投稿日:2006-07-30 Sun
サッカー、日本代表の新監督、イビチャ・オシム。突如注目され始めたこの人物。昨年、出版されたこの人を取材した本も注目され、ベストセラーになりました。
ということで、新監督の値踏みをかねつつ読んでみましたので今日はその感想を・・・。
木村元彦著
「オシムの言葉 〜フィールドの向こうに人生が見える〜」
![]() | オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える 木村 元彦 (2005/12) 集英社インターナショナル この商品の詳細を見る |
「イビツァ・オシムは、私のキャリアの中でも最高の指導者のひとりだった」
そう語るのは、名古屋グランパスで活躍した元ユーゴスラビア代表のストイコビッチ。
彼とオシムは、ともにユーゴの出身で、イタリアワールドカップのときは選手と監督という関係だった。
オシムを語る上で欠かせないのは、その祖国のこと。
いまはそれぞれの民族の国に分断された旧ユーゴ。
彼が監督として活躍していたときは、まさにこの祖国が瓦解しはじめたときだった。
旧ユーゴ。
5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字のモザイク国家。
日本では考えられないが、サッカーのユーゴ代表監督にはそれぞれの民族から選ばれた選手をまんべんなく使えと、ものすごい圧力がかかる。
しかし、素晴らしいチームにするにはそんなことはやっていられない。
だが、オシムは、その圧力どおりに選手を配置して、ワールドカップの初戦に見事に負けて見せた。
騒がしい外部の人間たちもさすがにその試合をみて、オシムに従わざるを得なかった。
つい、数年まえまでともにプレーしていた選手たちが敵となり、戦う。
この過酷な運命の奔流の中にオシムやストイコビッチはいたのだ。
また、内戦が始まったユーゴで、オシムは妻と2年におよぶ別離を経験する。妻がいたサラエボが包囲され避難できなかったのだ。
死と隣り合わせの状況で、妻のアシマはその生活を何とか生き抜き、無事、夫と再会を果たす。
オシムの監督としての力量は誰もが認めるところのようだ。
レアル・マドリードをはじめ、世界の有名クラブからの監督就任のオファーは、多数あったらしい。
その、名将がオーストリアのクラブチームの後に、極東にある島国のサッカーチームの監督に就任することはまさに奇跡かもしれない。
でも、実際は奇跡ではないんだな、これが。
東京オリンピックのときに、オシムは選手として来日を果たしている。
そのときの日本と日本人の印象が少なからず彼の決断に影響しているようだ。昔の日本人ありがとう。
彼のサッカーの基本は、走ること。
とにかく走る。
「ムービング・サッカー」っていうらしいんだけど・・・・。
2部落ちを危ぶまれていたジェフ市原(千葉)を初のタイトル(ナビスコカップ)へと導いた手腕はやっぱすごいんだと思う。
この人を一言で表現するなら、偏屈オヤジ。
とにかく、インタビューでも普通には答えないし、受け答えもひねくれている。
皮肉屋であり、恥ずかしがりやであり、あまり感情豊かではなさそうだ。
それでも、選手たちの信頼は厚い。なんか憎めないような性格。
それは、どの選手に対しても、平等であるためだ。
たとえ、どんなに有名で年俸が高い選手でもミスをしたら、チームメイトの前ではっきりと叱責する。
得点をあげられなくても、キッチリと動いていた選手はしっかりと観察している。
さぁ、この偏屈オヤジ、日本代表をどう変えていくのか。
8月には、親善試合があるらしいから、楽しみだね。
期待しながら、お手並み拝見といきましょう。
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