投稿日:2006-06-29 Thu
安徳天皇。壇ノ浦の戦いにおいてわずか八歳という年で政争に巻き込まれ、祖母とともに入水を余儀なくされた悲劇の天皇。
しかし、この幼き天皇は実は、その後、助かり生きていたという伝説が各地に言い伝えられている。
それというのも、持っていたはずの三種の神器のうち海に沈んだ勾玉は引き上げられたが、宝剣は見つからなかったため、安徳天皇がその後もh宝剣をもって生きているのではないかと言われているらしい。
その伝説を利用しつつ、何とも独特の幻想の世界を紡ぎだした作品。
それが、今日紹介する「安徳天皇漂海記」です。
![]() | 安徳天皇漂海記 (2006/02) 宇月原 晴明 商品詳細を見る |
第一部は、鎌倉時代。
鎌倉幕府を築いた頼朝の息子、実朝が征夷大将軍の頃が舞台。
実朝の側近らしき人物が語り手として、昔を回顧する形で始まります。
史実をうまく絡ませながら、どこからが創作かわからないくらい、実朝の揺れ動く心情と周りの蠢く人物たちを描き出します。
すんなり、読めてしまうので歴史の勉強にもなるかも。
当時の実朝の心情を表す変わりに、実際に残されている短歌が多数引用されています。
実際、実朝は歌人としても評価されており、自分でも歌集を編んでいる。
また、作中、宋に渡ろうと思いつき、唐舟を建造させていますが、調べるとこれも事実。しかし、野望はかなわず進水する前に由比ケ浜で朽ち果てたという。
この人物に、安徳天皇がどう関わってくるか、それは、どうぞ読んでみてください、
まぁ、ほんと、幻想的で、魅力的。
しっかりと当時の時代を調べて書いてあるから、説得力もあるし。
第二部は、マルコ・ポーロとクビライ・カーンなど当時の日本の外側が舞台。
また、そこにも、安徳天皇が関わってきます。
この辺は、ちょっと、作っている感じがするが・・・・。
(二度の元寇を跳ね返した、神風のなぞも明らかになる?)
難しい言い回しや言葉もあり、もっと難儀するかと思いきや、楽しんで読みました。特に第一部はアッという間に読めるくらい面白かった。
とっつきにくそうなタイトル。なんか、めんどくさそうー。
まぁ、そう思わないで、たまにはこんな小説もいいもんだよ。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
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