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タウム1

Author:タウム1
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「自分の感性くらい 自分で守れ ばかものよ」 茨木のり子

この言葉を肝に銘じて、本や映画を鑑賞しています。
やっぱり読書はいいですね。
いつも何かしらの本を読んでいます。
ミステリーから純文学まで・・。
特にノンフィクションはやめられないですね。
知らなかったことがわかる快感、魂の解放って感じで・・・。

オススメ本・・・「おそめ」 伝説のホステスの生涯。何ともいえない思いになりますよ。 「わたしを離さないで」 この気高く、奥深い感じ。小説の魅力に満ち溢れてます。 オススメ映画・・「イン・ザ・ベッドルーム」 二人の女優の演技にホレボレします。  「ザ・コンテンダー」 信念を貫くとはこういうこと。強いメッセージを感じますよ。

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実を基にしたスウェーデンの銀行強盗の3兄弟と家族の物語  アンデシュ・ルースルンド & ステファン・トゥンベリ著 ヘレンハルメ美穂、羽根由 訳 「熊と踊れ」  
「熊と踊れ」
アンデシュ・ルースルンド & ステファン・トゥンベリ著 
ヘレンハルメ美穂、羽根由 訳

  

このミス2017、海外編の第1位の作品。スウェーデンの事実に基づく、
3兄弟の銀行強盗の物語。






このミス、1位の作品。
毎年ランキングが発表されるのが楽しみで、
今年も期待しながら手にとりました。

舞台はスウェーデン。ストックホルム。
レオ・フェリックス・ヴィンセントの3兄弟とレオの幼馴染やスペルが、
武器庫を密に爆破して武器を人知れず盗み出すところから始まる。
そしてその武器を手に、4人は次々と銀行強盗を始める。

リーダーは、長男のレオ。
長男らしく、責任感があり、バラバラな4人を何とかまとめようと奮闘する。
次男のフェリック。三男のヴィンセント。ヤスペル。
話がつつむにつれ、4人の個性がそれぞれ描かれていって、
4人の関係性が微妙に変化していく様子もリアルに描かれている。

肝心の銀行強盗のシーンも何度も登場するが、
手に汗して読んだ。
とにかく、リアル。
そして映像的。
緊迫のシーンを読むのは楽しみではあったが、
読んだ後はものすごく疲労感を感じた。
銀行強盗のシーンを読んでいた時は、まさに4人と一緒に銀行に押し入り、
そして4人と一緒に逃走していた。

銀行強盗の犯す現在の3兄弟の様子とともに、
幼少期の3兄弟の家族の様子も交互に描かれる。


今は絶縁状態の父と母と暮らしていた頃。
やがて父の暴力に愛想を尽かし、
3人を残し家を出ていく母。

銀行強盗を犯す兄弟のこれまでの人生。
崩壊した家庭と父との決別。

やがて、4人の関係は崩壊し、
一旦、強盗グループは解散するのだが・・・。

強盗した金で普通の暮らしを夢見る、
フェリックスとヴィンセント。
ろくでもない人生で、
一発逆転に賭けるレオ。

なんとか捕まらずにいてほしいと願うが、
やはりそうはいかない。

ラストは読むのが切なかった。
結末はある程度予想がつくのだが、
最後の最後まであきらめないレオの姿がよかった。

驚くのは、著者の一人が、実際の銀行強盗の3兄弟と実の兄弟だということ。
もちろん、銀行強盗には加わらなかったのだが、
のちのち、本作を読んだ兄弟たちは自分たちの胸のうちが、
細かく書かれていると驚いたそうだ。

上下2冊とボリューム満点。
北欧の切ない銀行強盗の物語。
おすすめです。







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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

未分類 | 20:43:03 | Trackback(0) | Comments(0)
「その女アレックス」につながるカミーユの人生。  ピエール・ル・メートル 著  橘 明美 訳 「悲しみのイレーヌ」
「悲しみのイレーヌ」
ピエール・ル・メートル 著  
橘 明美 訳




2015年の”このミス“海外版NO.1の作品。
昨年のNO.1の「その女アレックスの前日譚で、
確かに面白かったが、できればこっちを先に読みたかった。







その女アレックス」があまりにも面白かった記憶が、
まだ新しいだけに、
同じ著者の、同じシリーズということで、
否が応でも期待は高まってしまった。


フランス・パリの捜査当局、カミーユ・ヴェルーヴェン警部。
極端に背が低いが、その手腕で数々の事件を解決している。
妻のイレーヌは身重で、もうすぐ父親になる予定だ。

郊外で発生した娼婦2人の猟奇的な殺人事件の捜査の様子と、
カミーユとイレーヌの生活や父との関係、
死んだ画家の母の思い出などがところどころに描かれる。



死体が切り刻まれ、頭が切り離され、
内臓が抜き取られているという猟奇的な殺人事件。
家具や調度品が残され、置かれていたスーツケースには、
遺留品が多数残っていた。
それらの手がかりから犯人を割り出そうとするのだが、
捜査は難航する。

その後、今回の事件とよく似た事件が過去に起きていたことがわかる。
そして、その猟奇的な犯行現場に共通している点に、
カミーユは気づいて、捜査は一気に進展したように思うのだが・・。


「その女アレックス」と本作。
もし両方をお持ちなら絶対本作から読み始めてほしい。
ああ・・・。
できればこの本を先に読んでいたら、
もっと楽しめたはずなのに。

「その女アレックス」は、本作のその後を描いている。
つまり、カミーユのその後を既に知ってしまっていたので、
結末は初めからわかってしまった。
できれば違った結末になってほしいと願っていたが、
残念ながら想像通りの結末だった。

*この先は特に結末に関係しています。*

「その女アレックス」では、過去に妻がいたことがふれられるし、
そして、「その女アレックス」で登場しない部下がいることが、
なぜなのかを考えてしまった。
それらに気づいてしまうと、
物語の重要な謎のいくつかが容易に想像つくのだ。

「その女アレックス」を意識して、二匹目のドジョウを狙う気持ちはわかるのだが、
このタイトル「悲しみのイレーヌ」はあまりにも多くを語りすぎだ。
もっと別のタイトルにしてほしかった
普通の読者なら、イレーヌに大きくかかわる何かが起きると考えると思う。


読みながら感じた既視感。
それは、ブラピ主演の映画「セブン」。
事件の捜査と並行して、
新婚生活と身重の妻を描いていたので、
「セブン」を意識して描いているのではないかと思った。


映画のカット割りのようにセリフだけでの場面転換や、
手紙や本の文章の挿入など飽きさせない工夫があるのだが、
全体的な出来としては「その女アレックス」には及ばないと思う。

それでもかなり楽しめる作品なのは間違いない。









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未分類 | 21:48:19 | Trackback(0) | Comments(0)
ミステリー好きでなくても必読の一冊。   ピエール ルメートル 著 「その女アレックス」
「その女アレックス」
ピエール ルメートル 著
橘 明美 訳



各ミステリーランキングでNO.1を獲得した注目のミステリーサスペンス。
ランキングに偽りなし。
とても興奮しました





毎年発表されるミステリーランキング。
2014年のNO.1をいくつも獲得したのが本作。
どれほどのものかと期待しながら読みました。

冒頭からいきなり惹きこまれます。
若い女、アレックスが車に連れ込まれ、さらわれます。
物語に身構えていなかったので、結構衝撃的。
しかも、文章が読みやすいし、
展開も早いのでさらに惹きこまれる。

そして、この事件の捜査当局の担当者、
警部のカミーユの視点からとアレックスの視点からと
交互に描かれ、
まったく読者を飽きさせず、
ぐいぐい引っ張っていきます。

アレックスとカミーユ。
人物像がしっかりしている。
それぞれの人生や生活が語られるが、
アレックスはどこか謎めいていて、
徐々にその素性が明かされていく。

カミーユは背が極端に低く、
妻を事件で亡くしている。
部下のルイは実家が富豪で、
アルマンは対照的にしみったれ。
それぞれのキャラクターが際立っていて、
凄惨な物語のアクセントになっている。

この本を紹介するのに、
ストーリーを描くとネタバレになってしまうので、
未読の人は以降は読まない方がいいと思う。
なるべく予備知識なしで楽しむ方がいい。


冒頭のアレックスの誘拐事件の捜査が進展すると、
なぜアレックスが誘拐されたのか、
アレックスは一体何者なのかに焦点が当たっていく。


前半からグロいシーンが登場して、
その描写がこの著者がうまい。
ねずみとアレックスの格闘は、
読んでいて顔が歪んでしまった。

アレックスをろくでもない女だと思って、
嫌悪して読み進めると、
後半で明らかになるアレックスの人生、生い立ちに
深く深くため息をつきたくなった。


久しぶりに読み応えのある小説に出会えた充実感。
いい小説を読み終えた時の、
他人の人生を全身で味わえたような、
何とも言えない満足感。

これだけ面白い小説にはなかなか出会えないと思う。
ミステリーでは「解錠師」以来。

ランキングに偽りなし。
未読の人は、ぜひぜひ読んでください。
自身を持っておすすめできます。












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テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

未分類 | 21:42:29 | Trackback(0) | Comments(0)
テニスの聖地を舞台に起こる犯罪。 「ウィンブルドン」
「ウィンブルドン」
ラッセル・ブラッド 著
池 央耿 訳


前半は青春スポーツ小説、後半は犯罪サスペンス小説。
一度で二度おいしい(?)小説です。



ウィンブルドン (創元推理文庫)ウィンブルドン (創元推理文庫)
(2014/10/31)
ラッセル・ブラッドン

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本書は、名作とされているスポーツ小説で、
待望の復刊ということで、期待して読み始めました。

タイトルからわかるとおり、
プロテニスプレイヤーが主人公として登場し、
テニスの様子もたっぷりと描かれています。
しかし後半はガラっと味わいが変わり、ウィンブルドンを舞台にした、
犯罪サスペンスの物語になります。

個人的には前半の若者がテニスに打ち込み、
年齢も国籍を超えて交流する物語が読んでいて心地よかったです。

ソ連の国や国民が何か理解できない、謎めいていてあやしい感じがしていた時代。
(今でもロシアは少なからず謎めいていますが・・・)
国の思惑ではなく、単純にテニスを楽しみたいと考える少年と、
その少年を匿うオーストラリアの青年とその家族。
その関係が何とも好感が持てるし、
読んでいて心地よかった。
互いに英語やロシア語を学びあう姿うらやましい。
テニスという共通の言語でつながっているのもいいなって思ってしまった。
テニスに対する姿勢が違っているのも面白かった。

後半はウィンブルドンを舞台に、試合と犯罪が、
同時進行で描かれる。
今なら、携帯電話があるのでもっと違った展開になるのでは・・・と
想像しながら読んでしまうので、
正直物足りない気持ちが強かった。

ロシア語が重要なところで登場したときには、
やった・・・という感じがしたが、
その後も展開は遅く、結末もすっきりはしなかった。
(犯罪の内容に触れないように書いたので、わかりにくい内容で恐縮です)

それでも前半の二人のテニスプレイヤーの交流を読んでいるだけに、
後半の犯罪の部分が生きてきていたのはよかったかな。

最後に個人的な余計なことですが、
「3カメさん」「4カメさん」という翻訳はなんか最後まで違和感が残った。




ウィンブルドン (創元推理文庫)ウィンブルドン (創元推理文庫)
(2014/10/31)
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テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

未分類 | 00:15:57 | Trackback(0) | Comments(0)
直木賞受賞作の短編集 森絵都著「風に舞いあがるビニールシート」
先日、発表されて話題となった直木賞
その受賞作をやっと読みましたので、今日はその感想です。

森絵都

「風に舞いあがるビニールシート」

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森 絵都 (2006/05)
文藝春秋
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6編の短編が収められた短編集
おそらく、著者初の短編集じゃないかな。(違ってたらすいません)

それぞれの主人公の職業や仕事を絡めながら物語が展開する。

テレビや雑誌で人気パティシエの助手の女。
捨て犬の飼い主を探すNPOに加わり、餌代のためにスナックで夜アルバイトする主婦。
働きながら、大学に通う二部学生。
かつての同僚に再会する、元仏像修復士
クレーム先に、取引先の若手社員と謝りにいくサラリーマン。
元夫を亡くした傷に悩む国連職員の女。

それぞれが、心に悩みを抱きながら仕事に取り組む。
そして、新たな行き先や出口を求めている。

著者のなみなみならぬ気迫が伝わってくるね。
というのも、仏像の修復とか国連とか取材や下調べをやりましたって感じがよく出てる。
おそらく、著者自身、作家としての脱皮を図って書いたのではないだろうかと思う。
評論家の中には、やはり、児童文学出の著者を軽く見ている人もいるのではないか。
そんな奴の鼻をあかしてやりたいって著者が思っていたとしても不思議はない。

どの作品も、職業とその人生の切り取り方はうまい。
とくに、表題作は力が入っているなぁ・・・と思いました。
難民を救うために奔走している人には、頭が下がるもの。
難民を救いたいと思う心と、普通の生活や幸せを願う心。
どっちも正しいし、考えさせらるね、うん。

うまいということを前提に少し言わせていただくと、やはり男が主人公の話はなんか薄い気がする。
どこがと言われても困るのだが、ピッタリはまりすぎているというか、もっとえげつない男の感情があってもいいかな・・・。
いいのはいいんだよ。同時受賞のあれに比べれば・・・。(三浦しをんファン、すいません)

「守護神」

二部学生がこんなに大変とは、改めて気づきました。
昼間働いて、夜勉強。
しかもレポートの提出なんかもあったりして・・・・。

これは、著者の経験がもとになっているそうです。
著者の以前の略歴では、専門学校卒になっていたが、この本では「早稲田大学卒業」となっている。
やはり、作家として第一線で活躍しようとしたら専門学校卒では支障があるのかね・・・。
やはり、大卒、しかも一流大学の卒業じゃないと・・・。

なんかいままでの森絵都と変わっていくようで寂しい。
児童文学でもいいじゃん。専門学校卒でもいいじゃん。

でも著者は、その現状に居心地の悪さを感じていたんだろうな。
もっと上、もっと、もっと。
そういう著者の意気込みが想像できた。

著者の気迫ともがきを感じた一冊です。

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