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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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サリンを撒いた同級生 伊東乾著「さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生」
さよなら、サイレントネイビー。

なんとも惹きつけるタイトルじゃないですか!
(このタイトルの意味は巻末で著者が説明してます)

第四回開高健ノンフィクション賞受賞作

「さよなら、サイレント・ネイビー」

の感想です。

さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生 さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生
伊東 乾 (2006/11)
集英社
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著者は音楽家で、東大の理学系の大学院に通っていた経歴を持つ。
現在は東大の助教授をやっている。

理論家でありながら感情的な表現や芸術的な素養も持ち合わせている、言ってみれば秀才だね。
うらやましい限り。

それだけにこの本の内容も実に学際的。
いろいろな研究や学問的な要素を含んでいる。
だってこんな言葉聞いたことある?

アフォーダンス

ゲージ対称性

統一理論


いかにも難しそうだけど、根っからの文系の俺でも読めたんで、だれでも読めると思いますよ。

というのも、著者と年下の女子大生との会話が随所に織り込まれ、著者がこの女子大生に入り組んだ科学や研究の話を説いているので、すごくわかりやすかった。
(まぁ、勝ってに想像すると、この本に出てくる女子大生は実在してないと思うな。・・・なんか存在感があまりなかった)

地下鉄サリン事件

この世にも恐ろしい凶悪事件の実行者の一人。豊田享。
彼は、東大の理学部を卒業し、同大の物理学系の大学院に進学し、そこに在学中に出家している。

著者は、この豊田とは学友だった。
というか、親友の一人だった。

東大のなかでも物理学の大学院はかなりの秀才しか進学できないらしい。

そんな、秀才の豊田がなんでオウムなんかに入信したんだよ?
なんで、サリンを撒いたんだよ?
 
報道されている豊田享像と自分が知っている豊田とはまったくちがっている。

著者はこの大きな疑問、戸惑いを解き明かすために、いろいろと調べ始める。
その知的冒険の過程が丁寧に書かれている。
様々な学者に会い、自ら実験し、資料をあたり、サリンが作られたオウムの施設があった場所に行く。

1 なぜ、人々はオウムや麻原彰晃に心酔したのか?
2 なぜ、若者はオウムでの「修行」に惹かれたのか?
3 なぜ、未来あるエリート科学者の卵が、あんな荒唐無稽な教団に走ってしまったのか?
4 マインドコントロールされて犯行に及んだとき実行者はどういう意識だったのか?
5 人々をオウムに駆り立てた本質的エネルギー源は何か?
6 宗教と科学の間の明確な矛盾を彼らはどう考えていたのか?
7 再発防止のために最初にしなければならないことは何か?



この7つの問いに自ら答えを出していく。

その過程で、社会の矛盾や納得できないことをいろいろと綴っている。
例えば、裁判の判決とか・・・。

とにかくいろんな研究や資料が出てきて、本当に勉強になった。
脳が刺激を受けたときに、考えるよりもすぐ感情で反応するって所は面白かった。
エネルギーを生命維持に使わなければいけないから、生物的な本能としての反応をする。
そのほか、あるわあるわ、いろんな考えのオンパレード。
東大の人たちは凡人には考えもつかないことに頭を使ってるんですなぁーと感心。

まぁ、著者の言いたいことはいろいろあるけど、とりあえずこんな感じ。


自ら出家したから責任あるって裁判では豊田のことを言うけど、出家って言ったって薬とか飲まされてマインドコントロールされてたんだから、ほとんど拉致と一緒で、麻原は信者を騙すのに、マインドコントロールをうまく使っていて、オウムの富士山総本部は、うまく県境にあって、なにかあって警察におわれることがあっても、静岡、山梨、どちら側にも逃げれるようになっていて、アンダーグラウンドでオウムについて書いている村上春樹は何も分かっちゃいなくて、視覚より聴覚のほうが、マインドコントロールに適していて、だから、玉音放送であんだけ日本人があっさり降伏して、今も昔もマインドコントロールに引っかかる構図は一緒で、日本人は忘れやすいからまったく過去から学んでいなくて、自分だけはマインドコントロールにはかからないと思っている・・・・・・・

って感じです。

戦争の時の日本人とオウムの信者を一緒にするのはいくらなんでも乱暴だと思うけどな・・・。

一方は、国のために命を捧げた英霊で、
もう一方は、インチキ宗教に騙されてサリン撒いた犯罪者なんだから。
それから、ナチスと旧日本軍の比較も左翼の人がよく言うことをまだ言ってるよ、この人も・・・。
ナチスは戦争をしたから、あれだけ糾弾されたんじゃないよ。
日本の戦争とナチスの責任を同罪に扱うのも乱暴すぎる。

(ユダヤ人をこの世から抹殺しようと、ホロコーストを実行したからナチスは世界中からいまだに非難されているんだ。
まぁ、言うまでもないが、日本は当時の国際連盟で民族差別をなくすべきだと主張し、満州は五族協和の理想によって建国されたんだから、正にユダヤとはまったく逆。杉原千畝だったいるし・・・。)

最後に著者が声高に主張するのは、これだけの歴史的なテロ行為を犯した犯罪者を死刑にしてしまっていいのかということ。

それは、後世の日本や世界の人々のために、この罪人から罪を犯すにいたったまでの経緯なんかを、どんな些細なことでも、何から何まで聞き出して残すべきだという考え。再発防止のためにも・・・・。

こんな貴重な犯罪の情報源を、一時の感情の高ぶりから、ヒステリックに死刑にするのは、近代化社会、グローバル化する世界では、ダメだよ・・・。
豊田を生かしておこうよ。



ごもっともなご意見だと思う。
確かに、秀才がなぜインチキ宗教にはまったのか、また、オウム真理教が次々とエリート研究者を入信させるためにどんな戦略をとったのか、それは、キッチリ残しておいたほうがいいと思う。


でも、それだと、遺族や被害者の不満は高まると思う。
死刑が廃止されて、終身刑ができたとしても、正に、泣くに泣けないでしょ。被害者は、志の半ばでいきなり人生を奪われ、犯罪者である加害者は、一生、命が保証されるんだから・・。

ちょっと、俺には判断つきません。
多分、自分の身内が殺されたら、一刻も早く加害者の人間を、死んでほしいと思うだろうし・・・・。
難しい・・・。
 
いやー、でもいろいろ考えさせられたし、教えてもらったから読後は充実感に包まれました。

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ノンフィクション | 21:23:54 | Trackback(4) | Comments(5)