投稿日:2006-10-06 Fri
現在公開中の話題作 「ゆれる」その監督のデビュー作を鑑賞いたしました。
ということで、その感想を。
映画「蛇イチゴ」
![]() | 蛇イチゴ 宮迫博之 (2004/04/23) バンダイビジュアル この商品の詳細を見る |
喪服らしきものを着込んでいる男。
そして、朝の家族の食卓。
ボケた爺さんがもうガキのように飯を食っている。
この冒頭の映像だけで、この映画はくせものだと印象つける。
前半は、普通の家庭だと思っていたものが、後半で実際は幻想に過ぎないことが分かる。
オヤジは、会社をリストラされたことを家族に黙っていて、しかも借金を重ねて取り立てに追われている。
娘は小学校の先生で、同僚の教師と結婚を考えて家族に紹介しようといえにつれてくる。
ぎこちない食卓。うわべだけの会話。
この娘が連れてくる同僚の教師が絶妙のキャスティング。
二枚目じゃない俳優。クセのある人だね。それが後半に効いて来る。
こんな人いるんだね。
そんなとき、爺さんが死んで、その葬儀中にオヤジの借金とりが乗り込んでくる。会社がクビになったことが周知の事実となり、収拾がつかなくなりそうになるが、そこに居合わせたのが連続香典窃盗犯の兄。弁護士のフリをして、乱暴な借金とりを追っ払う。
勘当同然で家を出ていた兄。
何とも皮肉なめぐり合わせ。
この、ちゃらんぽらんで、調子のいい兄を、宮迫が正に熱演。
ほんとによかった。
特に腹をだして妹をからかうところ。
縁談が破談になり、それでも何とか家族を立て直そうとする妹。
兄に、蛇イチゴがあった裏山に案内してほしいといって、一緒に出かけていくのだが・・。
監督の人々を見つめる冷静な感じがよく出てる。
特に、男は録でもなく描くね、この監督。
誰一人、いい奴いないもん。
どうしても妹が監督の分身だと思ってみてしまう。
実際の経験から来ているのかな・・。
大谷直子とつみきみほの母娘がピッタリ。
なんか、幸薄そうな感じが遺伝してるって感じで・・・。
嘘で塗り固められた家庭のなかで、最後の最後に真実があった・・・っ
て感じでかすかな救いがある。
決して後味は悪くない。
でもまぁ、ひねくれてるね。
特典映像では、「誰も知らない」の是枝監督との対談がある。
この監督は実質的に是枝監督の弟子みたいな存在で、この作品も是枝さんがプロデュースしている。
「ゆれる」をご覧になった人は、そのルーツを探る意味でも必見です。
(俺はまだ観てないので、これから観たいと思います。)
家族と人間の多面的な複雑さを考えさせられる一作です。
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