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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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直木賞受賞作の台湾の外省人一家の物語。  東山彰良 著 「流」
「流」
東山彰良 著


台湾・外省人一家の物語。
直木賞受賞作品。




直木賞受賞作。
著者の作品は初です。

台湾出身の著者の半自伝的な内容なのかと、
想像しながら読みました。
冒頭、いきなり脱糞のシーンからはじまり、
度肝を抜かれました。

文章は読みやすく、好感が持てました。

戦後の内戦に敗れ、
蒋介石とともに大陸から台湾にやってきた国民党の人々。
それらの人を台湾では外省人と呼ぶらしい。
それに対し、もともと台湾にいた人を内省人と呼ぶ。

語り手は、外省人として台湾にやってきた外省人を祖父にもつ秋生。
秋生の成長と時代とともに変化する台湾の様子を描きながら、
一家の運命とルーツの謎を描いている。


秋生の青春時代は日本の不良を見ているようで、
親しみがわく。
ところどころ台湾の発展の様子や日本の流行の影響なんかもえがかれ、
時代とともに変わりゆく台湾の様子も興味ふかい。


外省人の人たちの大陸や国に対する考えが
とても興味深かった。
今はもうそんな人は少ないかもしれないが、
外省人はいつか中国にもどって主流になると思っていたそうだ。
自分たちこそが中国人だと思っていたのだろう。

何をするにも豪快で強引な外省人の秋生の祖父。
そんな外省人はもともと台湾にいた内省人にとっては、
モラルにかける野蛮な人間に見えたことだろう。
本書には内省人の視点からの記述はないが・・・。

本書の前に「この手紙とどけ」を読んだ。
まったく立場の違う台湾の物語を読んで、
台湾をより立体的に理解できたように思う。

祖父の死が物語の核となっているが、
ラストはやや強引にまとめた感じがしてしまった。








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小説 | 12:16:35 | Trackback(0) | Comments(0)
2001年のネパールが舞台のミステリー。  米澤穂信 著 「王とサーカス」
「王とサーカス」
米澤穂信 著

2016年版このミス国内編1位の作品。
各方面で評判になった、
王族殺害事件が起きた2001年のネパールが舞台のミステリー。





著者の作品は「満願」「折れた竜骨」「リカーシブル」等を読んでいる。

それまでの印象は、あまり好みの小説ではないというものだったが、
ランキングで一位ということと、
王様のブランチでも絶賛されていたので読んでみました。


語り手は太刀洗万智という元新聞記者。
今はフリーのライターとして雑誌などで記事を書いている。
物語は太刀洗が取材で訪れたネパールで遭遇する、
王族殺害事件と、その取材で知り合った軍人の殺人事件を中心に語られる。

ネパールが舞台で、しかも王族殺害事件が起きた2001年の物語ということで、
期待度はこれまで以上に膨らんだ。

結論からいうと、
過去の著者の作品と同じ印象で、
好みの作品ではなかった。



ここからは批判的な内容です。
(ファンの人すいません)


冒頭から前半を通して続く、
細かな描写が好きじゃない。
もちろん、後半の謎解きにつながる伏線を潜ませていたりするので、
必要だというのはわかるのだが・・・。



大きな事件が起きた2001年のネパールが舞台ということだったが、
想像していた内容とは大きくかけ離れていた。
なんというかある程度壮大な物語を想像していたが、
まったくスケール感を感じなかった。
王族殺害事件は物語の本筋とはまったく関係がなく、
太刀洗が事件を取材する様子もほぼ緊迫感がなかった。
めくるめくような陰謀に巻き込まれるのかと勝手に想像していた。


ネパールで泊まっている宿の近くをウロウロするばかりで、
終わってみると、安っぽい殺人の真相をつきとめただけだった。

ミステリーや本格推理のファンならうなるような出来なのかもしれないが、
そうでない読者ならそれほど高評価はしないのではないか。

よく出来ているとは思うのだが、
パズルのピースをすべてぴったりはめようと
物語を組み立てているので、
まとめすぎな感じするし、やっぱり全体的に陳腐に感じる。

語り手を含めて登場人物もあまり描けていないように思う。
それぞれの人生の葛藤や苦悩がまったく感じられなかった。
(まったくというのは言い過ぎかも)


物事は何事も好みなので、
興味を持った方はぜひ読んでください。
この作品を気に入るかもしれません。






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小説 | 13:47:34 | Trackback(0) | Comments(0)
生き別れて帰国した兄は、別人なのではないか・・・。   下村敦史 著 「闇に香る嘘」
「闇に香る嘘」
下村敦史 著

江戸川乱歩賞を受賞した作品。
盲目の男が、中国残留孤児として帰国した兄が、
成りすましではないかと疑い、真相を探る物語。


闇に香る嘘闇に香る嘘
(2014/08/06)
下村 敦史

商品詳細を見る



メディアで取り上げられていて、
評判の一冊。

紹介されているあらすじを読んで、
面白そうだと思っていたが、
実際は想像以下だった。

江戸川乱歩賞の受賞作で、
巻末には審査員の有名作家の総評が載っている。
どの人もこの作品を評価しているので、
多くの人は面白いと感じるのだろうが、
個人的には最後まで楽しめなかった。

盲目の男の一人称で語られる物語で、
結構、書き手には挑戦的な内容。
盲目の人の苦労や心情などがよくわかるとは思うのだが、
読んでいる方としてはもどかしさが募るばかりで、
それが面白さにつながらずに作者の意図ばかり感じてしまった。

満州からの引き揚げ時に、
生き別れた兄がその後、
中国残留孤児として日本に帰国。
今は母と実家の岩手で暮らしている。

帰国後、盲目になった主人公の村上和久。
兄の竜彦に、孫の腎臓移植のドナーになってくれないかと頼むと、
検査さえも頑なに断られる。
そのことから、兄は実は、本当の兄ではなく、
兄に成りすましている別人なのではないかと疑い始める。

満州での兄のことを調べようと、
満州に住んでいた他の引き揚げ者に会って、
当時の話を聞いて回る。

その間に和久自身の人生が語られ、
盲目になって後、離婚したことなどが語られる。
そして、兄について調べ始めると和久のまわりで、
不審なことが起こり始める・・・・。


兄が残留孤児として帰国してから、
20年以上たっている。
腎臓移植を断られたことだけで果たして、
別人だと疑うだろうか。
(血縁関係か否かが検査でわかるからというのだが)
20年の間に、何度か不信感を抱くのではないか・・・、
とちょっと違和感を覚えた。

また、兄に疑惑を抱いてからも、
和久は悠長に構えている感じがした。
本当に疑惑を抱いたなら、いてもたってもいられないように思うのだが。

いろいろな人に話を聞きにいくとところは、
本当に余計な感じがした。
そんなことをせずに直接本人を問い詰めればいいものを。
あるいは、母親を。

この物語を盲目の人間に訪れる数奇な運命ととらえるか、
盲目の設定が話を無理なくするために作家が決めた意図ととらえるか。

後々自分の出生の秘密が明らかになるのだが、
それがわかったとしても、
折り返し地点を過ぎた人生で、
それほど驚き、心揺さぶられるものだろうか、と疑問に思った。

何か消化不良を感じつつ、話が終わってしまった印象があった。
展開が遅く、惹きこまれるところはほとんどなかった。

岩手の場面では、地元の人が方言なのに対して、
兄も母もほぼ標準語というのも違和感を感じた。
(些細なことですが東北出身なもので・・・)

孫が誘拐されて、
いよいよ緊迫感が増していくと思いきや、
簡単に娘が孫を取り返しくるのには驚いた。
犯人がいるところに乗り込んで行っているのに・・・。
肩すかしをくらった感じ。

満州の時代を回想する場面。
満州で日本人に土地を取り上げられた現地の女(中国人の女との記述)が、
この土地は中国人の土地だ・・・というのも
違和感があった。
当時の大陸でどの程度の人が中国人と自覚していたのだろうか。
日本人が満州に入植した当時は中国という国は、
はっきりと存在していないと思うし、
満州を支配していないのではないかと思う。

日本(関東軍)=悪
中国=善

という構図が全編を通して感じられた。
もちろん何から何まで日本が正しかったというつもりは毛頭ないが、
著者の持つ歴史感と違う立場の歴史書も読むと、
もう少しバランスのとれたものになったのではないかと感じた。

大きなテーマとして、
中国残留孤児の問題を再度日本人に認識させる・・・、
というような著者の正義感や使命感が全体ににじみ出ている。

たしかに、今、帰国した残留孤児の人がどう暮らしているのかを、
多くの日本人は知らない。
しかしながら、そのメッセージ、意図が強すぎて、
エンターテイメントの楽しみを半減させているように思う。

数え歌が出てきたり、
点字の俳句が出てきたり、
小細工と言えば失礼だが、
読者を飽きさせないような工夫があるし、
中国残留孤児や盲目の人の生活など、
きっちり調べたんだろうなと想像できるので、
労作だと思う。

ただ、読み進むのにこちらも結構労力を必要とした。

他の書評では高評価が多いので、
興味を持ったかたは読んでみて損はないと思います。



闇に香る嘘闇に香る嘘
(2014/08/06)
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小説 | 15:23:23 | Trackback(0) | Comments(0)
「このミス」2015、NO.1の短編集。 米沢穂信 著 「満願」
「満 願」
米澤穂信 著

2015年版「このミステリーがすごい」の第1位の作品。
多くの人が支持した作品・・・ということで、
まったく、予備知識なく読み始めました。


満願満願
(2014/03/20)
米澤 穂信

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2015年版「このミス」のナンバー1に輝いた短編集。
毎年、このミスの1位は必ず読むようにしている。
昨年はトップ10に入った著者の「リカーシブル」を読んだ。
「折れた竜骨」を合わせて、著者の作品は3作品目の読書。

まったくの予備知識なく読んだので、
短編集というのに少し驚き、
ミステリーというより、
サスペンスやホラー色が強い作品が多いのが予想外だった。

表題作を含む6篇が収録されている。
ハラハラ、ドキドキするような作品ばかり。
個人的にはあまりホラーやサスペンスはあまり好きではないが、
一番支持されているだけあって、最後までなかなか読ませる。


個人的に一番面白かったのは、
5番目の「関守」。

なんでも請け負うライターが、
都市伝説の取材のために、山奥の峠に向かう。
途中、休憩のために立ち寄った寂れたドライブインで、
年老いた女主人に、交通事故多発の都市伝説について聞くうちに、
意外な展開が待ち受けるというもの。

ラストも結構はっきりしていて、
じわじわと迫りくる感じも結構こわった。
途中からなんとなく真相がわかり始めて、
はっきりわかったころには、
もうあともどりできない。
(ネタバレになるのではっきり書けないのが残念)

逆に一番詰まらなかったのは、
4番目の「万灯」

東南アジアで天然ガスなんかのエネルギー開発を手掛ける商社マン。
未開の土地のエネルギーを開発しようと、
地元の有力首長と交渉するが、
思わぬ方向に話が展開していく。

海外での商社マンの生活をリアルな感じで描いているのだが、
前置きが長くて、結末もだいたい予想通りのものだった。
海外と日本と、舞台を両方においているためか、
なんか間伸びして感じてしまった。

いずれにしても今年(去年)、一番注目の娯楽作。
読んで損はないと思います。



満願満願
(2014/03/20)
米澤 穂信

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小説 | 14:15:00 | Trackback(0) | Comments(0)
探偵小説ファンのための短編集   法月 綸太郎著 「ノックス・マシン」
「ノックス・マシン」
法月 綸太郎 著

2014年度版の「このミス」国内1位のホ作。
ミステリーに詳しい人には楽しく読める作品だと思います。



ノックス・マシンノックス・マシン
(2013/03/27)
法月 綸太郎

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最新版の2014年このミステリーがすごいの
国内作品の第1位を取った作品。

4つの短編が収められた短編集です。

個人的に一番楽しく読んだのが、
二つ目の「引き立て役倶楽部の陰謀」。

名探偵たちの相棒(引き立て役)たちが一同に会し、
あれやこらやいろいろと議論するというもの。

ショーロック・ホームズのワトソン。
エルキュール・ポワロのヘイスティングス。

アガサ・クリスティーが引き立て役倶楽部との約束を反故にして、
ふたたび引き立て役が登場しない作品を発表しているとして、
クリスティーに制裁を加えようと議論する。

作中の人物たちがミステリー作家やそれぞれの作品を、
品評しているのはとても楽しかった。
各作家の代表作が取り上げられるので、
ミステリーの読書ガイトにもなる。

アガサの失踪事件の真相?も登場するし、
ミステリーに詳しければ詳しいほど楽しめるんじゃないかと思う。

他の3作品は近未来のSF作品。
「ノックス・マシン」のノックスとは
作家のロナルド・ノックスのこと。
ノックスが発表した「ノックスの十戒」という
ミステリーのルールをとりあげて、
そこにでてくる5番目のルール、
「中国人を登場させてはならない」という項目が
なぜできたのかをタイムスリップで探るという話。

ここでもさまざまなミステリー作家と作品が登場するので、
「ノックスの十戒」もふくめて、
単純にミステリーの勉強をさせてもらった。

現代ではとても実現不可能な話を展開するために、
難しい物理法則なんかがいろいろと登場する。
正直言ってこのあたりは荒唐無稽な感じで、
理屈をこねているところはついていけなかった。

ランキング1位ということで、
実際にこの本を取った人たちの
読んだ感想を先に知っていたので、
あらぬ期待を抱かずに読んだ。

「このミス」のランキングでの特徴で、
たまにこんなマニアックなミステリーをネタにした本が
上位に入ってくることがある。
ミステリー(探偵小説)に詳しい人たちの心をくすぐるのだろうが、
探偵小説以外のミステリーやエンタテイメントを期待している読者には、
期待はずれの内容一冊だと思う。



ノックス・マシンノックス・マシン
(2013/03/27)
法月 綸太郎

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小説 | 11:20:30 | Trackback(0) | Comments(0)
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