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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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北海道の駐在さんの事件簿 佐々木譲著「制服捜査」
このミステリーがすごい」って知ってる?

年末に、その年に発売された娯楽系の小説を読書通が投票して、1位から10位の(それ以下も・・)ランキングを決めるというもの。

毎年年末になると、「このミステリーがすごい」を買って、国内、海外の両方の1位の作品を読むことにしている。

今年の1位は

国内が

平山夢明著

「独白するユニバーサル横メルカトル」


海外が

ローリー・リン・ドラモンド著

「あなたに不利な証拠として」


国内の1位は未読ですが、(近いうちに読む予定です)海外の1位作品は、このブログですでに感想を書いていますので、ぜひ、参考にしてください。(そのブログはこちら

今日の作品は、最新版 「このミステリーがすごい ’07」で、国内の小説ランキングで堂々の2位にランクイン。
この著者の作品はまったく初めてで、少し緊張しながら読み始めました。

佐々木譲

「制服捜査」

の感想です。



制服捜査 制服捜査
佐々木 譲 (2006/03/23)
新潮社
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北海道警察は身内の警官の不祥事が発覚し、その再発防止策として、警官や刑事がひとつの職場に長くいることを一切禁止し、有無を言わさずに転勤させる方針を打ち出す。
その結果、長年刑事として捜査をしていた人間が、運転免許の更新事務をするという、何ともバランスを欠いた人事になってしまう。

この本の主人公の川久保も、長年、刑事課の捜査員として実績をつんで来たが、突如、人口6000人の町の志茂別駐在所勤務を命じられる。

何よりも、この“駐在さん”という微妙な存在を主人公にした警察小説っていうのが、良かった。
警察署勤務の警官や刑事とは、かなり、仕事の内容が違うんだよなぁ・・。

駐在だから、そこに住み込んで仕事するって事。
だから、地元住民や消防団やいろいろな団体とうまく付き合い、良好な関係を築かなければならない。
時には、違法なことにも目を瞑らなければならない。

ほんと駐在さんって独特な仕事だよなぁ・・・。
でも、地元密着して長年一箇所に勤務した駐在さんが都内にいて、そこでは犯罪発生率が低いらしいから、いいことだとは思うけど。

主人公、川久保巡査長。
札幌に、妻と二人の娘を残しての単身赴任。

理不尽な移動だが、元刑事課捜査員は駐在の職務でもその能力をいかんなく発揮する。

北海道の独特の雰囲気・・・牧場、閑散とした廃線後の駅、往来の少ない道路・・をうまく描きながら事件綴っている。
北の人のどこかさめている感じも伝わり、独特の空気や温度、雰囲気が漂う。

事件としては華々しい事は起きないが、発生から本署への連絡や地元住民への聞き込みと、実際の駐在の動きを見ているかのようだ。

事件とその後の事の成り行きも、実際の事件を見ているようで鮮やかな解決とはいかない。
読者には、何となく犯人をにおわせるが、証拠や証言が引き出せずに結末に近づくのだが、ラストで、しっかりとオチをつけて、もやもやしていた心をはらしてくれる。

中編が5編収められているが、冒頭の「逸脱」は何とも切ない。

赴任してきたばかりの川久保は町の雰囲気なんかをまだ飲み込めていないから、ぎこちない捜査となる。

発端は高校生の息子が帰って来ないと、母親から通報だった。
交友関係なんかをあたる川久保だったが、これといった手がかりは得られない。
何となく、あやしいと特定の人物にめぼしはつけるのだが・・・。
数日後、農道の脇で行方不明の高校生が遺体となって見つかる。
盗難届けが出されていたバイクとともに・・・。

本署からきた素人同然の経験の浅い捜査員は、単純に交通事故として処理する。
盗んだバイクで、スピードを出しすぎたのだろうと・・。

様々な状況から、ただの交通事故ではない、これは事件だと川久保が訴えても取り合おうとせず、職務からの逸脱だといわれる。
それでも、長年の経験と知識から川久保は納得しようとせずに・・・。

狭い町、ほとんどの人が顔見知り、権力者の理不尽な力がまかり通る。

ほんと切ないね。

読んでいて、ピンときたんだけど、この小説の元になった事件があって、それは未解決のまま、事件性なしって事で処理されている。
著者は、事件性なしという警察のくだした判断に余程の憤りを覚えたのだろう。だから、その小説を書こうと思ったのかも・・。

うん、わかるよ。その気持ち。

ちなみに、著者のプロフィールを見ると、北海道生まれ。
人より思い入れを強く、実際の道警の不祥事や怪事件の行方をニュースなんかで見守っていたんだろうな。

(著者が元にしたであろう、実際の事件は、木村悟君の疑惑の死事件です。詳しくは、以下のサイトを参照してください。

木村事件

不起訴不当の議決を求める署名

柳原三佳blog

木村君の遺族は今でも、息子さんの死に疑問をもって活動しています)

そのほか、町にいる住民の人間関係や力関係、思惑なんかに翻弄されて発生した事件はすっきり解決しない。
そこがまた、現実的で切ない。

駐在さんの苦労を痛感する一冊です。

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テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

エンタテイメント | 23:52:29 | Trackback(9) | Comments(5)