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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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罪を犯す障害者の姿 山本譲司著「累犯障害者」
著者の本は、「獄窓記」に続いて2冊目です。

「獄窓記」でも触れられていた、罪を犯した障害者についての本です。考えただけで、ちょっとこころが重くなるけど・・。

今日は、山本譲司

累犯障害者

    獄の中の不条理

の感想です。

累犯障害者 累犯障害者
山本 譲司 (2006/09/14)
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♪ここで〜、一緒に〜、死ねたらいいと〜、
 すがる涙の意地らしさ〜

山本譲司って言ったって、演歌歌手じゃないよ。
(字が違うけど・・・)

多分、知っているとおもいますが、著者は、元民主党の衆議院議員。
秘書給与を誤魔化して実刑判決を受け、1年以上、服役していた。
獄中、著者は障害者の姿を目の当たりにして、日本の福祉行政の矛盾を痛感して、出所後、福祉関係の仕事をしている。

まず、その事実だけで著者の人柄が何となく分かる。
確かに秘書給与を別のことに使ったのは悪かったけど、控訴すればおそらく執行猶予がつくといわれていたのを、自らの罪を反省して実刑判決を受け入れて、刑務所に入ったのだ。

同じ罪を犯しながら、平気な顔して国政に復帰した人に見習ってほしいよ。

障害者といっても、主に、知的障害者と聾唖者の犯罪を取り上げている。

まず、問題なのは、マスコミの姿勢。

レッサーパンダ帽の男の殺人事件。

何となく記憶している人もいると思うけど、この犯人の常軌を逸した行動とその目立つ恰好は、当時マスコミで散々騒がれたよね。
しかし、その後、この犯人がどういう人間でどういう生い立ちだったのかはほとんど報道されなかった。

なぜか・・・。

それは、このレッサーパンダ帽の犯人が、知的障害者だったから。
新聞やテレビは、差別を助長する恐れがあると判断してか、特定の団体からの抗議を恐れてか、パッタリと報道しなくなる。

差別をするのはいけないけど、起きていることを隠すのはまずいでしょ。
みんなで考えれば、事件が起きた原因や問題を解決できる知恵が出てくるかもしれないし・・。

同じように、犯人逮捕後に報道がされなくなった事件がある。
下関駅舎放火事件がそれだ。

この事件でも、逮捕された犯人は知的障害者だった。

この二つの事件に共通するのは、犯人が社会からはじき出され、獄中にしか居場所がないということ。
つまり、犯罪を犯さなければ生きていかれなかったのだ。

レッサーパンダの男は逮捕時、29歳だった。高等養護学校卒業後、就職するがいじめなどで職場になじめず、すぐ辞めている。
そして、放浪生活が始まる。

殺人事件を起こす前にも、窃盗などで何度も逮捕され、服役もしていた。
出所後も、生活は安定せず、また犯罪を繰り返していたのだ。

下関駅舎に放火した男の場合は、もっと根が深い。
逮捕されたときの歳は74歳。
これまで、10回にわたって服役している。
成人後、約50年を獄中ですごしていたことになる。
彼もまた、世間や社会からはじき出され居場所がなかったのだ。

この犯人と、著者は刑務所で面会している。
そこで、刑務所に戻るために駅に放火したと聞く。
刑務所のほうが、獄中だけが、この老人の安住の地だったのだ。
犯人は語る。

「外では楽しいこと、なーんもなかった。外には一人も知り合いがおらんけど、刑務所はいっぱい友達ができるけん嬉しか。そいから、歌手がくる慰問が面白かたい」

福祉や社会復帰、更生が名ばかりだと実感させられる。
ちゃんと福祉が機能し、こういう人たちにちゃんと手を差し伸べられていたら、女子大生も死ななくてすんだし、下関も焼けずに済んだんだ。

そのほか、聾唖者教育の矛盾。特異な聾唖者同士の関係やその社会。知的障害者の売春。そして、障害者年金をあてにして、障害者を食い物にする暴力団・・など、知らなかったことや驚くようなことが書かれている。

一体、今まで当局者は何をやってきたのかと腹が立ってくる。
本当に障害者のことを考えているのか。

この国で、障害を持って生まれたら、犯罪を犯さなければ生きていけなくなるのか。

この現状をしったら誰もが、政治や行政の怠慢を痛感すると思う。
税金をこういう人たちに使わないで、何に使うというのか。

ラストの方に、かすかに希望の光が見えるような記述がある。
著者が、法務省の役人の前で自身の経験で得た刑務所の矛盾点や改善点を講義する。
そして、国も刑務所改革にやっと乗り出したのだ。
新たな、知的障害者用の施設もできるらしい。

それでも障害者がしっかり生活できる社会は程遠いとおもう。
著者の熱意でぜひ実現してもらいたい。
そして、どん底を味わった著者にもう一度国政に復帰してもらいたい。
その方がいろいろと改革できるのではないか。

障害者を取り巻く環境と歪な福祉行政に驚き、腹が立つ一冊です。


累犯障害者
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ノンフィクション | 21:00:39 | Trackback(6) | Comments(8)