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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

■広  告


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■広   告

4人の男女が交錯する 川上弘美著「夜の公園」
お気に入りの作家の一人。
川上弘美の長編小説の新刊がでましたので今日はその感想を。

川上弘美

夜の公園


夜の公園 夜の公園
川上 弘美 (2006/04/22)
中央公論新社
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著者の文章は、独特。
どこかさめていて、ぶっきらぼうな印象。多用される身近な小道具。そして、珍しい言葉の登場。
また、登場する人物もやはり冷静な人ばかりな印象だ。
ノウテンキに騒ぐ人物はいない。登場人物はしっかり自分を見つめ、心がどう揺れているのか考えている。
それだけに読んでいるうちにぐっと自分の内面を覗くような感じになってしまうのだ。
それがいい。

この本は、4人の男女のそれぞれの視点から交錯する恋愛や感情を描いている。
ハッピーエンドではないのだが、一人一人の心を丹念に描いている。

主人公は、専業主婦のリリ。
そして、夫の幸夫は会社員。
リリの親友の春名は高校の先生をしており、幸夫と定期的に会っている。
リリと公園で出会ったフリーターの暁はやがてリリと逢うようになる。

ある日、リリと暁。そして幸夫と春名がそれぞれのデート中におんなじレストランで偶然出会ってしまう。
それがきっかけとしてか、何かが起こるのを4人がまっていたのか、微妙に4人の心は揺れ動いていく。

積み上げていくように4人のそれそれの心を描き、人間の生活とこころの移り変わりを見事に描いている。

著者はもと学校の先生。
だから、教師の春名の描き方はリアルに感じる。

生徒から「先生」と呼びかけられたときや職員会議中でも、まったく別のことを考えていてり、幸夫のことを考えていたり・・・。
若い生徒に対する、先生という立場より女としての感情がふっと心にわきあがってきたり・・・・。

いくつになっても誰かのことを好きになり、いくつになっても胸を痛める。

恋愛について人のこころの移り変わりをじっくりと味わえる一冊です。

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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

小説 | 21:16:21 | Trackback(5) | Comments(8)
女の死体とポルノフィルムと裏社会 映画「ブラック・ダリア」
ジェイムズ・エルロイ原作の小説の映画化作品。

先に映画化された「LAコンフィデンシャル〈上)」などとLA4部作といわれるシリーズの第一作です。

ということで今日は、

映画「ブラック・ダリア

の感想です。








ジェイムズ・エルロイは、ベストセラー作家なのだが、ずいぶんと読みにくい印象がある。
本は、「LAコンフィデンシャル」とあともう一つよ読んだ覚えがある。
ぐいぐいとのめりこむような作品ではなく、独特の雰囲気をかもし出していた。

この映画、予告を劇場で観て、観てみたいと思ったが想像したような映画ではなかった。
ストーリーは入り組んでいて、登場人物も多くて、なんかわかりにくかった。エルロイの原作を映画化するんだから相当苦労はあると思うけど、もっとシンプルにしてほしかった。

二つに切断された女の裸の死体が発見され、その事件を捜査していく新人刑事。
捜査していくうちに、裏社会とLAの暗黒部分に踏み込んでいく。
ちなみにこのブラック・ダリア事件は実在の未解決事件で、いまでも真相は謎のままである。

この作品、まぁ、昔のハードボイルドテイストで映像は楽しめる。
しかし、様々なエピソードが入り組んでいて、なんか乗れなかった。
多分原作だともっと、深くえぐるような暗黒の醜さを目の当たりにするのだろうが、そんな感じはしなかったな・・・。

監督はブライアン・デ・パルマ
ブライアン・デ・パルマといえば、やっぱり、大好きなのは「アンタッチャブル」
かっこよかったなぁ、ケビン・コスナー。あのスーツ姿にしびれたね。
それから、「戦艦ポチョムキン」から着想を得た駅の階段の銃撃シーン。もう、サイコーに興奮したね。
この映画、時代的には「アンタッチャブル」とかぶっているんじゃないかな。雰囲気がそんな感じ。

アンタッチャブル アンタッチャブル
ケビン・コスナー (2004/04/23)
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
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「アンタッチャブル」の駅のシーンに相当する、デ・パルマっぽい場面がこの映画にもありますよ。こっちのほうが、興奮度は落ちるけど・・。
階段の踊り場から、同僚の刑事と刑事を殺そうと襲ってきた男が転落するシーン。
さすがという感じで、手に汗にぎりました。
ちなみに、劇場で続けて2回観てもやはり興奮した。

主演のジョシュ・ハートネット。
あまり、この役にはまってなかったような気がする。
ヒラリー・スワンクはやはりよかった。
それから、スカーレット・ヨハンソンはすごくきれいに映ってた。
魅力たっぷりの美女・・・。

作品としては暗黒の醜さを描ききれなかった印象。
もうちょっとどぎつい感じがあってもよかったのに・・・。

当時のアメリカの暗黒の部分に触れられる一作です。

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ブラック・ダリア ブラック・ダリア
ジェイムズ エルロイ (1994/03)
文藝春秋
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L.A.コンフィデンシャル L.A.コンフィデンシャル
ジェリー・ゴールドスミス、アーノン・ミルチャン 他 (1999/01/20)
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ジェイムズ エルロイ (1997/11)
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テーマ:ブラック・ダリア - ジャンル:映画

映画 | 00:27:45 | Trackback(1) | Comments(2)
父母を失って、祖父と過ごした日々 ラリー・バークダル著「ナゲキバト」
NHKーBSの週刊ブックレビューは毎週欠かさずに見ている番組で、
その中で紹介される本で気になったのがあればすぐ読むようにしている。

今日の本も番組内で紹介された本です。
ということで、ラリー・バークダル著

ナゲキバト

ナゲキバト ナゲキバト
ラリー バークダル (2006/04)
あすなろ書房
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週刊ブックレビュー。いろんな知識人が出るけど、いい本を紹介してくれたと感謝したくなる人もいる。ほんと、この番組がなかったら出会わなかっただろうという本が何冊もある。
中には、自分の趣味や専門分野の誰も読みそうもないものを持ってくる人もいる。
何でも紹介すればいいってものじゃないのに・・。それが、その人の人となりを表現していて面白いといえば面白いけど・・・。
何か人間としてのセンスというか、気配りがない人はがっかりするよね。
人にすすめるってことを考えるとその本を選ぶかって思わずつっこみます。すいません。余談です。

この本は、番組の中で女優の伊佐山ひろ子さんが推薦していた本です。

9歳のときに両親を交通事故で亡くし、アイダホ州に住んでいる祖父に引き取られ、一緒に暮らすことになった少年、ハニバル。

両親が死んだ衝撃から立ち直ろうとする姿と祖父の家で過ごした日々をシンプルに描いている。

心優しき祖父。
寂しいとハニバルに感じさせないように、様々な話を聞かせてくれる。
興味を引かれる話もあれば、教訓めいた話もある。
長く人生を経験してきた人から語られる話は何にも代えがたい貴重なものだとしみじみ思ったね。
近くにこんな人がいて、悲しみや不安に出会ったときは、ただ、直接的な説教をするんじゃなくて人生に裏打ちされた深い話をされると何とか生きていけると勇気がわくだろうな。

後半、悪い少年と一緒に遊ぶようになるのだが、厳しい現実を突きつけられ、読者としては引き込まれる。
この辺がラストにむけての読みどころのひとつ。

興味本位で銃を発砲してしまい、ナゲキバトを殺してしまうのだが、生命の尊さをしり、ハニバルは深く悔やむ。
親を失う子の運命。

再び銃を使う場面がやって来て、過酷な決断をしなければならなくなり、むなしさや悲しみが残り、銃を使った後のなんとも言えない後味の悪さを実感し、すごく沈んでしまう。

ほのぼのしたエピソードはもちろん、嫌な思い出やエピソードでさえ懐かしさのベールに包まれ、さわやかな読後感が漂う。

それほど長くないし、一言でいうなら小さい作品、という感じ。
小さいからって決して馬鹿にしていっているわけではなくって身近な作品といったイメージ・・・。
大人はもちろん、子供にもおすすめできます。

親をなくすつらさ。それでも人生を生きていかなければいけないという現実。

少年の頃の純粋さと残酷さを思い出す一冊です。

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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

翻訳本 | 22:12:50 | Trackback(1) | Comments(3)
お金持ちの親戚の家で過ごした日々 小川洋子著「ミーナの行進」
博士の愛した数式」で本屋大賞を受賞した著者。

この本、「博士・・」で少年を描いたので今度は少女の物語を描こうと書かれた作品だとインタビューで著者本人が言っていました。

ということとで今日は、注目の作家、小川洋子の最新長編

ミーナの行進

の感想です。

ミーナの行進 ミーナの行進
小川 洋子 (2006/04/22)
中央公論新社
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本を読み始めるときに、どんな内容か予想しながら読む。
まったく予想通りだと面白くないんだけど、ある程度予想通りで、いい意味で予想を裏切ってくれるともう大満足になる。

この本は、まさにそんな本だった。
少女時代の宝物のような日々のお話だが、その世界は本当に愛らしくていつまでもその世界に浸かっていたいと思わせる魅力にあふれている。

母が洋裁学校に行くために、一年間、芦屋のお金持ちの親戚の家に預けられることになった朋子。

その家での一年間の暖かく、優しい日々の様子を描いている。

著者のこのおとぎ話のような世界を彩る小道具や設定が素晴らしい。
病弱な従兄弟のミーナ。
ポケットにはかわいらしい絵が書かれたマッチを持っている。
学校には、家で飼っているカバに乗って登校。
光線浴という治療もどきの部屋で、光にあたったり・・・。

他の登場人物も愛らしい人ばかり。
父親は、清涼飲料水の「フレッシー」を製造販売する会社の社長。
その母、ミーナの祖母はドイツ人で日本語が少し苦手。
ミーナの母は、いろいろな本の誤植を探すことを趣味としていて、米田さんという家政婦さんは家事で忙しいが、空いた時間のほとんどを検証応募に充てている。小林さんというカバのポチ子の世話係の人も登場する。

エピソードのそれぞれがスムーズに折り重なって、一冊読むのにほとんど苦もなく読める。
まぁ、とにかくよかったですよ。

ミュンヘンオリンピックの日本バレーチームの活躍。
ミーナの初恋と流星群。
マッチの絵から広がる物語。
ほとんど家に居ない伯父さんの机に集まる壊れた物たち。
図書館司書のとっくりさんに対する淡い恋心。

ああ、ほんとかわいらしい魅力に満ち満ちているよ。

それらのエピソードを通り過ぎ、結末になる頃にはこの本の世界にいつまでも浸っていたいと泣きたくなった。

ポチ子ーーーーっ。
好きなだけ尻尾振って、俺にフンを浴びせかけてくれ。

それから、挿絵の素晴らしさも付け加えておきます。
作品の世界観をさらに豊かにするこの絵に何度も魅せられた。
おとぎ話のようなマッチの絵がなんとかわいいことか。
 
この郷愁と懐旧。

心穏やかに、そして、優しくなれる一冊です。

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博士の愛した数式 博士の愛した数式
小川 洋子 (2003/08/28)
新潮社
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博士の愛した数式 博士の愛した数式
寺尾聰 (2006/07/07)
角川エンタテインメント
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テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

小説 | 10:29:49 | Trackback(2) | Comments(12)
新潟少女監禁事件のノンフィクション 窪田順生著「14階段」 検証 新潟少女9年2ヶ月監禁事件
事件のノンフィクションって読んだことあります?
ないですか。

ちょっと不謹慎かも知れないけど、俺はもう大好物なんです。
新聞やテレビでは分からなかった情報があったり、間違って伝わっていたりすることが分かるし・・・。

事件を通して、その被害者や加害者の人生や生い立ちを知ることができるのは、もう合法的なのぞきって言ってもいいくらい。
(厳密には、書き手の目を通した事件や犯人の姿なんだけど・・・)

ということで今回取り上げる本は、これです。

窪田順生著

14階段 
    検証 新潟少女9年2ヶ月監禁事件


14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー 14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー
窪田 順生 (2006/04/01)
小学館
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合法的なのぞきってちょっと過激だけど、野次馬的な下世話ば魂胆だけじゃなくて事件や犯罪がなぜおきたのか、犯人や加害者の家庭や環境を知る事は、同じ時代に生きている自らの地域や社会の問題を考えることにつながっていると思う。
それが、もっといい社会につながるんだと思う。

本としてのノンフィクションの魅力は、その野次馬的な下心もあるけど、それだけじゃなく、そこに人生が描かれているということ。
これは、フィクションにも通じていて、いかに人の愚かさや素晴らしさや滑稽さをあざやかに切り取るかというところ。
そう考えると、ノンフィクションがフィクション以上に人生を表現することもあると思う。

この本の著者は、元フライデーの事件記者。
記者当時にこの事件が発生し、自ら志願して新潟に乗り込み、取材する。
その後、フライデーからは離れるのだがどうしてもこの事件の犯人とその母のことが気になり、再び取材に訪れる。

この監禁事件。史上、稀にみる凶悪な事件として新聞やテレビでも大きく取り上げられたから、何となく覚えている人もいるでしょう。

詳しくはこちら

事件は、引きこもりの息子の暴力に耐えかねた母親の保健所への電話で公になる。

その息子、佐藤宣行は高校卒業後、三ヶ月で就職した会社をやめ事件発覚時の37歳までほとんど定職につかず、ずっと自宅の二階に引きこもっていた。生活は、保険の外交員をしていた母親の収入によって支えられていたが、異常なのはそれだけでなかった。
アイドル雑誌や趣味のものを母親に買いに行かせて、使い走りのようなことをさせて、買って来た雑誌が少しでも折れ曲がっているなど気に入らない事があると母親にすぐ手を上げ、いわば暴君のように振舞って母を支配していた。

母親の通報で駆けつけた保健所職員は、息子のいる二階に行き、暴れる息子に何とか鎮静剤を打ち、落ち着かせ病院に搬送する。
そして、ベッドの上で毛布にくるまれた塊を見つける。めくってみると中には、やせ細り、雪のように肌が白い十代後半と思われる少女が出てくる。
職員が、少女にどこの誰なのかを尋ねても要領を得ない。息子の母親に、少女のことを聞くが、母親も職員と同じように驚き、少女がいることはまったく知らなかったと職員に話した。
一つ屋根の下に暮らしていながらそんなことがあるのだろうか。
しかし、母親の話によると息子の言いつけでここ何年も二階には上がってなかったという。
二階の廊下には、ビニール袋に入れられた糞尿が所狭しと並べられていた。他の人間からすると異常なこの状態が何年も続いていたのだ。

この事件の異常さも話題になったが、警察の対応の怠慢さも世間の批判にさらされた。

保健所の職員がこの家に駆けつけた時点で警察に応援を要請するが、断られている。そして、身元不明の少女を発見して、もう一度警察に保健所の職員が通報するが、それでも新潟県警は動かなかった。
明らかに事件性があるのにも関わらず・・・。

再度の通報で事の重要さがわかった警察は、慌てて病院に駆けつけ、指紋を照合すると、少女が、9年前に失踪した小学生だと判明する。

数時間後に行われた記者会見で新潟県警は以下のように発表する。

「午後2時50分ごろ、柏崎市の病院で男性が暴れているとの通報があり、警察官が駆け付けたところ、一緒にいた女性が、三条市で行方不明になっていた少女であるとわかったため保護した」

しかし、事実はまったく違っていた。そして、病院や保健所をメディアが取材した結果、警察の嘘と職務怠慢が明らかとなる。

更に・・・、
この会見が行われているときに、県警のトップ、本部長が温泉宿で賭け麻雀に没頭していた事実が明らかになる。

記者会見は刑事部長に任せ、自分はもっと重要な用事があったために本部には戻らずに温泉宿に向かったのだ。
そこで、本部長は上司である関東管区警察局長の接待をしたいたのだ。
ちょうど新潟を訪れていた局長の要望で、夜は「雪の見える旅館で麻雀」と決まっていたのだ。

行方不明の少女が発見されたことなんかより、上司を接待して自分の出世のほうが大事であり、優先したのだ。
ほんとに開いた口が塞がらないね。
現場のほとんどのお巡りさんは真面目にやっていると思うけど、やっぱり長年続く組織は、腐敗するんだね。

加えて、少女の失踪事件の新潟県警の初動捜査の杜撰さも問題視された。
少女が失踪した当時、佐藤宣行は別の少女への猥褻事件で有罪となり、執行猶予の身だった。にも関わらず、容疑者リストに佐藤の名前は入っていなかった。
この手の犯罪は、累犯や再犯の可能性が高いことを考えれば県警の対応は批判されて当然だったといえる。

県警の対応のまずさがこの事件に間接的に関与しているといってもいいかも・・・。
もしかしたら、誘拐されてもすぐ発見できたかも知れないでしょ。

逮捕後の取調べ等によって、事件のあらましが明らかになるとともに、この犯人と母親の関係の異常さも注目されていく。

著者は、佐藤宣行に懲役14年の刑が確定した2003年、再び、新潟を訪れ、宣行の母にインタビューを申しいれる。

取材対象にかなり深く入り込んだ取材って、その人に情がうつってしまいそうで、あまりよくないんじゃないかなと思うが、著者は母と一緒にドライブに出かけたり、家に泊まったりする。

そして、親しくなった成果として見えなかったこの家族の形を解き明かして行く。
人間の人格はすべて親や家庭で決まるというと単純すぎるかも知れないが、この引きこもりの男が事件を起こすにいたったのは、やはり、父母の影響があったはずだ。

親子ほど歳が離れた父と母、友達の父親より明らかに歳をとって、おじいさんのような父、一緒に外で遊びたくても遊んでもらえない。
若い頃に、病気で何年も寝たきりとなり、息子の引きこもりと同じような過去を持つ母。
生活を変えるために、家族の薦めで決めた歳の離れた男との結婚。

一つ一つの事実を積み上げ、著者は、最後に自分なりの考えをまとめる。それは、特異な家庭環境が影響しているというものだが、納得できるものだ。

刑が確定して服役している佐藤。母は、面会に訪れるときに競馬雑誌を差し入れていることを著者は目撃する。
いつまでも子供に甘い母。刑務所のなかでも趣味の競馬に執着する息子。

刑期を終えて出所しても、どうやら心から反省していないこの男の再犯の可能性を、著者は心配して、この本を締めくくっている。

憎むべきは、もちろんこの凶悪犯罪を犯した犯人だ。
しかし、この犯罪にいたるまで何か、社会や地域や公機関がこの親子に注意なり警告なりをできなかったのか。考えてしまう。

犯罪の発生する原因を突き詰めていくと、社会の抱えている問題点ガ見えてくるように思う。
間違いなく、豊かになった現在の日本で犯罪は起こったのだから・・。

読み終えて、深いため息とやるせなさが残る一冊です。

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テーマ:ノンフィクション - ジャンル:本・雑誌

ノンフィクション | 21:23:49 | Trackback(2) | Comments(10)
注目作家の短編集 荻原浩著「押入れのちよ」
映画化もされた「明日の記憶」がベストセラーとなった荻原浩
この著者の短編集が、週刊ブックレビューで取り上げられたので何となく読んでみました。

というわけで今日は荻原浩

押入れのちよ
の感想を・・・。

押入れのちよ 押入れのちよ
荻原 浩 (2006/05/19)
新潮社
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この著者の作品に触れるのは今回が初めて。
だから、どんな作家なのかはまったくつかめないまま読み始めました。

一言でいうなら、

安定した筆力の娯楽作家

といった感じです。

表題作をはじめとする9編の短編が収められていますが、どれも死や異界にまつわる内容があり、希望や恐怖や笑いなど様々な感情をそれぞれ引き出してくれます。
まぁー、楽しめました。

序盤は、作家の実態がつかめないから恐る恐る読んでいたけど後半はもう完全にハマッたよ。ページを繰る手が止まらないほど面白かった。

明日の記憶」ってたしか感動する話だったとおもう。
だからこの本も、人生に敗れた人が何か新たな希望の光を見つけてそれに向けて力強く歩き始めるというような内容かなとうっすら考えていたが、ぜんぜん違いました。

ホラーやブラックなコメディーなど悪意に満ちているものが多く、この著者はこういうものの方が本来の魅力なんじゃないかと思ってしまう。

表題作は、失業中の男が家賃の安いアパートを借りたら押入れに明治の時代の少女の幽霊がいたという話。
どっちかというと感動する話で、男の再生の物語。
これはこれでいいですよ。

でもオススメは、やはり悪意の短編。
「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」「木下闇」
の4編。
著者の初期の短編にあたるこれらはもう一気に読めます。

書いてるほうもノッて書いてる感じがした。

倦怠期の夫婦が互いに食事に毒を盛りあう、「殺人のレシピ」

介護を偽りながら、実際は寝たきりの義父を虐待していた女が、義父からの復讐におびえる「介護の鬼」

愛人の死体の処理中に、部屋に詐欺師がやってきた男の困惑を描いた「予期せぬ訪問者」

幼いころに親戚の家で失踪した妹の事件の真相を知る「木下闇」

なかでも「介護の鬼」は、中年女の腹の中を思う存分描いている。
くすくす笑いながら読んで、最後はちょっとすっきりするような読後感でとても面白かった。

力のある作家だろうと容易にわかるほどどれも読ませます。
とっつき難さもあまりないし・・・。

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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

小説 | 23:42:58 | Trackback(2) | Comments(8)
失恋の苦い思い出を消し去ることができたなら・・・ 映画「エターナル・サンシャイン」
2005年のアカデミー脚本賞を受賞した本作。
公開時は、通(?)の間で結構、評判になった作品であります。

だいぶ時間は経ちましたが、それだけに冷静に観ることができたので今日はその感想を・・・。

映画「エターナル・サンシャイン」

エターナルサンシャイン DTSスペシャル・エディション エターナルサンシャイン DTSスペシャル・エディション
ジム・キャリー (2006/10/27)
ハピネット・ピクチャーズ
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「マルコヴィッチの穴」のぶっ飛んだ脚本でハリウッドの話題の中心になったカウフマン。
この人の脚本にはスターがこぞって出演したがるそうで、この作品にも地味な作品ながら有名どころがでています。

主演は、ジム・キャリーとケイト・ウィンスレット。
脇には、イライジャ・ウッドとキルステン・ダンスト。

キルステン・ダンストって結構いろんなのに出てるよね。
スパイダーマンの物議をかもしたヒロイン役から、最近だと、まったくの駄作、「エリザベスタウン」とか・・・。

あまり美人じゃないし、それほど演技もうまいと思えないんだけど・・・。
こんなに順調にキャリアを重ねているのは、何か特別な理由でもあるのかね。不思議・・・・。

作品の内容は、付き合い始めて、倦怠期を迎えたカップル。ある日、女の職場に男がたずねて行くとまったくシカトをされる。
わけが分からない男はやがて女が自分と付き合っていた記憶のすべてを消してしまったことに気づく。

それなら俺だってと、男のほうも業者に頼んで、女の記憶を消そうとするのだが・・・。

単純にロマンチックな感じではなく、かなりマニアックな雰囲気の映画だ。やはり、カウフマンの映画っぽい。
もっと明るく描いたらもっとヒットしたかも・・・。それはないか・・。

構成も入り組んでいて、最初と最後がつながるようにできている。

恋愛のせつなさ、つらさ、わずらわしさに押しつぶされるとき、その記憶をけせたらと誰もが一度は思うかも知れない。
でも、実際、消したらやはり人にとってはマイナスになるんだろうと思う。
いやなことも含めて、人生って事で・・。

このカップルが美男美女じゃなくて、さえない二人っていうのがなんともリアル。
そこが、マニアックな原因だな。

それから、伏線として記憶を消す業者の人間達のことも描いている。
ラストは、ちょっと意外な真相が分かったりして、さすが、一筋縄ではいかない脚本家らしい。

きらびやかな恋愛と甘酸っぱい恋愛の単純な映画じゃなくて、人生のリアルな日常を掬い取っているんだな・・。

観ていて連想したのは、同じようなSFチックな内容で邦画の「世にも奇妙な物語 結婚シミュレイター」て作品。

世にも奇妙な物語 映画の特別編 世にも奇妙な物語 映画の特別編
タモリ (2003/06/18)
ポニーキャニオン
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結婚を決めた二人が式の段取りを打ちあわせているときに、二人の今後をシミュレイトする機械に入って未来を体験するという話。

二人の結婚生活がバーチャルで体験できて、結局、未来で二人は離婚をしてしまう。

その機械から出てきた二人は、未来の互いの冷え切った結婚生活の姿を見て、結婚を取りやめるという話なのだが・・・。

今回の作品のようなマニアックさはなく、美男美女のさわやかさとストレートなせつなさにしびれた名作だった。

どっちかっていうとこの作品のほうが自分的には好きだったな。
(オススメですのでぜひ観てみてください。せつないよー)

恋愛のせつなさとつらさを存分に味わえる一作です。

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DVD | 01:04:52 | Trackback(4) | Comments(6)
注目の若手監督の処女作 映画「蛇イチゴ」
現在公開中の話題作 「ゆれる」

その監督のデビュー作を鑑賞いたしました。
ということで、その感想を。

映画「蛇イチゴ」


蛇イチゴ 蛇イチゴ
宮迫博之 (2004/04/23)
バンダイビジュアル
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喪服らしきものを着込んでいる男。

そして、朝の家族の食卓。

ボケた爺さんがもうガキのように飯を食っている。

この冒頭の映像だけで、この映画はくせものだと印象つける。

前半は、普通の家庭だと思っていたものが、後半で実際は幻想に過ぎないことが分かる。

オヤジは、会社をリストラされたことを家族に黙っていて、しかも借金を重ねて取り立てに追われている。
娘は小学校の先生で、同僚の教師と結婚を考えて家族に紹介しようといえにつれてくる。
ぎこちない食卓。うわべだけの会話。
この娘が連れてくる同僚の教師が絶妙のキャスティング。
二枚目じゃない俳優。クセのある人だね。それが後半に効いて来る。
こんな人いるんだね。

そんなとき、爺さんが死んで、その葬儀中にオヤジの借金とりが乗り込んでくる。会社がクビになったことが周知の事実となり、収拾がつかなくなりそうになるが、そこに居合わせたのが連続香典窃盗犯の兄。弁護士のフリをして、乱暴な借金とりを追っ払う。

勘当同然で家を出ていた兄。
何とも皮肉なめぐり合わせ。
この、ちゃらんぽらんで、調子のいい兄を、宮迫が正に熱演。
ほんとによかった。
特に腹をだして妹をからかうところ。

縁談が破談になり、それでも何とか家族を立て直そうとする妹。

兄に、蛇イチゴがあった裏山に案内してほしいといって、一緒に出かけていくのだが・・。


監督の人々を見つめる冷静な感じがよく出てる。
特に、男は録でもなく描くね、この監督。
誰一人、いい奴いないもん。

どうしても妹が監督の分身だと思ってみてしまう。
実際の経験から来ているのかな・・。

大谷直子とつみきみほの母娘がピッタリ。
なんか、幸薄そうな感じが遺伝してるって感じで・・・。

嘘で塗り固められた家庭のなかで、最後の最後に真実があった・・・っ
て感じでかすかな救いがある。

決して後味は悪くない。
でもまぁ、ひねくれてるね。

特典映像では、「誰も知らない」の是枝監督との対談がある。
この監督は実質的に是枝監督の弟子みたいな存在で、この作品も是枝さんがプロデュースしている。

「ゆれる」をご覧になった人は、そのルーツを探る意味でも必見です。
(俺はまだ観てないので、これから観たいと思います。)

家族と人間の多面的な複雑さを考えさせられる一作です。

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DVD | 00:20:22 | Trackback(1) | Comments(2)
名著「冷血」執筆の裏側 映画「カポーティ」
ティファニーで朝食を」の著作で知られるトルーマン・カポーティ

この映画は、その後の文学界に絶大な影響を与えたとされるノンフィクションノヴェル「冷血」を執筆しようとするカポーティの姿を描いた映画です。

今年のアカデミーの最優秀主演男優賞をカポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンが獲得したことで一躍注目されました。

今日は、

映画 「カポーティ

の感想です。




いやー、都内でこの映画を公開しているのは日比谷と恵比寿の二館だけ。しかも、公開初日だから、第一回目を観ようと意気込んで日比谷に乗り込んだらもうチケットは売り切れ。
しかも、第二回目のチケットも前の方しか空いていないといわれ、ショック。映画ファンのこの映画に対する情熱を感じました。

仕方がないので、日比谷、銀座あたりをぶらぶら。
何とか二時間、時間をつぶしました。
日比谷の映画街の広場には、内外の映画スターの手形が地面に飾られていますが、暇だったので何となく見ていたら、先日、霊界へと旅立った丹波哲郎さんの手形を見つけたので、思わずシャッターを押してしまいました。




なんだか、しみじみしながら眺めていました。

ちょっと離れたところには、トム・クルーズの手形もありました。
思わず“パシリ”。




トム・クルーズの隣には、ペ・ヨンジュンのも・・・。
(どういう人選なんだよ・・・)

シネコンの快適なシートと階段状の劇場に慣れている身としては、シャンテ・シネはきつい。
シートは狭いし劇場も平。
しかも超満員ときた。
なんかあまりいい条件ではないまま映画が始まりました・・・。

この映画。一言で言えば、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技を堪能する映画。

静かで穏やかな画面で全編構成されます。

その中で、カポーティと殺人犯のやり取りが描かれます。
殺人犯に近づき、凶悪犯罪の全貌を描き出そうとするカポーティ。
犯人から信頼してもらおうと同情しながら取材するのだが、作家としてその本のタイトルを「冷血」と決めて人々の注目を集める。

書き手としてのかポーティと人間としてのカポーティ。
殺人犯の取材でその二つの立場で葛藤にゆれる想いが静かなタッチでよく描かれていると思う。

当時はいまほどメディアが発達していなかったので、カポーティがか細い声で、子供っぽく話す姿を知る人は限られていたらしい。

その変な感じを、この主演俳優は見事に再現している。

エンドクレジットにエグゼクティブ・プロデューサーとして名前があるから、なみなみならぬ覚悟でこの役を演じたんだろうね。

MI:3の悪役とは、ぜんぜん違うもん。

作家として、落ち目のカポーティが殺人犯をうまく利用して再び、第一線に復帰したと、この取材や作品の手法に賛否があるそうだ。
でも、やはり名著とされているんでぜひ読んでみたいな。

エンターテイメント作品とは一線を画すこの作品。
好き嫌いがはっきりする作品だと思う。

秋にゆっくりと楽しめる一作です。

冷血 冷血
トルーマン カポーティ (2006/06)
新潮社
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映画 | 23:12:00 | Trackback(6) | Comments(15)