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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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戦中・戦後のロンドンでの物語り  サラ・ウォーターズ著 「夜愁」
サラ・ウォーターズ著 夜愁

2008年版「このミステリーがすごい」、海外部門で18位にランクイン。

過去の2作品から比べるとランクダウンしている。それだけ、ミステリー色がなくったという証だと思う。だがしかし、面白くないかというとそうでもなかった。





夜愁 上 (1) (創元推理文庫 M ウ 14-4)夜愁 上 (1) (創元推理文庫 M ウ 14-4)
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夜愁 (下)夜愁 (下)
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まだ読んでいない人には、ぜひおススメしますが、過去2作、「半身」や「荊の城」とはまったく違っていました。

著者の魅力は決して失われていないんですが、ミステリーの要素が少なくなっていた。
まぁ、平たくいうと純文学っぽい感じ。
だけども、物語を堪能しました。

前作までの、読者を驚かせるサプライズはないものの、人間の濃密な関係や、繊細な感情のゆれなんかはすばらしかったです。

物語は、第二次世界大戦中から、戦後にかけての話なのだが、時間をさかのぼって描いていく。
しかも、登場人物それぞれの物語をさかのぼるのだ。

ケイ
ジュリア
ヘレン
ヴィヴィアン
ダンカン
レジー
フレイザー

誰と誰がどう出会い、何をして、どう感じたのか・・・。

丁寧に描いています。そして、どことなく謎めいていて先へ先へと誘いこまれます。
著者はレズビアンを好んで描くが、この作品にも描いている。しかも、もっと濃密な人間関係として・・・・。

戦争中という特別な時代を通り過ぎて、平和の時代へと進むそれぞれの人生。

最初、人間関係がわかりづらくて、いつもそうするように簡単な人物表を作って読みました。
そのうちなれるんですが・・・。

著者の文章はなんとも味わい深くて、読んでいるうちにいろいろと思索に耽ってしまってなんども同じところを読むことが多々ありました。
表現もいいし、文章も、なんと言うか気品があって、抑え気味でほんとにホレボレする。

読みどころはたくさんあるけど、やはり恋する人間の視線や感情の描写がすばらしくてゾクゾクしました。
ちょっと、引用します。

ヘレンがジュリアの鎖骨に向かって手を触れないように、空中に置く場面。
ジュリアに何をしているのと気だれたヘレンがこうこたえる。

「あなたを感じてるの」
「あなたの体温が立ちのぼるのを感じる。あなたの生命を感じる。あなたの肌色のどこが薄くて、どこが濃いのかを感じる。どこがまっさらで、どこにそばかすがあるのかを感じる」

このほかにもある、恋人同士の場面はどれもよかった。

ヘレンとジュリアとケイの女の恋愛。

ヴィヴィアンとレジーの不倫。

かつて監獄に入っていたダンカンとフレイザー。


それぞれのドラマが戦後の空気や戦中の空爆とともに描かれて、とても印象的でした。


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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

翻訳本 | 00:36:02 | Trackback(0) | Comments(0)
いきなり兄弟があらわれて、生活メチャクチャ  ニール・ゲイマン著 「アナンシの血脈」
ニール・ゲイマン著 金原瑞人訳 「アナンシの血脈

今となってはなぜこの本を手に取ったのか、覚えてないんです。
本当に・・・。単純に表紙に惹かれたのかも・・・・。

とりあえず、上巻を読み終えました。
なんとも不思議な感覚です。
でも決して、悪いものじゃないんです。


アナンシの血脈〈上〉アナンシの血脈〈上〉
(2006/12)
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著者のニール・ゲイマンは注目の人物で、作家として活躍しているだけでなく、漫画や映画の原作、脚本なども手がけている人です。

著作は数々の賞を受けていて、今年公開された映画「スターダスト」の脚本も担当しています。
作風は、なんとなくだけどSFチックなんだと思う。受けた賞がSF関連の賞だし、この作品の内容もそんな感じだった。

物語は、結婚を間近に控えたファット・チャーリーが婚約者のロージーの進めで、結婚式への出席を実の父親に頼もうと実家のアメリカに連絡することから、大きく展開していく。
チャーリーの父親は、飲んだくれでまともには働かずそんな父がいやで、チャーリーは故郷からはなれて今はイギリスに住んでいる。

せっかく、嫌いな父から遠く離れて自分の人生から追い出せそうだったのに・・・。

結局、知り合いのおばさんのミセス・ヒグラーに連絡するとなんとなんと父が死んだことを知らされ、あわててアメリカに戻り、葬儀に参加する。
葬儀後に、さらにチャーリーがおどろく事実がわかる。
父親はアナンシと呼ばれた蜘蛛の神だということと、チャーリーにはスパイダーというきょうだいがいるということ。

まともには取り合えないような話で不思議な心もちのままでイギリスに戻ると、そのきょうだいがあらわれる。
どうもこのきょうだいも神らしく不思議な能力をもっていて、ちゃっかりとチャーリーの婚約者を寝取ってしまうんだ。
しかも勝手に会社にチャーリーになりすまして出勤するし・・・。
でも、神だから回りの人間もまったく疑うことなくチャーリーとして接する。

生活をメチャクチャにされたチャーリーは、スパイダーを追い払おうと再び、故郷おミセス・ヒグラーをたずねる。

あらすじだと、あんとも味気ない感じなんですが、これが読むとなかなか面白かったです。
外国文学特有のひねった文章表現に抵抗がある人もいるかもしれないが、それほど気になりませんでした。

現実の世界とちょっと不可思議な超自然的な要素。それから、ちょっとゆるいコメディータッチの雰囲気。よかったですよ。

でも、どうも神話的な話や空想なんかが挿入されていて、それが、ちょっと苦痛に感じた。
神とか蜘蛛とか、下巻でどういう風につながっていくか楽しみではあるのだが、いまひとつしっくりときませんでした。

いきなりでてくる、きょうだいのスパイダーがいったい何を狙っているのか、目的がわからないところがなんとも不気味。しかし、本人は決して悪いにんげんではなさそう。

それから、一番の魅力はチャーリーの情けなくて、頼りなくて、ちょっと間抜けなキャラクター。
婚約者を寝取られて逆上するんだけど、なんか、あんまり強くなさそうだし。
いつも誰かの言いなりになっている様子が目に浮かびましたよ。

チャーリーが本来の自分の生活、そして婚約者を取り戻せるのか。
そして、スパイダーはどうなるのか。
気になりますねぇ。

下巻もこのまま突入したいと思います。


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翻訳本 | 00:31:02 | Trackback(1) | Comments(0)
双生児と戦争  クリストファー・プリースト著 「双生児」
クリストファー・プリースト

双生児


双生児 双生児
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かなり評判になっている、一種のSF小説。
いやー、かなり噛みごたえのある小説でした。

タイトルとおり、双子の人生を描いているんだけど、時代を行きつ戻りつしながら、いろいろな手記や資料なんかも織り込み、物語を構成している。

複雑に折り重なった物語が、どういう風に進んでいくのか興味をひきつけられながら読み進みました。

双子の人生と、第二次大戦、そしてナチスの幹部のルドルフ・ヘス。

ひとつの時代を双子の双方から描いたり、ちょっと現実と違っていたり、読者を惑わせるように物語は進んでいく。


正直、この小説をちゃんと読解できたかいまひとつピンとこないのだが、ただ物語の興味は失われなかった。

文章がいいし、読みどころがたくさん用意されている。

ナチスにほとんど知識がなかったが、ルドルフ・ヘスなる人物がロンドンに休戦交渉のために行ったってことも知らなかったし・・・。

これをきっかけとして、ルドルフ・ヘスをちょっと興味をもって調べるとなかなか面白かった。
戦後のニュルンベルク裁判では、精神的に錯乱していたとされる。

戦時中の混乱と双子という不思議な存在。
それらが、本全体から不思議な雰囲気を醸し出して、ひきつけられてやまないのだ。

読み終えた後は、ぐっと自分の心にたまった想いをじっくりと整理したくなる。

なかなか印象に残る小説だった。



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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

翻訳本 | 00:26:39 | Trackback(4) | Comments(4)
“このミス”一位の短編集 ジェフリー・ディーヴァー著 「クリスマス・プレゼント」
ジェフリー・ディーヴァー著

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やっぱ、さすが、“このミス”一位。
期待を裏切らないよ、ジェフリー・ディーヴァー。

16作品が収録されている短編集。

結構の数だけど、ぜんぜんあきさせないよ。
すぐに読者を物語の世界へと誘いこむ著者の技にホレボレするよ。

ホラーあり、ミステリーあり、ほっとするような話ありで一篇一篇魅力にあふれている。

リンカーン・ライムものの短篇まで収録されていてファンにはたまらないものがありますね。

まだ、ジェフリー・ディーヴァーを読んだことのないひとにもおススメ。
時間を忘れて読みふけるよ、ホント。

どれも珠玉の作品なんだけど、ひとつを選ぶとすれば「ノクターン」がいいかな。
悪意や企みをもつ登場人物が一人もでてこないし、なんか、ちょっとほっとしてあったかくなるような話だった。

名器のヴァイオリンの盗難の話だけど、やさしくなれるような、希望をもてるような話で、異彩を放っていたな。

著者の才能を読者を魅了するサービス精神に脱帽の一冊ですな。

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テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

翻訳本 | 16:53:16 | Trackback(5) | Comments(2)
村上版の“長いお別れ” レイモンド・チャンドラー著 「ロング・グッドバイ」
グレート・ギャツビー

今日の本と同じく村上さんが翻訳しなおした名作。
このギャツビーがものすごく素晴らしかったんで、こっちもぜひとも読もうと思って、期待しながらページを開きました。

レイモンド・チャンドラー著
村上春樹訳

ロング・グッドバイ

の感想です。

ロング・グッドバイ ロング・グッドバイ
レイモンド・チャンドラー (2007/03/08)
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言わずとしれた、ハードボイルド小説の名作。

ニヒルな探偵、フィリップ・マーロウが金や名誉のためでなく、衝動みたいなものから謎を追う。

偶然知り合った、逆玉の男、テリー・レノックス。
飲み仲間になったテリーがある日、助けを求めてきて、マーロウは理由も聞かず、メキシコ行きを手助けする。

テリーが消えた後、テリーの女房、億万長者の娘のシルヴィア・レノックスが死体で発見される。

疑いの目は当然、テリーに向けられるが、マーロウはテリーが人を殺すようにはどうしても考えられなかった。
犯人逃亡を手助けしたということで、投獄されるマーロウだったが、その後、釈放される。

事件が風化仕掛けた頃、マーロウのもとに新たな依頼人が訪れて、意外な形で事件へと巻き込まれていく。

ストーリーとしては、こんな感じ。
正直にいうと、話はあまり面白くありません。

しかーし、文章が途轍もなく素晴らしいです。
この物語、フィリップ・マーロウの心のうちを表現しているような印象。

冷静で、辛辣で、皮肉に満ちている。
マーロウが口を開くと、誰もがカチンとくるようなことをいい、相手の発言の揚げ足を取るように突っかかっていく。

殴られても、ののしられても、表情を変えないこの探偵。
探偵自身のことは語られていないが、行動と発言がなによりこの男の考えを表現していた。

この無頼。

このクールな生き方。

こんなハードボイルドな生き方に、男ならだれでもあこがれるよ。
誰の脅しも、指図も受けない。
自分の心の赴くまま、行動する。
そして、その行動が金に関わっていないからまたいいんだよね。
打算じゃないんだよ。
儲かるどころか、損してるよ。

結構、貧乏してそうだもん、マーロウ。
でも、それがハードボイルド。

巻末に村上さんの、詳しすぎるほどの解説が載っている。
もう、他に語ることがないほどにレイモンド・チャンドラーと「ロング・グッドバイ」について語られている。

読み終わって、この小説の素晴らしさについて、ゆっくり余韻に浸り、なんというか心に残った形にならないいい意味のもやもやをすべて村上さんが言葉にしてくれている。
だから、ちょっと読後感をたのしんでから解説を読めばよかったとちょっと後悔しました。

でも、この詳しい解説だけでもこの小説を読む価値あるね。
村上さんの小説感や、小説の味わい方もちょっとわかるし。

無頼の男の生き方にしびれる一冊です。

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翻訳本 | 18:08:50 | Trackback(1) | Comments(4)
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