投稿日:2010-01-17 Sun
アントニー・バークリー著「ジャンピング・ジェニィ」
帯にはこうあります。
絞首台に吊るされた藁人形が、女の死体に入れ替わり―――
探偵小説黄金期の収穫
バークリー中期の傑作、初文庫化!
簡単にいえば、ミステリーの名作です。
ジャンルがはっきりしているだけに、じっくり腰をすえて読めました。
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名前は、なんとなく聞いていましたが、著者の本を読むのは今回が初めてでした。
主人公は、シリーズで登場しているという、小説家のロジャー・シェリンガム。
ロジャーは、知人のパーティに参加する。
参加者は、それぞれ有名な犯罪者や殺人者に扮装している。
余興の一つとしてテラスには、藁人形の死体が3体するされていた。
時間が過ぎ、深夜に行方がわからなくなった女、イーナを探すと、
藁人形の代わりにテラスで首を吊っている状態で発見される。
彼女はパーティーの主人、ロナルド・ストラントンの弟、
デイヴィッドの妻で、その言動や振る舞いでパーティー参加者の全員から疎まれていて、
自らも自殺をほのめかすことを言っていたために自殺だと思われたが・・・・。
冒頭、事件が起きるまでは、登場人物と仮装して人の名前が出てきて、
正直ややこしい。
しかし、その後のイーナが登場しているとことはとても興奮。
最初の読みどころのひとつ。
何せ、みんなに嫌われているだけあって、どんなにいやな女かが描かれている。
これは、死んで当然って誰もが思うはず。
見事っていいたいくらいの嫌な女具合ですよ。
その後、死体が発見されて、自殺か他殺を考えていたロジャーが、
現場であることに気づいて他殺だと確信する場面は、
背筋が凍るほどゾクゾクした。
個人的にはここもよみどころだと思います。
後半は、ロジャーが犯人だと思った人間をかばう行動にでて、
それが自分の首をしめることになったり、
結構、コメディー色が強い。
その後、捜査や検死審問で、
ロジャーはいかに自殺だと思わせるかでいろいろと偽装工作をする。
これもなんかドタバタコメディーを読んでいるようだった。
しかし、それだけで終わらせずに、
ラストまでしっかりと楽しませてくれる。
パーティーとか仮装とか重くならずに、凄惨な殺人ではなく、
あくまでエンタテイメントとして読者を楽しませようとする著者の精神を感じる一冊でした。
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ジャンピング・ジェニイ
- アントニイ・バークリー/翻訳:狩野 一郎
- 東京創元社
- 966円
書評/ミステリ・サスペンス

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投稿日:2010-01-03 Sun
「水時計」 ジム・ケリー 著 玉木 亨 訳
有能な新聞記者のドライデン。
凍りつく川から引き揚げられた車のトランクから見つかった死体の事件と、
翌日大聖堂の屋根から見つかった白骨化した死体の事件を調べるうちに、
未解決のガソリンスタンド強盗とつながりを見つける。
そして、自分と妻が遭遇した交通事故の真相も明らかになる。
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舞台は、イギリスの実在の地方都市、イーリー。
11月1日からの一週間の物語。
イギリスらしい薄暗く、寒々しい雰囲気がさらに物語を深くしているように感じる。
交通事故で植物状態になり、入院した妻を見舞いながら、ドレスデンは記者として取材をする。
新聞記者の実態(まぁイギリスのだが)が、描かれていて、それがすごく興味深かった。
取材対象者とのやりとりを、談話として記事にどうそつなくまとめるかとか。
それから印象に残ったのは、イギリスも他民族国家だということ。
イメージではわかるけど、この本で改めて実感させられた。
さまざまな移民がイギリスで生活していることも、物語に絡んでくる。
移民との不和みたいな問題、イギリスでは深刻なのかと勝手に想像してしまった。
(ましてや、移民の人が頑張って一財産築いてもともといるイギリス人よりお金持ちになったら・・・。)
物語は、死体の発見がきっかけでさまざまな人間が絡んだ事件の時計がふたたび動き出す。
警察や政治の人間も登場してきて、事件のもつれた糸がなかなかほどけていかない。
それでも、取材をするうちに真相へと近づいていくところは、ゾクゾクする。
水時計というタイトルは、あとがきで解説の人が書いているようにいろいろな解釈ができるが、
個人的には、水が氾濫して街の飲み込んでいくさまを表現しているように感じた。
それにしても、イギリスが舞台の本によく出てくる沼沢地(フェン)というのは、どういうところなのだろう。
日本でいう湿原のようなところなのか。
そこは、やはり人が住むにはあまり向かない、誰も行きたがらないところなのだろう。

水時計
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投稿日:2009-12-03 Thu
わぐりたかし 著「地団駄は島根で踏め
行って・見て・触れる≪語源の旅≫」
まだまだ新書ブームは、続いているようでいろんな本が出ていますなぁ。
数ある新書に埋もれないようにタイトルもユニークなものが増えています。
この本もタイトルが印象的な一冊ですが、内容も面白かったよー。
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副題にあるとおり、語源の現場へ行き、もとになった物・事・人に触れた一種の旅行記です。
語源というテーマで旅するだけで、こんなにも楽しくて、
日本の歴史や文化が違った切り口で見えてくるのはすごく面白かった。
堅苦しくなく、各地の人々ともふれあいながら気ままに旅している雰囲気が伝わる。
著者が何よりも日本語に取り付かれて、語源の旅を楽しんでいるのがこちらまで伝わってくる。
人生を楽しんでいるというのか。
著者の明るい人格もにじみ出ているように感じた。
もちろん語源についても勉強になる。
もうどれをとっても「へぇー」とうなるような語源ばかり。
こんなことがもとになったのっていうのもあるし。
なかでも印象的なのは、「ごたごた」。
普通によく使う、ごたごたするのごたごたです。
この言葉が、鎌倉時代に当時の中国から日本に招かれてやって来ていた
和尚さんの名前から来ていたこと。
兀庵(ごったん)。
驚きますねぇ。
詳しはぜひこの本を読んでみてください。
旅のガイドブックとしても楽しめるとおもいます。
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投稿日:2009-11-29 Sun
「エルサレムから来た悪魔」アリアナ・フランクリン著 吉澤康子訳
十字軍の時代の歴史ミステリーです。
ちょっと敷居が高いかと心配しましたが、意外とすんなり入り込めて楽しめました。
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西洋の歴史に詳しくない身としては楽しめるかちょっと心配でしたが、
結構楽しめましたよ。
それは、ほとんど現代の探偵小説、しかも検視官の活躍と思って読めたので・・。
もちろん歴史や時代背景を考えながら読むともっと楽しめるとは思いますが。
イングランドで起こった子供の連続殺人事件を捜査するために、
シチリアから派遣された女医のアデリア。
12世紀のイングランド。
医学や科学の知識よりも、宗教的な迷信が病気の治療をしていたし、
女の医者も認められていない。
慣れない異国の地で、数々の困難を乗り越えながら、
子供を殺している犯人へと近づいていくアデリア。
このアデリアの奮闘ぶりを自然に応援してしまう。
史実にあたって書かれていると思われる、
いわゆる薀蓄的知識がわかるの楽しかった。
十字軍が聖地奪還の正義のもとに野蛮なことをしていたかとか。
なかでも興味ふかかったのは、中東地域の“人質”についての記述。
下巻の前半に出てくる。
・・・人質というのは保証なんだ。
・・・・・それは契約であり、生きた誠意であり、
同意事項を実行するという約束であり、
異人種間でかわされる外交的および文化的な交換の一種なのだと。・・・
もしかしたらこういう文化的背景が現代にも残っているのかもと、
なんとなく納得してしまいました。
アデリアの科学捜査だけでなく、ロマンスやラストには冒険と犯人との対決と
読みどころ満載でした。
犯人は、それほど意外ではないですが、
歴史の重みと宗教の荘厳な雰囲気で背筋がゾクゾクとする怖さを体感。
十分に読書の楽しみを味あわせてくれる一冊でした。

エルサレムから来た悪魔 上下巻
- アリアナ・フランクリン/吉澤 康子
- 東京創元社
- 882円
書評/ミステリ・サスペンス

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投稿日:2009-11-17 Tue
映画 「THIS IS IT」世界中で大ヒットしているみたいですね。
やっぱり大きなスクリーンで見てみたいと思って劇場に行きました。
「THIS IS IT」公式HP>>>
もう2時間飽きることなく、“KING OF POP”を堪能しました。
今までのヒット曲をほぼ網羅しているリハーサル映像は、本当に楽しめました。
マイケル・ジャクソンの歌とダンスのうまさにいまさらながら感動して、ジンジン来ました。
個人的にうれしかったのはジャクソン5の曲もリハーサルしていたこと。
単純に観客を楽しませようとして、ひたむきにリハーサルに打ち込むマイケル・ジャクソン。
もうこの世に存在しないの本当に残念でならない。
映画を楽しんだけれど、叶わないのを十分に知りつつ、このコンサートの本番を見たかったと何とも複雑な気持ちになった。
マイケル・ジャクソン。
あまりにも大きすぎる損失。
![]() | マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか? (P‐Vine BOOKS) (2009/05/02) アフロダイテ・ジョーンズ 商品詳細を見る |
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