投稿日:2006-07-20 Thu
戦後60年過ぎて、最近再び注目されている、国家社会主義ドイツ労働者党党首、アドルフ・ヒトラー。ロシアの極秘の資料室から、新資料として見つかったのがこの本、
「ヒトラー・コード」
H・エーベル M・ウール著 高木玲訳
であります。
![]() | ヒトラー・コード エーベル.H、ウール.M 他 (2006/01/27) 講談社 この商品の詳細を見る |
この本のことを訳者があとがきで語っています。
「2005年、ロシアの公文書館でじつに衝撃的な文書が発見された。アドルフ・ヒトラーのごく身近に仕えた親衛隊兵士ふたりの供述をもとに、ソ連NKVD(のちのKGB)が編纂した独裁者アドルフ・ヒトラー伝である。しかもそれは、ヨシフ・スターリンというもう一人の独裁者を唯一の読者に定めた文書であった」 訳者あとがきより
スターリンはヒトラーに余程興味があったらしく、戦後、捕虜として捕まえた側近二人にヒトラーについての詳細な調査を何度も行う。
その成果の一部がこうして、日の目を見て世界中でベストセラーになったというわけだね。
歴史の一部に触れてるって感じでドキドキ。
ヒトラーは、自殺したとされているが、ソ連軍の追跡をかわし、ひそかに生き延びているのではとまことしやかに語られている。
そのことも、スターリンのヒトラーに関する興味につながっているかもしれない。
実際、ピストル自殺とされた死因は、遺体の検査では、服毒自殺とされ謎の部分が残されている。
全編、ナチス党の党首としてすごした戦中のことが事細かに語られている。
いつ、どこにいき、誰に会い、何をしゃべり、どう行動したか。
ヒトラーの意外な面も明らかになるが、当時の社会情勢、ヨーロッパでいかにナチスドイツを周辺各国が脅威に感じていたかが良く分かる。
停戦交渉や降伏文書の調印式などの外交場面が当事者の目線で描かれる。
国境を接する国々を次々と併合していくナチス。
残されたのは、イギリスとロシア。
ヒトラーはイギリスを攻める前に、ロシアに討って出る。
しかし、ナポレオンも失敗したロシア遠征。
ナチス・ドイツもやはり、手痛い敗北を喫する。
スターリングラードでの敗北以後、敗戦へとナチスは転がっていく。
イギリスを先に攻めていれば、歴史が変わったかも・・。
(そんなことないか・・・・)
ヒトラー、その偏食ぶりにも驚かされる。
ベジタリアンだったが、チョコレートボンボンだけは山のように平らげていた。
晩年、その偏食が体に少なからず影響を及ぼしていたのでは、と言われている。
戦況が悪くなってきた戦争末期、ヒトラーは興奮剤を何本も担当医に注射させている。
それが、なければ人前で体勢を保てなかったほど、衰弱していたという。
(やっぱ、独裁者もいろいろ苦労があったのかな・・)
事実の羅列が膨大なだけに、読むのに一苦労。
しかーし、やっぱりこの資料をすごい。
独裁者の苛立ち、感情、息遣いまでもがわかる・・・・・と言えば大げさか・・。
ボリュームたっぷりで、読み応え十分な一冊でした。
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