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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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リアル「後妻業」の女  小野 一光 著 「全告白 後妻業の女 『近畿連続青酸死事件』筧千佐子がかたったこと」
「全告白 後妻業の女 
『近畿連続青酸死事件』筧千佐子がかたったこと」


小野 一光 著


資産のある独り身の老人と結婚し、次々と毒殺して資産を手に入れたとされる、
リアル後妻業の女のノンフィクション。








映画化もされた小説で「後妻業」という言葉が話題になって間もなく、
付き合った男性や結婚した男性が次々と死んでいる女性がいると
メディアで取り上げられ、
やがて逮捕されて大きく報道されるようになる。

話題になった、リアル「後妻業の女」の事件をつづったノンフィクション。

フリーの記者である著者が、
週刊誌の依頼で、事件の中心人物の後妻業の女、
筧千佐子を取材し始める様子から描写される。

逮捕されて、裁判にかけられるのだが、
それはごく一部の事件(4人の殺人容疑)。

しかし、実際はもっと多くの人が千佐子の周りで不自然に死んでいる。
本書ではそれを11件としている。

ちなみに、「筧」という姓は最後となった結婚相手の筧勇夫さんの姓。
遺族からすると、いまだに筧という名前を名乗っていることが、
我慢ならないのではと想像してしまった。

千佐子の人生を振り返りつつ、これまで死んだ男性の疑惑を取材すると、
あからさまなその手口に唖然とする。
例えば、
結婚したら相手の男性に全財産を自分に相続するという
公正証書を書かせていたり、
死んだ男性の葬儀の席で、
親や兄弟に財産を自分が全部相続することになっていると宣言したり・・・。

遺族はそれぞれ男性の死を少なからず不振に思うのだが、
千佐子の犯行を証明することができず、
泣き寝入りするしかなかった。

千佐子はターゲットとする男性を、
結婚相談所で探している。
それも露骨で、資産があり、
できれば子供がいない独り身の老人を物色していたそう。

これだけ不自然な死が続いているのに、
ここまで被害が拡大したのは、
捜査当局とか今の捜査体制にも問題があると思う。

死んだ男性は青酸カリをサプリメントと偽って飲まされ、
殺されている。
逮捕のきっかけとなった最後の事件を除けば、
死因はほぼ病死の扱いをされ、
問題にされなかった。

以前から言われていることだが、
日本は検死の体制が十分でなく、
多くの殺人が見逃されているとされる。
実際この事件も何人もの人が病死とされて、
見逃されている。

遺族によっては不自然な死なので、
捜査を警察に要請したが、
受け付けてもらえなかったりしていた。

もし、もっと早い段階で、
毒殺の事実を突き止めていたら・・・、
と想像してしまう。

裁判でのやりとりでは
弁護方針から外れて積極的証言する様子や、
都合よく認知症で忘れたと証言する様子が描かれ、
著者との面会でのやりとりでは、
著者に「秋波」を送る様子が記されている。

とえも普通の精神状態ではないと思ってしまった。
普通ではないから、これだけ平然と犯行を重ねたのだろうが。

本書のタイトル「全告白・・・」
ちょっと期待しすぎたせいか、
物足りなさを感じた。

面会でもっと驚愕の事実が明かされると期待してしまった。
十分異常性は描かれていると思うが・・・。
面会の様子の分量も、
全体からすると少ないし不満が残る。

個人的には、
千佐子の人生をもっと振り返って、
掘り下げてほしいと思った。
生い立ちや家庭環境などもっと知りたかった。
この辺は好みなので、
ぜひ読んで確かめていただきたい。

読了後、あらためて
穏やかに笑っている千佐子の表紙の写真を見ると、
ますます人間の闇の深さを感じてしまった。












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テーマ:ノンフィクション - ジャンル:本・雑誌

ノンフィクション | 18:02:08 | Trackback(0) | Comments(0)
日本中を震撼させた、川崎中一殺害事件のノンフィクション。  石井光太 著 「43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層」
「43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層」
石井 光太 著


当時、日本中を震撼させた少年殺害事件のノンフィクション。
さまざまな角度から事件を見つめなおしていて、
著者の筆力が存分に発揮された力作。必読です。







不謹慎を承知で言わせてもらえれば、事件もののノンフィクションが大好物です。
今の日本の闇や暗部が、事件に如実に表れていると思うから。
新聞やテレビのセンセーショナルな報道だけでは見えない、
事件の裏側や犯人の人間像・家庭環境なんかがより深くわかる。

本書はウェブマガジンの連載中から時々読んでいて、
書籍化されるのを待っていました。
悲惨な事件を単純に正義感で描くのではなく、
冷静な視点で、さまざまな角度から事件を描いています。

事件は川崎の多摩川の川岸で、
全裸の中学1年の少年の遺体が発見されたことから端を発する。
後日、逮捕されたのは地元の10代後半の少年3人。
被害少年の体には、43か所の刃物で切り付けられた傷があったことから、
その凄惨さに一斉に報道され、日本中の話題となった。
そして、報道されると同時に、
事件現場となった多摩川には多くの人が、
被害少年の慰霊のため、
花や食べ物を供えに訪れ、
その様子も何度も報道され話題となった。

まずは被害少年の父親の視点での記述が続く。
母親には取材できなかったことが理由だが、
事件までの少年の人生がよく描かれている。

離婚して、息子とは別に離島に暮らしていた父親が、
警察の捜査に協力するために川崎に来るが、
捜査の進展を一切知らされず、
息子のために何もできない事件直後の様子は、
被害者の家族の気持ちが伝わってくる。

そして、加害者の少年の家庭環境もそれぞれ描かれる。
3人の内、2人の母親がフィリピン出身ということで、
それも当時いろいろと話題になったらしい。
殊更、その点を強調すべきではないが、
事実を伏せるのもよくないと思う。

加害者の少年たちに共通していたのは、
家や学校に居場所を見いだせず、非行を繰り返したこと。
ゲームやアニメに熱中し、同じような境遇の仲間と
遊ぶ金欲しさに賽銭泥棒や万引きをする。

特に一人の少年の母親は、
日本語が覚束ない程度で、
親子ではきちんとコミュニケーションができていなかったそうだ。
また、日本語ができないことから、
日本の社会とか教育とか制度を理解できないので、
息子の先生や学校とのやりとりもしていなかったようだ。

たくさんの花であふれた事件現場の多摩川で、
枯れた花を処分し、掃除するボランティアの人たちが現れる。
また、遠くからわざわざ花を供えにくる人たちも大勢いた。
かつていじめられていた人や子供がいじめにあっている人など、
この事件がきっかけとなってつながり始めて人々も描かれれる。

読み進むうちに事件の悲惨さに心が重くなる。
そして、被害少年を何とかして救う方法があったのではないかと考えてしまう。
父親が言うように、少年は運が悪かったのかもしれない。
今の日本の社会のひずみやシワ寄せが少年の命を奪ったのかもしれない。

主犯の少年は、たびたび非行を犯していて、
警察につかまっている。
それでも、少年院や施設には入れられず、
社会での更生が許されている。
もし、しっかり施設で更生させていれば、
被害少年は生きていたかもしれない。

裁判を通じて、
行政の失敗や怠慢が
事件の原因の一つであるとまったく触れられなかったことを
著者は強調する。

もし、外国人の親を持つ子供やその家庭に、
行政の救いの手が差し出されていれば、
加害者の少年の運命は違っていたかもしれない。

日本語が覚束ない母親は、事件後、
アメリカ人の恋人とアメリカに渡ったそうだ。

現在の川崎はどうかわからないが、
当時の川崎という町は、
学校や家に居場所がない少年たちには、
非行に走りやすい環境だったのかもしれない。
主犯格の少年は、酒に酔うと狂暴になるようで、
犯行時も酒に酔っている。
コンビニで普通に酒が買え、
居酒屋では少年グループで何度も飲酒している。

被害少年や加害少年に、
もう少し違う居場所があれば・・・。
違う道を示してくれる人がいれば・・・。
事件は起きなかったかもしれない。

そう思わずにはいられなかった。

事件後、川崎は日本はどう変わったのか。
まったく変わってないのか。

今の日本を生きるうえで、必読の一冊だと思う。







テーマ:ノンフィクション - ジャンル:本・雑誌

ノンフィクション | 13:39:47 | Trackback(0) | Comments(0)
人類の歴史をサクっと振り返る 「図解でわかる ホモ・サピエンスの秘密」
「図解でわかる ホモ・サピエンスの秘密」



人類誕生から現代までをサクっとおさらい。
こうして振り返ると人類の歴史に違った感想が沸き起こる。








古代の人類誕生から現代の人間社会まで、
サクっと振り返って、現代の人間が抱える問題について考えている。

まず「図解でわかる」とあるが、
文章が平易でわかりやすかった。
冒頭の人類の誕生からとても面白くて、
どんどん読めて、時間が経つのを忘れて読みふけってしまった。

個人的に興味深かったのはやはり人類の誕生から進化のところ。
ある程度は知っているとは思ったが、
改めて人類の進化を知るとへぇーと感心してしまった。

人類の祖先のホモ・サピエンス。
そして同時代を生きたネアンデルタール人。
ネアンデルタール人は絶滅してしまうのだが、
その原因が脳の構造にあったのではないかというのは、
まったくの初耳で驚いた。
生き残るホモ・サピエンスとネアンデルタール人の脳の構造が、
まったく違っていたというのはとても興味深い。

また、農業の発達の理由を一つの仮説で解説しているのも興味深かった。
それは、宗教の発達が深くかかわったのではなかったかというもの。

それから、アンコールワットの文明が滅亡したのは、
蚊が媒介した伝染病が蔓延したのが原因だったのではないかとか、
最新の研究を紹介しているのも興味深い。

近代・現代のところは真新しいことはあまりなかったが、
通して読んでみると、やっぱり面白い。

特に今や世界の先進国が集中しているヨーロッパが、
以前は文化や経済では中心から遠く離れた僻地だったという事実。
それもわかりやすい図で解説している。

ここまで文明が発達した人類。
でも日本では幸福を感じる人は少ない。
それは西洋式の生活様式を取り入れて、
本来の日本人らしい生き方を捨てたからではないか。
たどりついた一つの結論に納得してしまった。










 



 
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ノンフィクション | 21:34:06 | Trackback(0) | Comments(0)
納豆からアジアを見ると・・・。   「謎のアジア納豆」 高野秀行 著
「謎のアジア納豆 そして帰ってきた日本納豆」
高野秀行 著


納豆は日本独自のものという固定概念を打ち砕く、
知的興奮に満ちたアジア納豆をめぐる旅。





著者は東南アジアに関する著書を多く執筆しているノンフィクション作家。
東南アジアでまさしく日本の納豆と同じものが出てきて、
アジア納豆の存在をしり、アジアの納豆を探る旅にでる。

まぁ、でも納豆だから大体話としては想像できる・・・。
そんなナメた考えで読み始めたらなかなか面白かった。
著者の文章もいい。
軽い語り口で人柄がでているようで読んでいて疲れない。

納豆が食べられているのは、主に、アジアの山の奥深くに住んでいる民族。
それは単に偶然ではなく、歴史や風土と密接に関係している様子を
著者は描き出す。
そして、納豆民族の多くは同じ国の多民族から迫害や差別を受けていることも多い。

納豆という切り口でアジアをみるとまったく違ったように国々の姿が見える。
幸福の国といわれるブータンで10万人も難民がいたとは、
まったくの初耳。

ネパールではインドよりはっきりとカースト制度があって、
名前でカーストが分かれているとか、
次々と知らないことばかりで興味深かった。

それから納豆の食べ方の日本との違いも面白い。
糸をひかないものがおおく、
スープや炒め物につかうことが多い。
日本のようにごはんにそのままかけて食べるもの、
糸のひきがつよいものは珍しかった。
でも、日本の納豆も調べると実はそうではないのがわかる。

日本の納豆の発祥や歴史についても探っていて、
それも面白い。
秋田出身の人間としては納豆汁を普通に食べていたので、
逆に一般的ではないんだと改めて驚いた。

訪ねる国や地域でさまざまな人々と交流し、
話を聞き出す著者の姿に好感が持てるし、うらやましい。
こういう人柄の人には、自然と人が集まるんだろう・・・・。

最後、縄文まで日本人の食をさかのぼっていく感じは
知的好奇心を刺激されずにいられない。

ああ、今、主流の小粒納豆ではなく、
ひきわりや大粒の納豆を久しぶりに食べたくなった。

とりあえず腹いっぱい納豆がたべたい。









 






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ノンフィクション | 10:52:17 | Trackback(0) | Comments(0)
老人介護施設を自前で建てようと奮闘する人たちの勇気をもらえるノンフィクション。  鹿子裕文 著 「へろへろ  雑誌『ヨレヨレ』と『宅老所よりあい』の人々」  
「へろへろ  雑誌『ヨレヨレ』と『宅老所よりあい』の人々」  
鹿子 裕文 著


おしっこまみれ、ごみまみれのお年寄りのための居場所を作ろうと奮起した女性と、
その企みに巻き込まれた人々の勇気の出るノンフィクション。








宅老所 よりあい」は福岡にある老人介護施設。
当初はデイサービスとしてスタートするがやがて、
本格的な介護施設へ変わって行く。

本当の介護ができる施設、
老人たちが気兼ねなくすごせる場所をつくろうと奮闘した人たちの物語がこの本だ。

著者は、フリーの編集者で「よりあい」の代表の一人、村瀬孝生さんの本の出版のため、
出版社から依頼を受け、「よりあい」に足しげく通うようになる。
そして、それがきっかけでもう一人の代表である下村恵美子さんと親しくなり、
「よりあい」の世話人のひとりとして様々な活動の手伝うことになる。


「よりあい」の発端は下村さんが大場ノブヲさんという
明治生まれの老婦人の話を聞いたことからだった。
大場さんは夫をなくしてから一人暮らしで、
何から何まで自分でやって来たのだが、ぼけてからは、
風呂に入らなくなり、下は垂れ流し状態で、体は異臭を放つようになっていた。
下村さんがその部屋を訪ねるとおしっこまみれ、ごみまみれ。
本人は「誰だ! 何しに来た!」と威勢はいいのだが、
部屋中ものすごいにおいで、どこか施設に入れてもらえないかと
知り合いの介護関係者に連絡するも、
そんな老婆を預かると他の利用者に迷惑だと言われ、
簡単に断られてしまう。

「けっ! ばあさま一人の面倒もみきらんで、なんが福祉か! 
がんが介護か! なんが専門職か! 馬鹿にしくさって!」


怒った下村さんは、それならば、自分たちで大場さんの居場所を作ろう
とデイサービスを始める。
義憤にかられた下村さんの姿に感動せずにはいられなかった。

ところどころに挿入される下村さんのエピソードがホッとさせるし、
面白かった。
谷川俊太郎さんとのイベントでのやりとりとか最高。

下村さんの強烈なキャラクターが親しみやすくて、
過酷な介護の話でも軽く読める。


当初は借家や間借りで運営していたが、
様々な事情で自前の建物が必要と考え、
方々にあたり、頭をさげ、協力をお願いして資金を調達する。
土地を購入し、補助金を申請し、
建築にようやくこぎつけることができる。

困難の末、2015年4月、自分たちの居場所である建物が完成し、
開所することとなる。

常に赤字続きの「よりあい」は資金調達のため介護以外の活動も多い。
ジャムを手作りして売っていたり、Tシャツ、トートバッグも売っている。
近くでイベントがあれば焼きそばの屋台を出したり、
募金箱を商店街や公民館なんかに置かせてもらったり。

そして著者が責任者を務める雑誌「ヨレヨレ」も資金調達の一環でスタートする。
(介護現場の現実を伝える「ヨレヨレ」は好評だそうだ)


キレイごとではすまない介護の現場と日常を描いているが、
著者の語りが軽いので楽しく読んだ。
それでも、介護の過酷な労働環境で人手不足が解消されない状況はひしひしと伝わってくる。

人間を相手にしているのだから、
数字や効率を優先しているように感じる今の介護の状況も伝わってくる。


現実として「よりあい」から離れて行く人たちのところも興味深い。
「よりあい」に共感し、世話人になって熱く介護を語っていた人が、
資金調達の地道な活動に参加せず、やがて来なくなる人たち。

登場人物がどの人もゆるい感じで魅力的だった。
著者の描き方もいいのだろうが。

この本全体を包んでいる何とも言えないやさしさ。

過酷な介護現場を笑い飛ばして、
毎日生きていこうとする下村さんの姿に、
少なからず勇気をもらった。







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ノンフィクション | 14:53:17 | Trackback(0) | Comments(0)
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