投稿日:2009-11-08 Sun
ロバート・チャールズ・ウィルソン著 茂木 健訳「無限記憶」
星雲賞受賞の「時間封鎖」の続編です。
地球の周りに仮定体という謎の物体が登場し、地球以外の惑星の時間経過が異常なほど進んでしまったという物語。
つまり、何千年も時間が経過したということで地球以外にも文明が誕生ていた。
この本は、前作のその後を描いている。
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物語はアイザックという名の少年を中心に進む。
彼はなぞめいていて、特殊な能力を秘めている。
そして、彼が住んでいるのが、地球とつながった惑星のイクウェイトリア大陸の砂漠の外れ。
話が進むにつれて徐々に、その謎が明らかになっていく。
大きな運命を背負って少年は生まれてきた。
そして、失踪した父親を探している女、リーサ・アダムスと彼女を手伝うことになるパイロットのターク・フィンドリーの話が絡んでくる。
いったいこれはどうなっているのかという、人間が真実を知りたいと思う心。
真実探求には、手段を選ばない人。
それらの人と違う考えを持つ人。
両者の意見の対立で、いろいろな人が犠牲になるのだ。
どれだけ技術が進歩しても、人間としての争う心や愚かさといった部分は変わらないと教えられているようだ。
同時に、人間のなしえることの偉大さや危険さも教えられていると感じた。
SF特有の独自の単語が多数出てくる。
SFが苦手な人には大変かも知れない。実際、私も苦手だったし。
それでも、この壮大な物語は、十分に楽しめると思います。
喜怒哀楽では表現できない、何とも不可思議なこの感覚。
闇の中から何かが出てくるようなゾクゾクするような。
もし宇宙人がいるとして、人間には理解できる範疇を超えているかも知れない。
友人でも、敵でもなく、どんな関係とも言いがたいような関係を人間と作り上げるかも知れない。
冒険と追跡と、仮定体の謎を解明しようとする人々の物語に没頭しました。

無限記憶 (創元SF文庫)
- 翻訳:茂木 健
- 東京創元社
- 1302円
書評/SF&ファンタジー

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投稿日:2008-10-01 Wed
貴志祐介 著「新世界より」
多方面で結構評判の本です。
しかーし。厚くて、しかも上下2巻。 生半可な気持ちでは取り組めない大作でした。
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1000年後の未来と聞いてどんなことを想像するだろうか。
中にはそう聞いただけで、この本を遠ざける人もいるかもしれない。
しかし、ご安心を・・・。
いわゆる未来都市といったものはこの本には登場しない。
出てくるのは、今の日本人と左程かわらない、むしろ今より昔にちかいような生活を送っている人々。ただひとつ大きく違うのは、すべての人間が“呪力”という超能力のようなちからをみにつけているということ。
少女の語りで物語は始まるのだが、千年後の日本のどこかなぞめいて、神話めいているところにのめりこみ、どんどん引き込まれてしまった。
この千年のあいだに何が起き、なぜいまの日本(町)は、外の世界と境界を引いているのか、消えてゆく同級生はどこへ行ったのか、などがわかるところは、歴史を解明していくようなスリリングさあってすごくおもしろかった。
下巻になると、佳境にむかってどんどん話が加速する。
支配するものとされるもの。
階級とか、尊厳とか。
今の日本や世界の状況を重ね合わせたり、大東亜戦争を戦った日本を重ね合わせたり、いろいろと考えさせられる内容だった。
どんでん返しや、トリックのようなものはほとんどない。
作者は、ただ、まっすぐにこの千年後の世界を提出している
長い本を読み終えるときは、長旅を終えるときに似ている。
ゆっくりと後ろを振り返って、たどってきた道のりを眺めたくなるのだ。
長いからこそ味わい深く、長いからこそ読みどころがたくさんあった。
SFというよりも大河小説といった感じ。
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投稿日:2006-06-20 Tue
本読みの中でも、SFがダメという人が結構いる。その設定、難しい用語。どうも、のめり込めないというのがその理由。そう言う、私も、苦手でした。
しかーし、
オルタード・カーボン / リチャード モーガンを読んでSFのすごさに驚き、それ以来読むようにしています。
今日の本は、SFの古典的名作
「ソラリス」でごさいます。
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SFの良さは普段考えないようなことを考えられること。
飯が食いたい、眠りたい、アー・・やりたい。一日のほとんどはそんなことを考えているうちに過ぎていく。
人間はどこから来て、どこに行くのか。
宇宙からみた地球。過去と未来。
今まで使っていなかった脳細胞が動き出すのよ、これが・・。
「ソラリス」も、いろんなことを考えるよ。すっごいよー。
(*注意 内容に触れています)
「ソラリス」とは、惑星の名前。
この惑星を調査しに、心理学者のケルヴィンがやってくるが、どうも
様子がおかしい。
以前から来ていたはずの研究者が、到着を連絡していたにもかかわらず、ケルヴィンを出迎えに来ない。
ステーション内はものが散らばり、何かが起こったことを予感させる。
三人の研究者のうち、スナウトという研究者とケルヴィンは会う。
そこで、スナウトは、他の二人以外の誰かを見かけても・・・何もするなと不可解なことを話す。
もう一人の研究者、ギバリャンをさがしてステーシャン内を移動するケルヴィン。すると、目の前を黒人の女が通り過ぎる。
一体、何が起こったんだ。どうなっているんだと混乱するケルヴィン。
その夜、眠りにつくとケルヴィンの前に以前の恋人、ハリーが現れる。
ああ、夢を見ているんだと考えるケルヴィンだったが、それが夢ではないことに気づき、恐怖を覚える。
目の前に、実体としてハリーがいるのだ。さらに混乱するケルヴィン。
なぜなら、ハリーは自殺をしてもうこの世にはいないはずだからだ。
ハリーの姿を真似た怪物か、宇宙人か・・・。
ケルヴィンは自分の前に現れたハリーを疑い、小型ロケットに閉じ込め、宇宙に発射する。
次の日。目覚めると、そこには、ハリーの姿があった。
どうなっているんだ。
一体、何なんだ。これは・・・。
大雑把に冒頭のストーリーを書くとこんな感じなんですが、どうですか。読みたくなんない?
この星に来た人には誰にでも起こる、この不思議な現象。
どうも、脳に一番刻銘に刻まれた記憶を再生させるらしい。
この後、話はもっと深くなっていきます。
人間とは一体何なのか。愛とはどういうものか。
あとがきは、わかり易い解説となっているので、不明なところも理解できます。
既に読んだという人も、この本で読んでください。ポーランド語からのはじめての完訳(これまではロシア語からの翻訳・しかも削除された箇所が結構あった)で、著者の意図を忠実に再現するように心がけているということですから・・・。
いやー・・・。
名作のパワーに圧倒されました。
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