投稿日:2007-11-15 Thu
吉田修一 著「悪人」
おそらくは著者、渾身の一作なのではないかと思いましたね。
それは、本の厚さからも伝わってきましたよ。
それならばと、この作家のファンとして、襟を正して読みはじめましたよ。
![]() | 悪人 吉田 修一 (2007/04) 朝日新聞社出版局 この商品の詳細を見る |
朝日新聞に連載されていた小説です。
著者の作品は結構好きで、「東京湾景」とか「ランドマーク 」とか「パレード」とか「長崎乱楽坂」とか結構好きで読んでました。
著者の本は、場所を細かに描くのが特徴だと思うのだが、今回はその特徴がより濃くでている印象を受けた。
何せ地名や場所や道路名なんかが事細かに出てくるから、地図を見て、位置関係を確認しながら読みました。
東北出身の自分でも現場の様子が容易にわかるほど、著者は場所や状況の描写を入念に書いている。
おそらくは何度も現場を取材したのではないか。
かなり力が入っているのが、文章からも伝わってきましたよ。
物語としては、佐賀県と福岡県の県境の三瀬峠で保険外交員の女の死体が見つかり、その事件の真相やその事件にかかわるあらゆる人物の内面を描くというもの。
全体的な印象としては、宮部みゆきの「模倣犯」の印象。
つまりは、犯罪にかかわるあらゆる人物、加害者、被害者、両方の家族なんかを描いている。
似ているものの、読後感はかなりちがう。
なんというか、ちょっと感傷的すぎるかな・・・・。
途中から男と女の逃避行になってきて、どうなるのかとひっぱっていくんだけど・・・。
ラストが中途半端な印象を受けた。
しかーし、全体をとおして面白く読みましたよ。
登場する人物が、とにかくリアル。
登場人物のほとんどの内面。悪意や猜疑心、欺瞞や嘘や虚栄心が繊細に描かれているのが読みどころでもある。
ただ、人間の心のうちに隠されていたような、どろどろとした気持ちを何人分も味わうからかなり疲れるけど・・・。
でも、いろんな人の人生を一気に体験したような感覚。
著者渾身の大作なだけあってなかなかの読み応えでした。
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タウムさん、コメント&TBありがと~\(^o^)/
タウムさんは吉田作品をたくさん読んでいらっしゃるのね。
私は、この作品が初吉田作品でした。
何だか、一番最初にすごいものにぶち当たってしまったような気がしています(*^_^*)
>登場する人物が、とにかくリアル。
うんうん。本当に。「匂いがある」登場人物って、こういう感じなんだろうなぁなんて思いました。
また、ちょくちょく遊びに来させていただきますね♪
よろしくです(*^_^*)
タウムさんは吉田作品をたくさん読んでいらっしゃるのね。
私は、この作品が初吉田作品でした。
何だか、一番最初にすごいものにぶち当たってしまったような気がしています(*^_^*)
>登場する人物が、とにかくリアル。
うんうん。本当に。「匂いがある」登場人物って、こういう感じなんだろうなぁなんて思いました。
また、ちょくちょく遊びに来させていただきますね♪
よろしくです(*^_^*)
TBありがとうございました。
まさに渾身の一冊でしたね。
非常に読み応えがあって、被害者の父親の言葉などいくつも胸に響く言葉がありました。
そして、悪人って一体どういう人のことを言うんだろうかと、考えてしまう作品でもありました。
まさに渾身の一冊でしたね。
非常に読み応えがあって、被害者の父親の言葉などいくつも胸に響く言葉がありました。
そして、悪人って一体どういう人のことを言うんだろうかと、考えてしまう作品でもありました。
タウムさん、こんばんは。
>いろんな人の人生を一気に体験したような感覚
本当にそうですよね。
それぞれの想いを考え、読んだ後暫く放心状態でした。
>いろんな人の人生を一気に体験したような感覚
本当にそうですよね。
それぞれの想いを考え、読んだ後暫く放心状態でした。
法律上は、手を下したヤツなんだろうけど、
本当の「悪人」って誰?
と、考えさせられました。
コメント、ありがとうございました。
本当の「悪人」って誰?
と、考えさせられました。
コメント、ありがとうございました。
こんばんは。
読み応えがありましたね。
「悪人」というタイトルの意味を、
とても考えさせられました。
読み応えがありましたね。
「悪人」というタイトルの意味を、
とても考えさせられました。
内面も外面も描写がリアルなだけに、
こちらに流れ込んでくるものがあって疲れもしましたね。
著者渾身の!というのが伝わってきました。
こちらに流れ込んでくるものがあって疲れもしましたね。
著者渾身の!というのが伝わってきました。
2007-11-16 金 07:08:51 |
URL |
ふらっと
[編集]
おはようございます。タウムさん。
この作品に出てくる場所と、割と近いところにすんでいるので、余計に感情移入してしまった作品でもあります。
今年のマイベスト3には入る作品です。
この作品に出てくる場所と、割と近いところにすんでいるので、余計に感情移入してしまった作品でもあります。
今年のマイベスト3には入る作品です。
こんばんは。
コメント,TBありがとうございました。
まさに大作。充実至福の読書時間でした。
タイトル、深かったですね。
いろいろ考えることがありました。
コメント,TBありがとうございました。
まさに大作。充実至福の読書時間でした。
タイトル、深かったですね。
いろいろ考えることがありました。
タウムさん こんばんは。
TB・コメントありがとうございます。
それぞれの心理描写が素晴らし
かった。実際の事件をモチーフに
していて、とてもリアルでした。
読みごたえのある一冊でしたね♪
TB・コメントありがとうございます。
それぞれの心理描写が素晴らし
かった。実際の事件をモチーフに
していて、とてもリアルでした。
読みごたえのある一冊でしたね♪
はじめまして、TBありがとうございます。
私とはほとんど反対のご意見ですが 興味深く拝読させていただきました。 今後ともよろしくお願いします。
私とはほとんど反対のご意見ですが 興味深く拝読させていただきました。 今後ともよろしくお願いします。
2007-11-17 土 07:50:09 |
URL |
zio
[編集]
コメントありがとうございました 吉田修一氏は初読みでタイトルの悪人に惹かれて読みました
センチメンタルな感情と文章が、うまく相まってたと思います
センチメンタルな感情と文章が、うまく相まってたと思います
こんばんわ。
コメント&TBありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきました。
タウムさんの言う通り、位置関係とかも
丁寧に調べて書いたんでしょうね。
あまりに吉田さんらしくないテイストの作品だったけど、
意外に面白かったです。
コメント&TBありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきました。
タウムさんの言う通り、位置関係とかも
丁寧に調べて書いたんでしょうね。
あまりに吉田さんらしくないテイストの作品だったけど、
意外に面白かったです。
タウムさん、おはようございます。
読み出したら止まらない小説でしたね。
考えさせられました。
TBもありがとうございました。
読み出したら止まらない小説でしたね。
考えさせられました。
TBもありがとうございました。
またまたお初の作家さんです。
以前朝日新聞の夕刊に連載されていた小説です。
私が読んだのは2日だけ。
おばあさんがバスの運転手に励まされるシーンの回と、最終回でした。
以来、気になっていた作品ですが。
ま 2007-11-15 Thu 20:55:23 | 日だまりで読書
悪人吉田 修一 朝日新聞社出版局 2007-04売り上げランキング : 926おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools
≪内容≫
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。
再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。
二... 2007-11-15 Thu 21:21:43 | まったり読書日記
優れた出版物の著編者、訳者、出版社などを顕彰する
第61回毎日出版文化賞の受賞作品が以下の通り決まりました。
<文学・芸術部門>
吉田修一さんの「悪人」
<人文・社会部門>
大澤真幸さんの「ナショナリズムの由来」
<自然科学部門>
... 2007-11-15 Thu 21:40:33 | 及川的大人のブログ
悪人
吉田 修一
女性の遺体が三瀬峠で発見された。それは福岡の生命保険会社で働く石橋佳乃だった。事件の真相は?犯人は捕まるのか?
分厚い本だったんですけど、引き込まれました。一気に読みました。九州の言葉がうつってました。朝日新聞連載だったそうです。?... 2007-11-15 Thu 22:31:31 | ナナメモ
読み進むにしたがって、どんどん深みにはまり込んでいく…
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして... 2007-11-15 Thu 23:47:27 | じゅずじの旦那
装幀は町口覚。初出「朝日新聞」2006年3月24日~2007年1月29日。
福岡と佐賀の県境、三瀬峠の殺人事件。被害者石橋佳乃・保険外交員。加害者清水祐一・土木作業員。なぜ事件は起きたのか?。祐一は出会った馬込光代と 2007-11-16 Fri 02:37:21 | 粋な提案
悪人(2007/04)吉田 修一商品詳細を見る
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は... 2007-11-16 Fri 07:11:25 | +++ こんな一冊 +++
福岡県と佐賀県の県境にある三瀬峠で起こった殺人事件をモチーフに、事件の真相と犯人逮捕に至るまでの全貌を克明に描いた長編。
犯人が最初からわかっているという、いわゆる倒叙法により話は展開、犯人からその友人、被害者の家族に至るまでの心理描写がとにかく絶妙で... 2007-11-16 Fri 08:46:16 | かみさまの贈りもの~読書日記~
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係... 2007-11-16 Fri 20:51:40 | ぼちぼち
幸せになりたかった。ただそれだけを願っていた。 2007-11-16 Fri 22:41:44 | 待ち合わせは本屋さんで
JR久留米駅にほど近い場所に、小さな理容室がある。年々寂しくなる駅前通りを眺めながら、すっかり肥えた妻と平凡な日々を営んでいる店主。2001年12月9日の日曜日、彼は今日も鋏を使いながら福岡で寮生活をしながら保険の外交員として働いている一人娘のことを考え... 2007-11-17 Sat 21:20:13 | 千の天使がバスケットボールする
悪人
吉田 修一
●悪人/吉田修一
●朝日新聞社
●1890円
●評価 ☆☆☆☆
携帯サイト[:携帯:]で知り合った女性を殺害した一人の男。
彼はその直後に別の女性と出会い、共に逃避行[:車:]に及ぶ。
二人は互いの姿に何を見たのか?
どうしてあと少しだけ早く出会?... 2007-11-18 Sun 02:14:28 | 隣り近所のココロ・読書編
新聞かなにかで面白いと書いてあったので、初めて吉田修一さんの本を読んでみました。「悪人」タイトルからしてドキッ!もしかして私が主役か~?(笑) 福岡と佐賀の県境にある三瀬峠で、女性の絞殺死体が発見された。被害者は、短大卒業後、親元を離れて福岡市内で保険外 2007-11-19 Mon 09:39:18 | きょうの1枚
悪人吉田 修一 (2007/04)朝日新聞社出版局この商品の詳細を見る
福岡の三瀬峠で保険外交員石橋佳乃の遺体が発見される。
同僚の前では彼氏と思われる人物と待ち合わせをしていたはずだが、その夜約束していたのは
長崎に住む土木作業員 2007-11-22 Thu 08:42:51 | 本読み日記
新聞で連載されていた頃、
独特な雰囲気の挿絵と、
重苦しい内容が気になり
時々、読んでいました。
読んだことさえすっかり忘れていたところ、
映画化されると知り
文庫本を手に入れました。
そこで以前、不完全ながらも
読んでいたことがあるのを
思い出したので?... 2010-10-04 Mon 09:54:25 | 花ごよみ
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