投稿日:2007-11-29 Thu
與語 靖啓著 「写真集 花輪線 時季の記憶」花輪線。
派手な名前に似合わず、たたずまいは何とも素朴。
花輪線の走っている地域はまったくの地元です。(なんせ出身の高校が花輪っていう名前ですから・・・)
東京に出てきてもう18年。
たまには、実家に帰るんですが、この本を見つけたときはあまりにも懐かしくてすぐに買ってしまいました。
![]() | 写真集 花輪線―時季の記憶 (2007/01) 與語 靖啓 商品詳細を見る |
故郷は、遠くにありて、思ふもの。
離れてくらして初めて自分の暮らしていた地域が心から愛おしく感じられます。
争うように高い建物と大規模な開発がされて、めまぐるしく変わる都会。
田舎に帰ると、やっぱり自分はこの土地の人間だとしみじみと感じてしまいます。
時の流れと空気の密度なんかがピッタリとくるんですよ。
ただ単に変わらないものへの郷愁といわれればそれまでなんですが・・・。
このローカル線とその沿線の暮らしは日本そのものじゃないのかなぁ。
何もこの花輪線に限ったことではなくて、日本全国で自然とともに生き、作物を育てて収穫する。狭い土地で、互いに助けあいながら生活する。
つつましく、ささやかでありながら豊かな暮らしがあるように思ってしまう。
大分、都会生活で心が荒んできているからそう思えるのか・・。
パラパラとこの写真集をめくり、恥ずかしながら涙が出てきました。
春の陽気の中を、夏の強い日差しの中を、収穫作業におわれる秋の人々の横を、横殴りの吹雪の中を・・・。
花輪線は黙々と走り続けます。
豊かな四季の自然と、人間が作りだしたこの鉄道という機械がなぜこんなに絵になるのでしょうか。
故郷や花輪線に対する著者の愛情もかさなって、本全体からやさしい雰囲気が漂っていました。
オールカラーの写真集だというのに、2千円もしないんです。
何とも良心的。
版元の無明舎出版は、秋田で地元や東北関係の本を地道に出版している出版社です。
もちろん会社ですから、利益を考えなきゃいけないんでしょうけど、地元に根ざしたその活動は頭が下がります。
これからも、ますます東北の文化を後世に伝えてください。
ささくれた心を、静かに癒してくれる一冊でした。
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