投稿日:2006-08-22 Tue
「陽はまた昇る」で注目された佐々部監督。今日はその監督作
「カーテンコール」の感想です。
![]() | カーテンコール 伊藤歩 (2006/06/21) バップ この商品の詳細を見る |
スキャンダル雑誌のカメラマンの駆け出しの女が、自身が撮影した著名人が、スキャンダル写真が掲載されたことを苦に自殺したことで、地元に帰り、タウン誌の記者として働きはじめる。そして、昔ながらの映画館にかつていた、幕間芸人について取材しはじめて・・・。
今のブーム、昭和テイストが売りなんだろうけど・・・。
ところが、後半からまったくちがう話になる。
映画館とそれに沸く観客、そして、幕間芸人。
古きよき時代の日本人と貧しくてものびのびとしていたあの頃・・・。
後半、この幕間芸人が在日朝鮮人だとわかり、にわか記者がこのかわいそうな在日のために奔走する。
またも、在日映画。多いね。パッチギ、フライ、ダディ、フライ・・。
在日は日本人にこんなに差別されてましたって糾弾して、拉致問題で出来上がった、朝鮮や韓国に対する嫌悪感を弱めようと考えてるのか・・・。
これだけあると考えたくなるよ・・・。
在日映画だと知ってたら観なかったかな・・・。
実際、映画のできもよくないし・・・。
まぁ、お優しい監督の暖かい人間味がたっぷり出ていて、観ていて気恥ずかしくなってくる。
かわいそう、離ればなれ、親子の再会。
感動しろといわんばかりの演出に、うんざりしました。
「半落ち」でもそうだけど、この監督、優しすぎて人間の闇の部分を描けないね。だから、作品が薄っぺらで、一本調子。
(どうせなら、極悪非道の日本人が出てきて、鞭で打ちつけるなりすればいいのに・・・。言い過ぎました)
戦後の混乱期で、在日の人は苦労しただろうと思う。
でも、それは、普通の日本人でもおなじだよ。
もっと探せば、もっとかわいそうな人はたくさんいるよ。
(シベリア抑留されて、ロシアで死んだ日本人とか・・・・、戦争未亡人とか・・・)
取材記者として、これほど取材対象に肩入れしていいのかね。
さも、良いことしたって顔していたけど・・・、あの女。
幕間芸人のほうも、どこの馬の骨だかわかんない女が根掘り葉掘り、家族の昔のことを聞きだすのを、すんなり受け入れるかね・・・。
また、こわもての編集長の女が、やけに締め切り守れって記者に言いつけるんだけど、結局、「良い顔になってきた」って簡単に長引く取材を許可したり・・・。
話が感動させようと創ってあるから、安易で、拙い。
俳優も、光っているひとはいなかった。
藤井隆はやはり、藤井隆。
良い人の空気出しすぎで、落ちぶれていく過程はまったく演じられていなかった。
井上堯之も笑ってばかりで、特に演技らしいことはしていない。
劇場のおばちゃんも、幕間芸人の取材で、しぶしぶ思い出したわりには、女とデートして、結婚して、子供が生まれることなんか家庭内のところまで語っているし(デートや家庭の中は、本人達しか知りえないのに・・・)、ちゃんと覚えているジャン。
取材するのを待っていたかのように。このかわいそうな在日朝鮮人を・・。
監督は、「ニュー・シネマ・パラダイス」に感動して、その日本版がやりたかったらしい・・・。
失礼ながら、雲泥の差だと思います。(俺も、ニュー・シネマ・パラダイス大好きだから・・・)
監督の想いが強すぎて、そのクセのある味にちょっと胸やけしました。
感動の押し売り。
そんな印象でした。
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