラメントで子供のころから日本のアニメに魅せられ、大人になったいまはアニメや漫画専門のライターとして働いている。
日本にも、何度も来ていてそのオタク的知識は日本人でも叶わないよ。
だって、アキハバラは素晴らしい町だっていってたし、メイド喫茶とか大好きらしいよ。
まず、アメリカの学校にもタイプとかグループがあるってことを改めて思い知らされた。
日本だと、スポーツマンタイプ、ガリ勉タイプ、オタク、文化系、体育会系、といった感じの種類。
それがアメリカだと、ジョックス(スポーツマン)やナード(ガリ勉)やギーグ(オタク、機械マニア)というもの。
しかし、最近はギーグのことをOTAKUとよぶらしい。
そう呼ばれることに本人達は誇りをもっているっていうんだから、ほんと不思議だよ。
外人は日本のことなんてちっとも興味がないと思っていたけど、それも古い話なんだな。まぁ、日本に興味があるのは、一部のひとだけだと思うけど・・・。
自由で、夢と希望に溢れた国・・・アメリカ。
しかし、それは幻想だってことに日本人もそろそろ気づかなくちゃダメでしょ。
日本だって、いいところもあるし、アメリカにもある。
単純に西洋コンプレックスで何も考えずに向こうのやり方なんかを取り入れるのは間違いだよ。
だって、あの、自由の先進国、アメリカ国民の著者がこんな事をこの本の中でいっているんだよ。
「世界のオタクたちが日本のオタク文化とファースト・コンタクトするきっかけはそれぞれ違うけれど、根っこの部分には共通するものがあると思う。つまり、彼らはみんな生まれてからずっと自分をとりまく環境、支配的な文化にたいして不満があって、そこからの脱出を日本製のファンタジーに求めたんだ。・・・・(略)・・・アメリカ文化も・・保守的になっちまって他人と違うことを夢見る者にとっては劣悪な状況だ。ジョックスとチアリーダーの支配、厳しいセックスのモラル、教条主義的な善悪二元論、そんな抑圧的な価値観からの解放された自由な考え方をアニメやマンガは教えてくれた。もはや日本人はナードではなく、クールな伝道師だ。・・・・」
ちょっと、信じられる?
日本のアニメには、アメリカにはない解放的な自由があるってよ。
日本を知らないのは日本だけってことか・・・。
日本は窮屈そうに見えるけど、もう既に結構自由なのかもよ。
少なくてもアニメやマンガの世界は・・・。
そのアメリカ人である著者の価値観だけで眼からウロコだったね。
そのほか、ガッチャマンやマジンガーZ、ガンダム、エヴァンゲリオン、セーラームーン、ゴジラなんかがどうアメリカで紹介されたかを詳細に綴っている。
多くは、文化の壁を考慮して切り刻まれ、新しいシーンを追加したりしてアメリカ用に加工してある。
それは、アメリカ人に受け入れられるように暴力やセックス描写を極力削除するためでもあるのだが・・・。
それにしても、日本って暴力やセックスの表現にそんなに寛容なのかね。アメリカ人がそういうんだから、そうかも知れないけど。
内側にいると分からないよ。
後半には、ごく最近のアメリカのOTAKUの世界が描かれている。
特に、インターネットの普及で仲間を探しやすくなって、新たなコミュニティーができたりしている。
コスプレ姿を公開したり、新たな商売を始める人やマニアックな趣味をネットに載せたりしているOTAKUたち。
何から何まで、日本のアニメが成功するわけでもないし、企業の思惑で日本のオリジナルとはもうかけ離れたしまっているものもあったり、そのへんは文化の壁とか、予想もできない展開をしている作品もある。
ハリウッドも日本のアニメの実写化にむけて次々と映画化権を買いあさっているらしい。
ルパンも実写になるらしいし・・・。
いずれにしても、マンガやアニメがもう日本の大きな文化として世界に広がったのを実感できる。
もっと、大事にして、誇りにしてもいいかもね。
まぁ、日本を褒めてるからちょっとのぼせ上がるけど、日本のマンガ家もハリウッド映画とか外国の映画なんかに影響を受けてるし、それぞれが影響し合っていいものや新しいものができるんだろうね。
日本のアニメやマンガがどうアメリカで受け入れられているかがよく分かる一冊です。
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